映画

映画『悪は存在しない』

【イントロダクション】

映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年公開)で初めて顔を合わせた映画監督の濱口竜介と音楽家の石橋英子が共同で手がけたプロジェクトが、長編劇映画『悪は存在しない』(原題: “Evil Does Not Exist”)として完成し、第80回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、ワールドプレミアが行われます。

このプロジェクトの始まりは、石橋英子が自身のライブパフォーマンス用の映像を濱口竜介に依頼したことから始まりました。濱口監督はこの提案に賛成し、音楽と映像の融合というプロジェクトがスタートしました。その過程で、長編映画『悪は存在しない』が制作されることとなりました。

『悪は存在しない』は、第80回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門でワールドプレミアが行われ、世界中の映画ファンに紹介されます。また、同じ映像素材を使用して制作された石橋英子の音楽ライブ用のサイレント映画『GIFT(ギフト)』は、ベルギーで開催されるゲント国際映画祭で初公開され、その後、石橋の音楽と映像のパフォーマンスとともに世界中で上映される予定です。

【ギャラリー】

監督の濱口竜介と音楽家の石橋英子が、共同で制作した映画『悪は存在しない』についてのコメントがあります。

監督・濱口竜介のコメント: 『悪は存在しない』は、もともと石橋英子さんからのライブパフォーマンス用映像の依頼を受けて始まりました。石橋さんとのデモ的な音楽と映像のやり取りから、普通のミュージックビデオではなく、物語映画として演出しなければ石橋さんの音楽に対応できないというアイデアが生まれ、物語の脚本を書き始めました。その物語映画からライブ用映像を作ろうと考えたのです。

長野と東京での撮影が終わり、非常に強い手ごたえを感じました。出演者それぞれの声や存在感が、私が想像していたものを遥かに超えていたからです。結果として、『悪は存在しない』は、石橋さんの美しい劇伴音楽とともに、独立した映画作品として完成しました。

ヴェネチア国際映画祭がこの奇妙な成り立ちの映画を評価し、コンペティション部門に選出してくれたことを心から喜んでいます。キャストとスタッフにも感謝しています。また、共通の映像素材から制作された石橋さんの音楽ライブ用サイレント映画『GIFT』は、『ドライブ・マイ・カー』で石橋英子さんに「ディスカバリー・オブ・ザ・イヤー」賞を授与したベルギーのゲント国際映画祭で、石橋英子さんのライブパフォーマンスとともに初公開されます。私自身も石橋さんのファンとして、この夢のような機会を楽しみにしています。

石橋英子のコメント: 2年前、海外のプロモーターから「映像と一緒にライブをやってみる気はないか?」という提案を受けました。私はジャンルや演奏の場所にこだわりを持っていなかったため、このアイデアが新たな可能性を開くものと期待し、濱口竜介さんに相談しました。濱口さんは私の提案に快く応じてくれました。彼の素晴らしい映画制作経験から、私たちは何か素晴らしいものを作ることができるだろうと感じました。

このプロジェクトが素晴らしい作品になることは最初からわかっていましたが、脚本や映像を共有する過程で、予想をはるかに超える素晴らしい作品ができ上がったことに驚いています。そして、『悪は存在しない』が独立した映画作品として完成し、ヴェネチア国際映画祭に出品されることをとても嬉しく思います。『悪は存在しない』とライブ用サイレント映画『GIFT』は、今後どのような旅をするのか、楽しみで仕方ありません。

映画『悪は存在しない』【作品概要】

公開時期:2024年
プロデューサー:⾼⽥聡
監督・脚本:濱⼝⻯介
⾳楽:⽯橋英⼦
企画:濱⼝⻯介、⽯橋英⼦
出演 :⼤美賀均、⻄川玲、⼩坂⻯⼠、渋⾕采郁
撮影:北川喜雄
録⾳・整⾳:松野泉
英題:Evil Does Not Exist

© 2023 NEOPA / Fictive

ABOUT ME
エンタメスクリーン
映画を中心に繋がる、アニメ・音楽・ファッション・スポーツとエンターテイメントなイベントをリポート ニュースも掲載しております。イベント取材・内覧ニュース掲載は こちら release.ensc@outlook.jp編集部にご連絡ください。
関連記事
映画

「第2回新潟国際アニメーション映画祭」グランプリは『アダムが変わるとき』に決定 『アリスとテレスのまぼろし工場』が傾奇賞受賞

2024年3月20日
エンタメスクリーン
クロージングセレモニーで挨拶したゼネラル・プロデューサー・真木太郎は「1回目から比べて倍くらいの賑わい、お客さまの数を感じて、映画祭らしくな …