映画

『敵』舞台挨拶付き先行プレミア上映会

舞台挨拶付き先行プレミア上映会
日時:12月11日(水)
会場:テアトル新宿
登壇:長塚京三、瀧内公美、河合優実、黒沢あすか、吉田大八監督

日本文学界の巨人・筒井康隆の同名小説を『桐島、部活やめるってよ』『騙し絵の牙』の監督・吉田大八が映画化した新作映画『敵』が、2025年1月17日(金)より全国公開となります。

この度、本作の主演・長塚京三と共演の瀧内公美、河合優実、黒沢あすか、吉田大八監督が全員揃って初登壇しました。

チケット完売の中で行われたこの日、女性陣からサプライズで真っ赤なバラの花束を受け取り、3冠の祝福を受けた長塚と吉田監督。

主人公・渡辺儀助役で12年ぶりの映画主演を務める長塚は、この度の快挙に「ビックリしました。受賞当日は会場に監督と並んで座っていたので、名前を呼ばれたときは二人とも飛びあがりました」と照れ笑いも、
『敵』先行プレミア上映会
作品について「出演した自分が言うのもおこがましいですが、俳優を50年やって来て自分の姿を見て自分の声を聞いて初めて感動しました。大人気ないかもしれませんが、胸に来るものがありました」と手応えを得ていた。

吉田監督も「撮影が去年の前半、東京近郊の町の小さな家の中でみんなでコツコツ小さくやっていた映画です。それがあのような華やかな場所でみんなに褒めてもらえるなんて。思ってもいない結果でした。こういう夢が映画にはあるんだと改めて思いました」と三冠受賞の喜びを噛みしめていた。
『敵』先行プレミア上映会
儀助の大学教授時代の教え子・鷹司靖子役の瀧内は長塚との共演に「幼い頃からテレビや映画で見てきた大先輩であり、日本の宝である長塚さんの現場での佇まいを隣で拝見し、勉強でしかなかったです。最終日の前日には『もう会えないんだ』と思うと涙が止まらなくなりました。それくらい豊かな時間を過ごさせていただきました」と感激していた。

儀助を先生のように慕う大学生・菅井歩美役の河合は「撮影中は儀助さんと長塚さんを重ねて見ていたので、目や体から滲み出るものを受けて集中力を使いました。長塚さんは本当に素晴らしくて、儀助さんは映画の主人公として魅力的な役。映画を観て長塚さんのお芝居に感動して、素晴らしい役者さんとご一緒出来ていたんだと改めて思いました」としみじみ。
『敵』先行プレミア上映会
儀助の元妻・信子役の黒沢は「長塚さんとはスマートなセリフの受け渡しをすることが出来ました。リハを何度も重ねる中で自分がクリアになって、長塚さんのお陰で自分の中身とセリフに雑味がなくなっていくのを感じました」と感謝。
『敵』先行プレミア上映会
これら実力派女優陣との共演に長塚は「とても緊張しましたけれど、凄くいい勉強をさせていただいた。皆さん力のある女優さんでぶつかって来られるわけですから、受け止めるのに一生懸命でした。本当に素晴らしい女優さん方でした」と最敬礼だった。

長塚抜擢の理由について吉田監督は「脚本執筆時は原作者の筒井康隆先生の姿を想像していましたが、書き終わった時に長塚京三さんが思い浮かんだ」と明かし「長塚さんのお体を借りて決定稿を完成させました。撮影前に何度か読み合わせをしたり、雑談をさせていただけたことで、撮影前に自分の中で長塚さんと儀助を重ね合わせる作業が出来たのは良かった」と当て書きに納得の表情。
一方、長塚は本作のオファーについて「コロナ禍があって、役者活動もここで辞めるのを余儀なくされるのかと思っており、歳をとって人生を閉じていく人間の役をやらなければと思っていた矢先の事だったので、『あ、来るものが来るんだ』と思った」と待ち受けていた役に出会えた喜びを口にしていた。

タイトルにちなんで自身の“今年の敵”を発表。黒沢は自分が理想とするルートを走ってくれないという理由で「カーナビ」と明かし場内爆笑。河合は「怠惰な心」といい「これは自分の失くしたいところであり勝ちたいところ。怠けたくなる欲求に勝てないです、いつも。今年もやるべき優先するべきことに辿り着けませんでした」とブレイクしているのにもかかわらず、反省しきりだった。

瀧内は「弱さと強気」といい、
『敵』先行プレミア上映会
「今年は本当に目まぐるしく、自分の弱さが露呈した1年だと思います。そんな時に強気で立ち向かって行こうとすると空回り。反省ばかり」としながら「来年は素直さと謙虚さと感謝を忘れず、生きていきたい」と新年への抱負を述べた。

一方、穏やかなイメージのある長塚は「わがままなわたし」と発表し「僕は短気でどんなこともわがままなわたしがぶち壊すことが多い。これからは人にも自分にも優しく、僕も許すから皆さんも許してというスタンスで生きていきたい」と意外な一面を明かして会場を驚かせていた。

最後に主演の長塚は「みなさん、ゆっくり楽しんでください」とこれから本編を鑑賞する観客にメッセージ。吉田監督も「今日は皆さんのお陰で盛り上がった舞台挨拶となり、嬉しくて驚いています。ただこれから映画が始まりますので、舞台挨拶の内容は一度忘れていただいて、まったく違う4名が登場しますので、映画を楽しんでご覧ください」と呼び掛けていた。

物語
渡辺儀助、77歳。
大学教授の職を辞して10年―妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋に暮らしている。料理は自分でつくり、晩酌を楽しみ、多くの友人たちとは疎遠になったが、気の置けない僅かな友人と酒を飲み交わし、時には教え子を招いてディナーを振る舞う。預貯金が後何年持つか、すなわち自身が後何年生きられるかを計算しながら、来るべき日に向かって日常は完璧に平和に過ぎていく。遺言書も書いてある。もうやり残したことはない。だがそんなある日、書斎のiMacの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。
『敵』

長塚京三
瀧内公美 河合優実 黒沢あすか
中島歩 カトウシンスケ 髙畑遊 二瓶鮫一
髙橋洋 唯野未歩子 戸田昌宏 松永大輔
松尾諭 松尾貴史

脚本・監督:吉田大八 原作:筒井康隆『敵』(新潮文庫刊)
企画・プロデュース:小澤祐治 プロデューサー:江守徹 撮影:四宮秀俊 照明:秋山恵二郎
美術:富田麻友美 装飾:羽場しおり 録音:伊豆田廉明 編集:曽根俊一 サウンドデザイン:浅梨なおこ
衣裳:宮本茉莉 ヘアメイク:酒井夢月 フードスタイリスト:飯島奈美 助監督:松尾崇 キャスティング:田端利江
アクション:小原剛 ガンエフェクト:納富貴久男 ロケーションコーディネーター:鈴木和晶
音楽:千葉広樹 音楽プロデューサー:濱野睦美 VFXスーパーバイザー:白石哲也
制作プロデューサー:石塚正悟 アシスタントプロデューサー:坂田航
企画・製作:ギークピクチュアズ 制作プロダクション:ギークサイト
宣伝・配給:ハピネットファントム・スタジオ/ギークピクチュアズ
製作:「敵」製作委員会
ⓒ1998 筒井康隆/新潮社 ⓒ2023 TEKINOMIKATA

公式サイト:@teki

公式X:@teki_movie