東京都写真美術館は、展覧会「TOPコレクション 何が見える?『覗き見る』まなざしの系譜」を2023年7月19日(水)から10月15日(日)まで開催します。この展覧会は、東京都写真美術館の収蔵作品を様々な視点から紹介するものであり、「覗き見る」ことをテーマとしています。
上:作家不詳《カメラ・オブスクラ》19世紀頃 木、ガラス下:作家不詳《光学箱》19世紀頃 木、ガラス
展覧会では、「覗き見る」ことを可能にした装置やそれによって生み出されたイメージ、さらには「覗き見る」ことからイマジネーションを広げた作家たちの多様な表現を紹介します。カメラはまさに「覗き見る」装置であり、18世紀から19世紀のヨーロッパでは、カメラ・オブスクラの構造を利用したピープショーが流行しました。また、江戸時代の日本でも「のぞきからくり」や「覗き眼鏡」が流行しました。
ウィリアム・ベンジャミン・カーペンター 《ウニのとげと断面》1848-1849年 ダゲレオタイプ
展覧会では、顕微鏡や望遠鏡などの科学的な装置や立体視のための装置、動く絵を生み出す装置など、さまざまな覗き見る装置のバリエーションを紹介します。展示では、当時の貴重な装置のレプリカを実際に体験することができるほか、それらの装置で使用された絵や写真も多数紹介されます。展覧会を通じて、各時代の社会や文化、歴史に触れることができるでしょう。現代では電子機器の発展により、液晶モニターやディスプレイを見ながら撮影することが一般的になりましたが、「覗き見る」行為の系譜は受け継がれています。
現代では、ほとんどの人がスマートフォンを持ち、気軽にカメラを使ってお互いを撮影することができます。しかし、「覗き見る」ことで得る恩恵と、意図せず覗き見られる危うさが共存しています。展覧会の第5章では、奈良原一高氏、オノデラユキ氏、出光真子氏、伊藤隆介氏の4人の現代作家の作品を通じて、「覗き見る」行為のあり方について考えることができます。
展覧会概要
「TOPコレクション 何が見える?『覗き見る』まなざしの系譜」
会期:2023年7月19日(水)~10月15日(日)
会場:東京都写真美術館 3F 展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(木・金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌平日)
観覧料:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中学生・高校生・65歳以上 350円
※小学生以下、都内在住・在学の中学生、障がい者手帳の所持者および介護者(2名まで)は無料
■出品点数
267点(予定)※会期中に1回展示替えあり
■出品予定作家
ウィリアム・ベンジャミン・カーペンター、ロール・アルバン=ギヨー、エドワード・マイブリッジ、エティエンヌ=ジュール・マレー、ハロルド・ユージン・エジャートン、奈良原一高、オノデラユキ、出光真子、伊藤隆介
【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099