公開記念舞台挨拶
日付:3月1日(土)
会場:新宿ピカデリー
登壇:平岡祐太、桜井玲香、けいちゃん、関川ゆか、上地由真、菅野祐悟監督
数々の映画やドラマ、アニメの音楽を手がる作曲家・菅野祐悟による初の長編映画監督作『REQUIEM〜ある作曲家の物語〜』が、2月28日から公開された。3月1日(土)に新宿ピカデリーにて、満員御礼の公開記念舞台挨拶が実施され、主演の平岡祐太、共演の桜井玲香、けいちゃん、関川ゆか、上地由真、菅野祐悟監督が登壇した。
天才作曲家を演じた主演の平岡は、「公開初日にお越し下さり、本当にありがとうございます。監督が派手すぎて、びっくりしてます!」と、上下画真っ赤なスーツで登壇する菅野祐悟監督を見て驚いた様子。続けて、桜井玲香は、「今日は朝早くから見ていただいて本当に嬉しいです」、けいちゃん「和気あいあいと楽しんでいきましょう!」、関川ゆか「楽しい時間になれば嬉しいです」、上地「短い時間ですがどうぞよろしくお願いします」と、それぞれ挨拶。
菅野監督は、「ご来場いただきありがとうございます。出演している俳優さんたちより、派手な出で立ちで失礼致します。普段応援しているミュージシャン、俳優さん、このスターたちのいつもと違う一面を描けたらいいなと思い、映画を仕上げました。きっとみんなびっくりされたと思うんですが、今日は楽しんでいただけたと思います。2回目、3回目と何度でも見て楽しんでいただけたら嬉しいです。本日はありがとうございました。」と、冒頭から〆の挨拶を行ってしまい、登壇者、観客たちを和ませていた。
主人公である天才作曲家・城島という役を作り上げる上で、撮影前に監督とどういったお話をされたかという質問を受けた平岡は、「とにかくこの映画をアート映画にしたいと仰っていたので、カッコいい作品にしたいという話をしていました」と語ると、菅野監督が「心の中でめちゃめちゃカルトな映画にしたいなと思っていたんです。でもそう伝えてしまうと、平岡さんが出演してくれなくなっちゃうかなと思って、一旦アート映画っていうふうに伝えました」と、その時の状況を説明。すると平岡が、衣装合わせ時のエピソードを明かす。「不思議だったのが、衣装合わせというのは、基本衣装スタッフさんが選んできた服を合わせていくのですが、どんどん菅野さんの私物衣装を着せられていきました。最終的に本編でも、ほぼ菅野監督の私物を着用するという状況になりました。でもこの出来事に影響を受けて、撮影中に菅野監督の仕草とか、そういったものを取り入れたんです」と披露すると、横に立つ桜井が“えーっ”と驚きの声を上げていた。
その話を受けた菅野監督は、「最後は、ほとんど僕みたいになっていましたね」と言いながらも、どんどん話に花を咲かせていく。「“映画監督たるもの、女優さんを美しく撮らねばならぬ”という風に、僕はずっとおばあちゃんに教えてもらって今日まで生きてきているので、女優さんを撮るときは、ものすごく光の当て方、角度、メイクの見方までこだわって撮ったんです。スタッフの人たちや、平岡さんといった俳優さん達を待たせてしまいました」と語る。赤いスーツを着た監督らしいエピソードが明かされると、平岡が「桜井さんばっかりを撮っていて、俺のことももっと時間かけて撮ってくれてと伝えてしまいました」とお茶目な返しを聞いた桜井は、謙遜する表情を見せていた。
ここで女優・桜井玲香に向けて、演技面などの質問が展開された。「監督がフランス映画、アート作品にしたいというのをすごくおっしゃっていました。監督は、作曲家さんでもいらっしゃるので、音楽が全て監督の書き下ろしと聞いて、すごい方だなと感じました。私は元々グザヴィエ・ドラン監督の作品がすごく好きで、音楽もかっこよくて、絵もアートな感じで、人間模様もすごく細かい描写でかっこいいんです。改めてインスピレーションもらえないかなと思い、作品を見直しながら『REQUIEM〜ある作曲家の物語〜』に活かせるか、模索しました」と貴重な準備話を明かしてくれた。
