TVアニメ「オッドタクシー」を⼿掛けたクリエイタータッグ・⽊下⻨(監督・キャラクターデザイン)×此元和津也(原作・脚本)と、国内外の映画祭で注⽬を集めた『映画⼤好きポンポさん』『夏へのトンネル、さよならの出⼝』を⼿掛けた制作スタジオ・CLAP による、オリジナルアニメ映画『ホウセンカ』が公開される。この度、本作が「アヌシー国際アニメーション映画祭 2025」の⻑編コンペティション部⾨に選出されたことが発表され、あわせて、本作の特報映像が公開された。
本作は、昨年開催された「アヌシー国際アニメーション映画祭 2024」にて、制作進⾏中のプロジェクトについて監督⾃らが語るプログラム「Work in Progress」に選出され、⽊下監督、プロデューサーであり CLAPの代表取締役である松尾亮⼀郎、コンセプトアートを担当するミチノク峠の3⼈が登壇。当時制作中だった本作の展望がトークステージで語られた。ついに完成を迎えた本作は、今年の同映画祭の⻑編コンペティション部⾨において満を持して初披露される。

本作は、「セトウツミ」を⼿掛けた漫画家で、脚本家としても活動の場を拡げる此元和津也が書き下ろしたオリジナルストーリー。独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の⽼⼈。「ろくでもない⼀⽣だったな」と声を掛けたのは、⼈の⾔葉を操るホウセンカだった。“会話”の中で、⽼⼈は⾃⾝の過去を振り返り始める。


W主演で、主⼈公の男・阿久津実の過去と現在をそれぞれ演じるのは、小林薫と戸塚純貴。阿久津のパートナー・永⽥那奈役には満島ひかりと宮崎美⼦。そして、⾔葉を話すホウセンカの声を、ピエール瀧が務める。





作品の⾳楽を担当するのは、バンド・cero。そして、この度公開されたティザービジュアルは、デザイナーの⼤島依提亜がアートディレクションを担当。イラストは kigimuraが手掛ける。
▼⼩林薫
阿久津役は、ピエールくんと⼆⼈のみでの収録でした。終えて家に帰っても切替えられず、頭の中もボーとしてえらく疲れていたのを覚えています。 翌⽇の収録でピエールくんにその事を話すと、彼は収録地の⾚坂から渋⾕までなんと歩いて帰ったそうです。彼なりのクールダウンだったと思います 。そんな充実感と疲労、感動の⼊り混じった収録でありました。
▼⼾塚純貴
幸せだったと⼼から⾔える⾃分の⼈⽣であってほしいと思わせてくれる『ホウセンカ』。⼈間臭い阿久津実がとても愛おしくて、アニメーションによって彩られる彼の世界には最後のシーンまで感動しきりでした。深いことは考えず⽬の前にいる不器⽤でまっすぐで⼈情深い阿久津に⾝を委ねました。⼩林薫さんの声⾊や感情の機微から若かかりし阿久津を想像して、丁寧に⾔葉を伝えてくれる満島ひかりさんとは本当に⼼を通わせた気持ちになりながら収録させていただきました。声優に不慣れな⾃分は完成を⾒るのが少し不安でしたが、それを忘れさせてくれる感動がありました。皆様に早く届いてほしい、是⾮観ていただきたい映画です。
▼満島ひかり
胸がきゅっとなる作品でした。ちょっと渋くて、チャーミングなお話をみて「愛した記憶があるから私は寂しくないの」と⾔ったある先輩のすてきな⾔葉を思い出しました。物語の主⼈公・阿久津さんの静かで不器⽤なもの語りも派⼿では無いけど、とってもすてきでした。同じく不器⽤で魅⼒的な、那奈を演じられて嬉しかった。
▼宮崎美⼦
異世界に転⽣でもしないかぎり⼈は今ここで⾃分にできることに命をかけるしかないから、こんな⾵に愛されたら、精⼀杯⽣きていこうという気持ちになる。信じる、託す、前を向く。できることは少なくても、⼈は皆そうやって命をつないで来たのだから。
▼ピエール瀧
そこにいるのか。
本当はいないのか。
喋るホウセンカという不思議なキャラクターの声を担当させていただきました。
⼩林薫さんと2⼈きりのアフレコという贅沢な時間を体験させていただいたことに感謝です。
▼⽊下⻨(監督・キャラクターデザイン)
空の⻘さの美しさとは、⽇を浴びた葉の⾊の美しさとは、⼈を想う意義とは。美と儚さと幸せの価値観とそれが⼈に与える影響を改めて⾒つめ直し、揺れ動く⽣活の中で⽣きる⽣き物の底⼒を、原点に⽴ち帰る気持ちで表現しました。沢⼭の⼈に観ていただきたいです。
▼此元和津也(原作・脚本)
報われない⼈⽣にも、祈る⾃由はある。それが届くかどうかはわからないけれど、それでも信じてみたくなった。『ホウセンカ』は、帰る場所をなくした男と恋⼈の空⽩へ、その花が静かに割って⼊り、⽌まった⾔葉を芽吹かせる物語です。この花が咲くまでには、幾つもの沈黙と、たったひとつの祈りがありました。⻑い沈黙と祈りの先で灯る⼩さな確信が、あなたの胸にもそっと種を落とすことを願います。
映画『ホウセンカ』は、2025年秋 公開。