023年4月5日、テアトル新宿にて、映画『せかいのおきく』完成披露試写会舞台挨拶が行われ、黒木華(主演)、寛一郎、池松壮亮、佐藤浩市、原田満生(企画・プロデューサー/美術監督)、阪本順治監督が登壇。寛一郎と佐藤浩市は親子での舞台挨拶登壇となった。今日はありがとうございます。ちょっとこの並びは(息子の隣で)嫌なので、代わってもらえますか?ちょっと恥ずかしいんですけれども(笑) この作品は、見たことがあるようで全く見たことがない、そういう時代劇になったと思います。是非皆さん広めてやってください。お願いします。プライベートの話になっちゃうんですけれども、4年ほど前に自分が大病を患う時期があって、さらに世の中がコロナ禍になって価値観もほぼ崩壊して、これからどうやって生きて映画と向き合っていこうかなと考えてた時に環境問題を学者の方と話す機会があって、こういうテーマを映画の中にちりばめて作品を作って伝えていきたいと思い、その第1弾の映画としてのこの『せかいのおきく』を阪本さんにお願いに行きました。阪本順治監督 循環型社会というテーマを背負いつつ、僕自身がその啓蒙的な作品というのは苦手というか、自分自身が何か環境問題とかに意識を持って毎日生きてるわけじゃないんで。やるのであれば「うんこならします」と言って最初に書いたあらすじのタイトルが「江戸のうんこ」(笑) でも、(黒木)華ちゃんを迎えることになってすぐ取り止めました(笑) うんこだけがテーマじゃなく、淡い恋愛も含めた娯楽作にしなきゃいけないと思って。でもコロナ禍で僕自身が鬱々としてたんで、“ヤケクソ”で撮りました。 あまりウケなかったな(笑) いや、本当にクソ真面目に撮ったんです。まだダメでしたね(笑)個人的に思う100年後にも絶対に残っていてほしいもの -本作は、江戸時代の命の循環を描いております。現代、そして未来へ大切なテーマを運んでいる作品でもありますが、キャストの皆さんに個人的に思う100年後にも絶対に残っていてほしいものを考えいただいています。 黒木華 「映画・舞台」 最近は、舞台でもロボットがお芝居をしていたりだとか、AIで作っている映画とかもあるみたいで、それはやっぱり(役者を)やっている身としては100年後も(人間が作る映画や舞台は)残ってたら嬉しいなと思います。 特に舞台は、観に来てくれる人は限られているんです。映画に比べて値段も高いですし。なので劇場も少なくなってきていて寂しいなと思うので残ってほしいなと思います。
個人的に思う100年後にも絶対に残っていてほしいもの
寛一郎 「個人の遺伝子」 この作品のテーマでもある人々の遺伝子の受け継ぎについて言及させていただきます。偶然にも父親が隣にいるということですが、このおかしな佐藤家のDNAを100年後も残していきたいと思います。自分自身もそのために頑張りたいです。
佐藤浩市 「劇場体験」 申し訳ありませんが、答えが平凡になってしまいますが、役者としてはこのような回答になってしまいますね。 正直に言うと、100年後には、今のように劇場で他の人と一緒に映画や舞台を鑑賞するという経験がなくなっているのではないかと思います。みんなが個人の環境で鑑賞するようになるでしょう。その時代の人々は「えっ?昔は他の人と一緒に鑑賞していたのですか?」と思うようになるかもしれません。そうなると寂しいと感じます。
阪本順治監督 「制作の道のり」 3年前に、原田さんの自主制作のような形で約10分の映像を撮影しました。そして2年前にも再度10分ほど撮影しました。 昨年、映画業界からは完全に無視されましたが、業界とは関わりのない方から資金を調達し、昨年追加の撮影ができました。そして今日、ついに皆さんにお披露目できることになりました。 私だけでなく、スタッフ全員がそれを乗り越えた3年間でしたので、皆さんが今日観てくださることは泣かないかもしれませんが、私は結構感動しています。この作品をこれからも広めていっていただければと願っています。ありがとうございます。