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ヴェンダース絶賛!幻の傑作『白夜』4Kレストア版_予告編&新場面写真 解禁

3月7日より公開されるロベール・ブレッソン監督作『白夜』4Kレストア版の予告編および新場面写真が公開された。

世界の映画作家たちに絶大なる影響を与え続けているブレッソンが残した長編映画13作品のうち、これまで最も観る機会の少なかった『白夜』。1971年のカンヌ映画祭で初公開されたのち、近年ではフランスでさえ上映不可能であった。2012年に日本でのみ35mmニュープリントで上映され、今回ついに4Kレストア版となって公開される。

原作はドストエフスキーの短編。19世紀のペテルブルクを舞台にしたこの物語は、1957年にルキノ・ヴィスコンティによっても映画化されているが、ブレッソンは撮影当時のパリに舞台を移し、セーヌ河畔とポンヌフを背景に若き2人の男女を見つめていった。

画家のジャック(ギヨーム・デ・フォレ)は、ある夜、ポンヌフで思い詰めた表情をしている美しい女性マルト(イザベル・ヴェンガルテン)に出会う。翌晩、お互いの素性を語り合うジャックとマルト。ジャックは孤独な青年で、理想の女性との出会いを妄想してはそれをテープレコーダーに吹き込んでいた。一方のマルトは恋した相手に「結婚できる身分になったら一年後に会おう」と去られていた。そして今日がちょうどその1年後。マルトに熱い気持ちを抱きながらも、彼と出会えるよう献身するジャック。だが3夜目になっても男は現れず、マルトの心もジャックに惹かれ始めていた。そして運命の第4夜が訪れる。

 

予告編は、ジャックとマルトの恋と愛にうつろう四夜を予感させる夜のカットから始まる。「戻ってきて結婚できる身分なら……」と交わした1年後の約束の日、現れない恋人に絶望するマルトと出会ったジャック。「明日は来るさ」と励まし続けるジャックに、「あなたのことを知りたい」「彼があなたのような人なら良かった」と徐々に心を開くマルト。マルトに寄り添いながら、ジャックはマルトへの熱い思いをいっそう募らせていく。ボサノバ調の音楽を乗せて、夜のセーヌ川をゆったりと進む観光船の明かりが水面を輝かせる美しいシーンが映し出され、最後に映画監督のヴィム・ヴェンダースの「こんな映画はない。永遠に新しい」というコメントで締められている。

あわせて公開された新場面写真は、物憂げな表情でバスに揺られるジャックの姿や、涙で頬を濡らし悲しみをたたえた眼差しを送るマルトのカット、ジャックがテープレコーダーに思いを吹き込む場面、パリの街の光がきらきらと輝きを落とすセーヌ川のほとりで肩を寄せ合うジャックとマルトの印象的なシーンなどが収められている。

■公開情報

『白夜』4Kレストア版
3月7日(金)ユーロスペース、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
監督・脚本:ロベール・ブレッソン
出演:ギヨーム・デ・フォレ、イザベル・ヴェンガルテン、ジャン=モーリス・モノワイエ
原作:ドストエフスキー
撮影:ピエール・ロム
録音:ロジェ・ルテリエ
美術:ピエール・シャルボニエ
編集:レイモン・ラミ
配給:エタンチェ、ユーロスペース
1971年/フランス・イタリア合作/フランス語/カラー/1.66:1/モノラル/83分/原題:Quatre Nuits d’un rêveur/日本語字幕:寺尾次郎
©1971 Robert Bresson