映画

『オアシス』公開記念舞台挨拶

映画『オアシス』は、助監督として多くの著名監督の作品に携わってきた岩屋拓郎監督が、映画企画コンペで新人賞を受賞し、満を持して挑む長編デビュー作です。本作では、清水尋也と高杉真宙がW主演を務め、圧倒的な存在感を放ちます。

清水と高杉は、2012年のフジテレビドラマ「高校入試」で初共演を果たして以降、映画『渇き。』(2014)、『逆光の頃』(2017)、ドラマ「サギデカ」(2019)、そして映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-/-決戦』(2023)など数多くの作品で息の合った演技を披露してきました。さらに、プライベートでも深い親交を持つ2人が、今回、異色のヴァイオレンス青春映画で初めてダブル主演として再びタッグを組みます。

物語は、社会の枠から外れた若者たちが織りなす“青春”と“居場所”をテーマに、絶望と刹那の幸福、そしてアウトローとして生きる姿を描き出します。その挑発的かつエモーショナルな描写が観る者の心を揺さぶる本作は、岩屋監督の新たな才能が際立つ一作として注目されています。

映画『オアシス』でW主演を務める清水と高杉は、これまで数々の作品で共演を重ねてきた中で、初めてのダブル主演に挑みました。この挑戦について、高杉は「たくさん共演してきましたが、W主演という形で一緒に作品を作れるのは本当にうれしいです」と喜びを語り、

清水も「感慨深いですね。現場が楽しく、終わった後もファンや周囲の方々の反応を感じ、改めてありがたい経験だと思いました」と振り返りました。

共演者の伊藤は「主演のお二人に引っ張っていただきました。2人の空気感やコンビネーションがあってこそ、この作品が成立したと感じています」と、主演2人の存在感を称賛。彼らの絆と演技が作品全体を支えたと強調しました。

高杉は「尋也との共演は自分のモチベーションを上げてくれるし、演技について考えさせられることが多い。一緒にいることで、もっと頑張らなければと感じさせられます」と語り、伊藤からも「本当に素晴らしいコンビですね」と笑顔がこぼれる一幕も。一方で清水は「動向が気になる存在は真宙くらいです。本作では彼との関係性があったからこそ、自分の役に深くのめり込むことができました。真宙には本当に感謝しています」とコメントし、2人の信頼関係が演技に大きく影響を与えたことを明かしました。

伊藤万理華と高杉真宙が『賭ケグルイ』以来の共演を果たしました。当時の印象について、伊藤は「だいぶ印象が変わりました」と語り、「『賭ケグルイ』のときはおとなしい印象でしたが、今回の現場で再会したときには堂々としていて、大人になられていた」とその成長ぶりに驚きを見せました。一方、高杉は「以前に会ったときも自分では結構大人だと思っていたんですけどね」と冗談交じりに笑いを誘い、和やかな現場の雰囲気が伺えます。

また、清水尋也と岩屋拓郎監督は以前から親交があり、本作への思い入れもひとしおです。清水は「岩屋監督が以前から共有してくれていた世界観が、『オアシス』というタイトルとキャストがそろい、形になったときに強い実感が湧きました。その映像がどのように完成するのか楽しみで胸が高鳴りました」と語り、作品への期待感をあらわにしました。

さらに、脚本が完成した際のエピソードについて、岩屋監督は「2人で台本を持ちながら沈黙する時間があった」と振り返り、その瞬間の重みをかみしめた様子。しかし、清水が「2時間くらい沈黙しました」と笑顔で振り返ると、岩屋監督は「それだと衣装合わせが終わっちゃいますね(笑)。実際は10秒くらい」と場を和ませました。

映画『オアシス』は、かけがえのない友との絆をテーマに描かれています。このテーマにちなみ「自分にとってのかけがえのないもの」を問われた際、主演の清水は真っ先に手を挙げ、「白米。毎日欠かせません。米が一番好きです」と熱弁。さらに、「白米の魅力を引き出すお供は納豆。少し硬めのご飯が特に好きです」と語り、その白米愛に会場が和みました。

伊藤は「友達」と答え、「何かあったときに話を聞いてくれたり、一緒に時間を過ごせる存在がかけがえのないものです。映画の3人の関係性にも近いですが、私はよく友達に助けられています」とコメント。さらに、「白米も大事ですが、一緒に白米を食べられる友達も大切です」と清水の答えにユーモアを交えて会場を沸かせました。

一方、高杉真宙は「ゲームですね。それしかないです」と笑顔で答え、「特にFPSゲームばかりやっています」と話しました。岩屋監督は「サウナ」を挙げ、「多いときは週3回通っています。昨日も行ってきました」とプライベートのリラックス法を明かしました。

さらに、本作について伊藤は「『オアシス』はバイオレンスの要素が強く、痛みを伴う瞬間が多い映画です。ただ、その痛みは青春の中で感じる感覚にも近く、そんな中で生まれる特別な関係性がこの映画の重要なテーマです。観る人に“居場所”というかけがえのないものを思い出させる作品になっています」とアピール。

高杉は作品への思いを込めてこう語りました。「作品を作るたびに、観てくださる方がどのように受け取ってくれるのかを考えるようになりました。映画制作にはそれぞれのタイミングで多様なストーリーや思いが込められていますが、観客の方々がその思いを感じ取るかどうかにかかわらず、映画そのものを好きになっていただけたら、それが何よりもうれしいです」とコメントし、観客への期待をにじませました。

一方、清水は監督との特別な関係性を踏まえ、本作への感慨を語りました。「ずっと親交のあった岩屋拓郎監督の長編デビュー作に参加できたことを本当にうれしく思います。彼が描く独特の世界観に立ち会えたことも特別な体験でした。この映画のストーリーは私たちの日常とはかけ離れているかもしれませんが、登場人物たちが抱える迷いや葛藤、感情の本質には、誰もが日常生活で直面する課題と通じる部分があると思います」と述べ、作品の普遍的なテーマを強調しました。

さらに清水は、「この物語を通じて、観てくださる方が自分の人生に重ね合わせられるものを少しでも見つけてほしいです。そして、自分にとって本当に大切なものとは何か、自分の居場所とはどこなのか、あるいは『これのためならすべてを捧げられる』と思える存在について考えるきっかけになればうれしいです」と熱いメッセージを送りました。

出演:清水尋也 高杉真宙
伊藤万理華
松浦慎一郎 杏花 林裕太 /青柳翔(友情出演)
津田寛治
窪塚俊介 /小木茂光
監督・脚本:岩屋拓郎
製作:藤本款 前信介 直井卓俊
プロデューサー:前信介
共同プロデューサー:秋山智則 直井卓俊
アソシエイトプロデューサー:小宮誠
撮影:池田直矢
照明:舘野秀樹
録音・整音・音響効果:岸川達也
編集:陳詩婷
VFX:三輪航大
⾐裳:村田野恵 ■ヘアメイク:楮山理恵 ■特殊メイク:下畑和秀
助監督:山田卓司■ 制作担当:塚村悦郎 ■アシスタントプロデューサー:池添康子
アクション監督:小原剛 ■キャスティング:伊藤尚哉 ■スチール:久保田智
音楽:池永正二 ■劇中音楽:hokuto
製作:「オアシス」製作委員会
製作幹事:クロックワークス
共同幹事・制作プロダクション:グラスゴー15
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
©2024『オアシス』製作委員会