イントロダクション
朝井リョウによるベストセラー小説、待望の映画化! 映画を牽引する、稲垣吾郎×新境地を見せる、新垣結衣。 いま、この時代にこそ必要とされる、 心を激しく揺り動かす、痛烈な衝撃作誕生!横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。
広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。
ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた。
同じ地平で描き出される、家庭環境、性的指向、容姿――様々に異なる背景を持つこの5人。だが、少しずつ、彼らの関係は交差していく。
まったく共感できないかもしれない。驚愕を持って受け止めるかもしれない。もしくは、自身の姿を重ね合わせるかもしれない。それでも、誰ともつながれない、だからこそ誰かとつながりたい、とつながり合うことを希求する彼らのストーリーは、どうしたって降りられないこの世界で、生き延びるために大切なものを、強い衝撃や深い感動とともに提示する。いま、この時代にこそ必要とされる、心を激しく揺り動かす、痛烈な衝撃作が生まれた。――もう、観る前の自分には戻れない。原作は、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞し、『何者』で第148回直木賞を受賞した朝井リョウによる長編小説。作家生活10周年を記念して書き上げられ、読者の価値観を激しく揺さぶる内容が多くの読者の支持を得てベストセラーとなり、第34回柴田錬三郎賞を受賞、発売部数はすでに38万部(2023年7月現在)を突破、「これまでの価値観を覆す読書体験」として大いなるうねりを生み出している。
主人公の啓喜を演じるのは『半世界』『窓辺にて』などで高い評価を得てきた稲垣吾郎。唯一無二の存在感を放ちながら、市井の視点で啓喜を演じ、観客を映画世界へ誘う。映画、テレビドラマ問わず、数々のヒット作でその瑞々しさが評されている新垣結衣が、夏月の複雑な心のひだを繊細に演じ、今までに見たことのない表情を魅せる。夏月と感情を共有していく佳道を演じるのは、本年も数々の出演作が公開され、その演技力が絶賛されている磯村勇斗。表情、発声、身体で観客の脳裏に佳道を焼き付ける。台詞だけでなく、ダンスシーンでも大也の感情を発露させるのは佐藤寛太。そして、誰もが持つ心の弱さと強さを、本作が映画初出演の東野絢香が八重子役で体現する。
監督は、『あゝ、荒野』が主要映画賞で多数作品賞を受賞し、前作『前科者』では希望と再生の物語を感動的に描いた岸善幸。もっとも新作を期待される監督のひとりである彼が、巧みな演出力で、登場人物それぞれのキャラクターに寄り添うように、ラストシーンまでを丹念に描き出している。脚本は、『あゝ、荒野』でも岸とタッグを組んだ、『宮本から君へ』『MOTHER マザー』などの港岳彦が務め、壮大な原作世界を映像に置き換える挑戦を成功させた。
本ビジュアルも解禁に!
映画『正欲』ストーリー
寺井啓喜は横浜地方検察庁の検事。妻の由美、息子の泰希と3人で暮らしている。不登校インフルエンサーに影響され、自分も学校に行かずに動画配信をやってみたいと話す泰希をめぐり、妻と意見が食い違う。ある日、啓喜は事務官の越川から、現在扱っている案件に類似した過去の事件として、新聞配達員が蛇口を盗み捕まった事件があると聞かされる。
「警察施設に侵入し、水を出しっぱなしにして蛇口を盗んだとして、新聞配達員の藤原悟が窃盗と建造物侵入容疑で逮捕された。容疑者は水を出しっぱなしにするのが嬉しかったと供述している」15年前、地方の新聞で報じられた小さな新聞記事。
「小児性愛どころじゃない異常性愛の人って沢山いるみたいなんです。今回の被疑者ももしかしたら……」と告げる越川。
桐生夏月は両親と広島に住み、大型ショッピングモールで働いている。ある日、中学三年生のときに転校した同級生・佐々木佳道がそれまで働いていた横浜から戻ってきたと知る。
夏月は15年前を思い出す。中学のホームルームの時間に、同級生が新聞から気になるニュースを紹介した日。新聞配達員の藤原悟が蛇口を盗んだニュースを聞き、「水を出しっぱなしにするのが嬉しい」なんて意味不明だと話すクラスメイトにクラス中は笑いに包まれる。放課後、夏月は校舎裏の水飲み場に向かうが、そこには佳道の姿があった。
神戸八重子は大学で学園祭実行委員を務めており、昨年まで行われていたミス・ミスターコンテストの代わりに、多様性を称えるダイバーシティフェスの開催を計画していた。
諸橋大也が所属するダンスサークル「スペード」を訪ね、出演を依頼する八重子。
八重子はあることから、男性がずっと苦手だったのに、大也だけはなぜか平気だ。ダンスの練習に励む大也から目が離せない。そんな八重子の気持ちに大也も気づいていく。違う場所、違う人生、違う境遇で生きる5人は、誰も予想できなかった感情で少しずつ少しずつ近づいていくのだった。
映画『正欲』作品情報
公開日 | 2023年11月10日公開予定 |
---|---|
キャスト | 監督:岸善幸 原作:朝井リョウ 出演:稲垣吾郎 新垣結衣 磯村勇斗 佐藤寛太 東野絢香 山田真歩 宇野祥平 渡辺大知 徳永えり 岩瀬亮 坂東希 山本浩司 |
配給 | ビターズ・エンド |
制作 | テレビマンユニオン |
製作 | 「正欲」製作委員会 製作幹事:murmur |
公式サイト | https://bitters.co.jp/seiyoku/ |
https://twitter.com/seiyoku_movie | |
https://www.instagram.com/seiyoku_movie/ | |
https://www.facebook.com/SeiyokuMovie/ |
(C)2021 朝井リョウ/新潮社 (C) 2023「正欲」製作委員会