ピアニスト、シンガーソングライター、YouTuberとして活躍するけいちゃんは、本作で俳優デビューを果たし、劇版音楽でピアノも担当している。初演技という部分と、撮影現場の雰囲気を問われると、「初演技ということで、菅野監督をはじめ、平岡さんからもアドバイスをいただきながら、演技に挑んでいきました。和気あいあいとした現場で、終始リラックスして演技が出来ました」とコメントする。すると菅野監督が、「サウンドトラックでは、けいちゃんがピアノ弾いています。素晴らしかったです」と、長年映画音楽に携わっていた大御所から絶賛の評価を受けて、嬉しそうな表情を見せていた。
続いてチェリストを演じた関川ゆかは、チェロ演奏時の苦労話を教えてくれた。「菅野監督から、ビブラートをマストでかけてほしいと言われていました。マッチのケースみたいなのをつけて必死に練習して、何とかプロの演奏家に見えるように尽力しました。でも撮影の終盤で、使っていたチェロが壊れちゃったんです。壊れた瞬間に、もう終わったと感じたのですが、新しいチェロで何とか難を逃れました」と、音楽を題材にした映画らしいエピソードが聞けた。
昼と夜で二面性のある精神科医を演じた上地由真は、「昼間の精神科医を演じる前に、本読みがありました。その時に監督から、“とにかく優しく包容力”と言わたので、自分の出来る限りの優しさで台詞を放っていったのですが、監督からは“何回も違う”と言われてしまいました。そんな包容力ないのかと思ってしまったのですが。撮影が始まると、何も言われなかったんです。とても挑戦的な役柄だなと感じました。また夜の場面を演じる時は、相手役の加藤雅也さんに身を預けました。初めて加藤さんとお会いした時に、ちょっと素敵過ぎて自分が動揺しちゃったので、撮影までの2~3週間は、加藤雅也さんをスマホの待ち受けにして過ごしました。本人に伝えたら、ちょっと引かれました(笑)」と、女優魂を感じる話が展開された。
イベント終了の時間が迫り、もう1度『REQUIEM〜ある作曲家の物語〜』を見るなら、どこに注目してみてほしいと問われると、菅野監督「平岡さんがバスローブを脱ぎ捨てて、全裸にあるシーンです。お肌のキメの細やかさを、ぜひ見ていただきたいなと思っています」。平岡「長編映画として壮大です。長い絵画みたいな感覚を覚えることが出来ると思います。シンメトリー(左右対称であること、バランスが取れていること)にはすごくこだわって作りましたし、自分の心理状況によって、この映画もまた違う捉え方ができるんじゃないかなと思います。ぜひもう一度見ていただきたいです」とコメントする。するとまるでコンサート会場の様な大喝采が起きながら、イベントは幕を閉じた。
本作は、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』、NHK朝のテレビ小説『半分、青い』、劇場版『名探偵コナン』シリーズ等数多くのヒット作品を音楽で支える菅野祐悟による初の長編映画監督作。”愛深き故に愛に苦しむ”作曲家の愛と苦悩を美しい映像と音楽、独特の色彩感で描き出す。
あらすじ
その音楽は、愛か?狂気か?
これはあるひとりの作曲家の物語である。
今は亡き親友、神野慎吾の幻影に苦しみながらも「約束」を果たそうとひたむきに生きる城島匠。
他人からは順風満帆に見える、その人生に潜む『苦悩』と、それを支える人々の『想い』が絡み合う。
多くの愛を受けながらも、愛に飢え、愛に苦しみ、葛藤し続ける作曲家がたどり着いた音楽(レクイエム)とは?
平岡 祐太
桜井 玲香 安井 謙太郎 けいちゃん
関川 ゆか 上地 由真 藤田 多梨亜 西尾 聖玄
加藤 雅也
監督/音楽 菅野 祐悟
脚本 宇咲 海里
企画/プロデュース 梅村 安 エグゼクティブ プロデューサー 後藤 利一 安井 一成
プロデューサー 嶋田 豪 米山 加奈子 龍川 拓美 共同プロデューサー 諸江 亮 ラインプロデューサー 牧 義寛
撮影 吉沢 和晃 井上 光一 編集 稲川 実希 照明 中島 浩一 録音 岩丸 恒 美術 小松 将
製作 「REQUIEM」 製作委員会 (ABCフロンティア ABCアニメーション)
制作 カラビナ アイエス・フィールド
挿入曲 mahina「STAY TRUE」 / KANATSU「REQUIEM」
配給/宣伝 アイエス・フィールド S・D・P
宣伝協力 BANKSY
Ⓒ2024「REQUIEM」製作委員会