2013年に刊行された「マルメロ草紙」は20世紀初頭の仏パリを舞台にした橋本の耽美小説を、岡田流アール・デコの挿絵が彩る豪華本。映画には今は亡き橋本と岡田が「本」というものの可能性を追求した8年間が収められた。伊丹十三、宮崎駿、深作欣二らのドキュメンタリーを手がけてきた
橋本が脚本を手がけた1984年のドラマ「パリ物語~1920s青春のエコール・ド・パリ」に出演した竹下は「作家の言葉が、色彩が次々に変容して追熟する果実を見ているよう。マチュアというの? これも一つの化学変化なのかなあ。演劇もこんな風に深めていけたらいいなあ、と思いました」とコメント。同ドラマで竹下と共演した柄本は「笑いました。不良の集まりは一見和気あいあいなんだけど こわいなあ」とつづる。
なお公開を記念し、東京・ポレポレ東中野でトークショーが行われることも明らかに。竹下、柄本のほか本作にも登場する「マルメロ草紙」のデザイナー・
「狂熱のふたり~豪華本『マルメロ草紙』はこうして生まれた~」は全国で順次公開。
※宮崎駿の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
柄本明(俳優)コメント
笑いました。不良の集まりは一見和気あいあいなんだけど こわいなあ
恩田泰子(読売新聞編集委員)コメント
「狂熱のふたり」を見て、ぶっ飛びました。ものすごい作家とものすごい画家がいて、ふたりが思い描いたことを実現できる人たちがいて、それを撮っていた人がいるって…。あらゆる意味で貴重な作品でした。
河野通和(編集者 / 読書案内人)コメント
出版界良き時代の「最後のあだ花」にしちゃいけない! 橋本治×岡田嘉夫に刺激され、「シン・狂熱のふたり」がX年周期で出てきてほしい!
竹下景子(俳優)コメント
作家の言葉が、色彩が次々に変容して追熟する果実を見ているよう。
マチュアというの? これも一つの化学変化なのかなあ。
演劇もこんな風に深めていけたらいいなあ、と思いました。
「美術の窓」編集部 コメント
インタビューは最小限、物語仕立ても分かりやすい演出もなく、映し出されるのは議論の様子と出来上がっていく作品ばかり。それだけで、ここまで見応えあるドキュメンタリーができるのかと驚きました。
柳澤健(ノンフィクションライター)コメント
岩田専太郎と歌舞伎を深く愛する橋本治と岡田嘉夫はツーカーの仲。小説家が「採算度外視の豪華本をやらない?」と誘うと、イラストレーターは「やるやる!」と大爆発。
絵は精緻で優美でゴージャスでいやらしく、文字はカラフルに舞い散る。デザイナーもノリノリで、製版担当者もやる気満々。編集者だけがひとり青い顔。これはもう大人の文化祭でしょ!
「狂熱のふたり~豪華本『マルメロ草紙』はこうして生まれた~」トークイベント
2024年12月7日(土)~13日(金)東京都 ポレポレ東中野
料金:2200円均一
※各種割引・サービス料金適用不可、無料招待不可
<登壇者(予定)>
12月7日(土)竹下景子(俳優)
12月8日(日)柄本明(俳優)
12月9日(月)柴岡美恵子、加藤久美子(橋本治の実妹)
12月10日(火)中島かほる(装幀家 / 「マルメロ草紙」デザイナー)
12月11日(水)千木良悠子(作家 / 「はじめての橋本治論」著者)
12月12日(木)柳澤健(ノンフィクションライター / 小説宝石「ぼくらのふしぎな橋本治」連載中)
12月13日(金)松家仁之(作家 / 「帰って来た橋本治展」編集委員)