「第79回毎日映画コンクール」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞主催)の贈呈式が2月13日、めぐろパーシモンホール(東京都目黒区)で開催され、「ぼくのお日さま」(ぼくのお日さま監督)で助演俳優賞を受賞した池松壮亮さんが登壇した。
池松は、クールな表情で「このような賞をいただき、大変嬉しく思います。毎日映画コンクールで初めて個人賞を受賞することができ、喜びが押し寄せております」と述べ、会場の笑いを誘った。続けて、彼は「この作品を生み出してくれた愛情、勇気、才能にあふれる奥山監督、スタッフ、キャストに心から感謝いたします」と感謝の意を表し、同作でスポーツニッポン新人賞を受賞した越山敬達氏に向けて「敬達、本当におめでとう」と祝福の言葉を贈った。
池松は、「映画に携わることで、この世界に物語を届けられること、共感を求めているこの世界に共感をもたらすことができること、そして演じることを生業とできることに感謝しています。今与えられている幸せをしっかりと噛み締め、これからも映画の中で真実の声を聞きながら、真実を語り続けていきたいと思っています」と意気込みを語り、「今回の受賞が今後の大きな励みとなりました」と述べた。
贈呈式後の会見では、越山と共に登場し、初共演の越山氏について「子役の方は一般的にガツガツしていることが多く、大人の私も圧倒されることがありますが、敬達は全くそのようなことがなく、本当に控えめでぼんやりとしていて、とても好感が持てます」と印象を語った。さらに、「まっすぐに成長してほしいですし、悩んだときには周囲を頼ってほしい。また共演できる機会があれば嬉しいです」とエールを送った。
映画は、吃音を持つ少年タクヤとフィギュアスケートを習う少女さくら、そしてさくらのコーチとの出会いと別れを描いた物語で
毎日映画コンクールは、1946年に創設された国内で権威のある映画賞。各賞は、第一線で活躍中の映画評論家やジャーナリスト、専門家など約70人が選考。今回の受賞作は、2024年1月1日~12月31日に国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品(アニメーション・ドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品)を対象に選出された。
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◇「第79回毎日映画コンクール」の受賞作品(受賞者)は以下の通り(敬称略)
日本映画大賞:「夜明けのすべて」(三宅唱監督)▽外国映画ベストワン賞:「オッペンハイマー」(クリストファー・ノーラン監督)
主演俳優賞:河合優実「あんのこと」「ナミビアの砂漠」▽主演俳優賞:横浜流星「正体」▽助演俳優賞:池松壮亮「ぼくのお日さま」▽助演俳優賞:カルーセル麻紀「一月の声に歓びを刻め」▽スポニチグランプリ新人賞:越山敬達「ぼくのお日さま」
監督賞:三宅唱「夜明けのすべて」▽脚本賞:濱口竜介「悪は存在しない」▽撮影賞:池田直矢「十一人の賊軍」▽美術賞:林田裕至「箱男」▽音楽賞:石橋英子「悪は存在しない」▽録音賞:浦田和治「十一人の賊軍」
大藤信郎賞:「私は、私と、私が、私を、」(伊藤里菜監督)▽ドキュメンタリー映画賞:「映画 ○月○日、区長になる女。」(ペヤンヌマキ監督)▽TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・日本映画部門:「夜明けのすべて」(三宅唱監督)▽TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・外国映画部門:「インサイド・ヘッド 2」(ケルシー・マン監督)