バレエ史上、最大級スペクタクルの『白鳥の湖』を大スクリーンで楽しめる「イングリッシュ・ナショナル・バレエ団『白鳥の湖』」が2025年正月1月1日(水)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開されることが決定した。
伝統的なロイヤル・アルバート・ホールにて、客席が周囲を囲む円形のセットで繰り広げられる、壮大な『白鳥の湖』は、全景を捉えた上方からの撮影ショットも入り、ダンサーたちの一挙一動が美しく映えるダイナミックな作品。『白鳥の湖』史上、最多数の白鳥が登場、総出演者数120人という圧倒的にパワフルな演出で1997年の初演時にはセンセーションを巻き起こし、以来世界で50万人以上の観客が鑑賞する大ヒットプロダクションになった。
主演のオデット/オディール役を演じるのは、182cmというバレエ界の中でもとびぬけた高身長バレリーナである、韓国出身のイ・サンウン。ロシアのバレリーナのような美しいラインの持ち主で長い手足を駆使して、たおやかで情感あふれる白鳥オデット、32回転のグランフェッテも角度を変えていく超絶技巧で圧倒する黒鳥オディールと、世界トップクラスのパフォーマンスを見せてくれる。
今回の7000人のキャパシティを誇る壮麗なロイヤル・アルバート・ホールの広い舞台には彼女の存在感がまさに相応しく、120人もの出演ダンサーの中で一際輝きを発する彼女の主演だからこその素晴らしい作品になっている。王子のギャレス・ハウも高身長でプロポーションの美しいダンサー。また悪魔ロットバルトを演じるのは、日本のバレエ団への客演などでよく知られているジェームズ・ストリーターで、定評のある演技力で場面をさらう。
60羽の白鳥が、三方を観客が囲むアリーナ形式の舞台を埋め尽くす独特な演出スタイルには、幻想的な美しさが表現され、これまでに観たことがない『白鳥の湖』を楽しめる。舞台の真上に設けられたカメラが映し出す、白鳥の群舞が次々とフォーメーションを変えていく映像は、息を呑むほどで湖畔の世界へと観る者を誘う。英国トップクラスのバレエ団ならではの高い技術を誇る団員が多く、冒頭ではバック転などのアクロバティックなダンスを披露する男性ダンサーたちも登場して躍動感あふれる作品になっている。
日本人ダンサーにも縁が深いイングリッシュ・ナショナル・バレエ団の『白鳥の湖』の見どころの一つは、世界で活躍する日本人バレエダンサーの踊り。本作の3幕ナポリのソリストとして大谷遥陽が出演し、見事な音楽性とテクニックを発揮。ロイヤル・アルバート・ホールの大きな舞台での上演のため、1幕で通常パ・ド・トロワとなっているところに12人のソリストが登場するパ・ド・ドゥーゼになり、猿橋賢、鈴木絵美里、大谷遥陽、エリック・ウルハウスが出演。またコール・ド・バレエやワルツ、3幕の各国の踊りでは、仲秋連太郎、淵山隼平のほか、団員以外にも元新国立劇場バレエ団の横山柊子、池田紗弥らもゲスト出演。日本のバレエファンにとっては、見逃せない作品となる
イングリッシュ・ナショナル・バレエ・フィルハーモニー管弦楽団の指揮をとるギャヴィン・サザーランドは、先日新国立劇場バレエ団の「眠れる森の美女」も指揮して日本のバレエファンにはなじみ深く、チャイコフスキーの名曲をイングリッシュ・ナショナル・バレエ・フィルハーモニー管弦楽団がドラマティックに奏でる。
音楽性にも優れてダイナミックな振付は、イングリッシュ・ナショナル・バレエ団 元芸術監督のデレク・ディーンが手がけた。美術を担当したのは世界的な名匠として高名なピーター・ファーマー。イングリッシュ・ナショナル・バレエ団の演目ではアクラム・カーン振付の『ジゼル』が劇場公開されてから、日本では2作目の劇場公開となる。
本編演目の途中には、ロットバルト役のジェームズ・ストリーターのインタビューや、イングリッシュ・ナショナル・バレエ団が力をいれる医療・教育プログラムなどについてのドキュメンタリーも。
イングリッシュ・ナショナル・バレエ団『白鳥の湖』
2025年1月1日(水)TOHOシネマズ 日比谷ほか公開
演出:デレク・ディーン
指揮:ギャヴィン・サザーランド
演奏:イングリッシュ・ナショナル・バレエ・フィルハーモニー管弦楽団
出演:イ・サンウン、ジェームズ・ストリーター
制作年:2024年 制作国:イギリス
撮影:2024年6月 ロイヤル・アルバート・ホールにて
© English National Ballet 2024
Image(s) courtesy of English National Ballet. © Laurent Liotardo