今では日本産メガネの 95%を生産している福井県ですが、明治時代にこのメガネ産業をゼロか ら立ち上げた兄弟がいました。豪雪地帯のため冬は農作業ができず、収入の道がなくなる村の状 況を変えようと奮闘したのが、増永五左衛門(小泉孝太郎)と幸八(森崎ウィン)の兄弟で す。そして、その二人を信じて支え、見守り続けた五左衛門の妻・むめ(北乃きい)を主人公 に、挑戦と情熱、家族の愛の物語を描いたのが、映画『おしょりん』です。10 月 20 日(金)よ り福井県先行公開、11 月 3 日(金・祝)より角川シネマ有楽町ほかにて全国公開されます。
この度、全国公開を前に舞台となった福井県で先行公開記念舞台挨拶を実施致しました。
主演の北乃きい、共演の森崎ウィン、小泉孝太郎、そして監督の児玉宜久が登壇いたしまし
た!
マスコミ試写でも、感動のストーリー展開やオール福井ロケによる映像美が大きな話題となっており、ついに公開を迎えられる 喜びを語りました。
人生を懸けてメガネ作りに挑んだ人々の情熱と愛の物語、映画『おしょりん』!11 月 3 日(金)の全国公開を 前に、舞台となった福井県での先行公開を記念した舞台挨拶が 10 月 20 日(金)に福井県鯖江市の映画 館で行われ、北乃きい、森崎ウィン、小泉孝太郎、そして児玉宜久監督が登壇した。天候不良のため飛行機の 到着が遅れ、予定の5分遅れでスタートした舞台挨拶だったが、4 人が登場すると会場からは万雷の拍手が起 こり、会場は熱気に包まれた。
明治時代に福井で眼鏡産業の礎を築いた増永五左衛門、幸八兄弟の挑戦と、2 人を支え続けた五左衛門の 妻むめの姿を描く本作。増永むめ役の北乃は、「(福井の人は真面目な人が多いと聞きますが)そんな福井の 人たちと、真面目な監督と一緒に作った作品です」と笑顔で挨拶。
増永幸八役の森崎は、劇中で演じた増永兄弟が創業した増永眼鏡が作ってくれたというメガネをかけて登壇し、 「福井は、他県から来た自分をファミリーのように迎えてくれた温かかったです」と述懐。
開口一番、「かたいけの(=お元気ですか?)」とロケ中に覚えた福井弁を披露して観客の心を鷲掴みにした増 永五左衛門役の小泉は、「増永五左衛門という偉大な人物を神奈川県出身の僕が演じていいんだろうか?福 井の皆さんは受け入れてくださるのだろうか?とひるんだんです。だけど、福井でいろんな人に“五左衛門さん役、楽 しみにしています”と声をかけていただいて僕はスイッチが入りました」と挨拶した。
福井を舞台にした作品は前作『えちてつ物語 ~わたし、故郷に帰ってきました~』に続いて2作目となる児玉監 督は、「福井の映画5部作の2作品目です。普通は 3 部作ですが、私の中では最低限5本は福井で撮るつも りです」と大胆な構想を披露して観客を驚かせた。
和やかなクロストークが繰り広げられた舞台挨拶だったが、意外にも北乃は小泉に緊張をしていたようで、「孝太 郎さんにはすごく緊張を与えられて、『あ、よかったな』って孝太郎さんに感謝していました。その緊張感がないと出 ない夫婦の距離感がありまして、孝太郎さんのお陰でそれを出すことができました」と、撮影秘話を披露した。 それを聞いた小泉は「北乃さんと一緒の横須賀出身で地元の話とかしたかったんですけど、明治時代の夫婦の役 だったのでプライベートの話を控え、あまり会話をしないようにしていたんです。それを感じ取っていただけてよかったで す」と笑顔を見せた後、「でも、“緊張する”って言ってますけど、何年か前に僕の実家を覗き見しにきたんでしょ?」 と思いがけないエピソードを暴露すると、会場を爆笑させた。
実生活でも長男の小泉が、「五左衛門さんと同じ長男なので、長男の気持ちとか苦労なんて弟にはわからないだ ろうな~っていう、五左衛門さんの気持ちがよくわかった」と役への共感を語ると、弟役を演じた森崎は、「兄の苦 労とかまったく考えていなかったです(笑)。実生活では長男なので、弟役を演じるのは『甘えられる!』って嬉し かったです」と人懐っこく笑いをとっていた。
舞台挨拶の後半には、ロケ地となった福井県の杉本達治知事と、制作委員会の新道忠志委員長が映画の公 開を祝して花束ゲストとして登場した。
「屋外のシーンだけでなく、室内のシーンもオール福井ロケで撮影いただき、福井の空気感が非常に出ていました。 皆さんが福井人にしか見えなかったです」と杉本知事。
最後に主演の北乃は「13 歳からこの仕事をやってきた中で勉強させてもらってきたことや自分が今までいろんな作 品で経験したこと、自分のすべてを出し切った作品です。これ以上はもう何もないっていうくらいにこの作品で出し 切りました。福井の素晴らしい街並みとか、努力を惜しまずひたむきに1つの目標に向かって諦めず進んでいく福 井の人の強さを、福井以外の人に見ていただいて、福井に行きたいなって一人でも多くの方に思ってもらえたらと 思っています。皆さんの心に少しでも響いたら嬉しいです。本日はどうもありがとうございました」と挨拶。
また、児玉監督は、「私がこの作品を撮りたいと思ったのは『おしょりん』というタイトルにあります。登場人物たちの 生き様を示しているタイトルで、これからご覧になる皆さんにこのタイトルの意味をそれぞれの心の中で感じ取ってい ただけたらと思います。本日はどうもありがとうございました」と締めくくった。
ストーリー
明治37年、福井県足羽郡麻生津村の庄屋の長男・増永五左衛門(小泉孝太郎)と結婚したむめ(北乃きい)は、育児と家事に日々明け暮れていた。ある日、五左衛門の弟・幸八(森崎ウィン)が勤め先の大阪から帰ってくる。幸八は、村をあげてメガネ作りに取り組むことを提案する。メガネはまだほとんど知られてないが、活字文化の普及で必ず必需品になり、収入のない冬の農家の人々の暮らしの助けになるというのだ。初めは反対していた五左衛門だったが、視力の弱い子どもがメガネをかけて大喜びするのを見て、挑戦を決意する。村の人々を集めて工場を開き、苦労の末にメガネを仕上げるが、「売り物にならない」と卸問屋に突き返され、資金難から受けた銀行の融資の返済を厳しく迫られる。兄弟は幾度となく挫折するが、決して夢を諦めない強い心を持つむめは、そんな二人を信じ、支え続ける。兄弟と職人たちはむめに励まされ、最後の賭けに打って出る……。
映画『おしょりん』作品情報
公開日 | 2023年11月3日公開予定 |
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キャスト | 監督:児玉宜久 原作:藤岡陽子 出演:北乃きい 森崎ウィン 駿河太郎 高橋愛 秋田汐梨 磯野貴理子 津田寛治 榎木孝明 東てる美 佐野史郎 かたせ梨乃 小泉孝太郎 |
配給 | KADOKAWA |
制作国 | 日本(2023) |
上映時間 | 120分 |
公式サイト | https://movies.kadokawa.co.jp/oshorin/ |
(C)「おしょりん」制作委員会