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Netflixシリーズ『さよならのつづき』ジャパンプレミア

Netflixシリーズ『さよならのつづき』の前夜祭 ジャパンプレミアが11月13日(水)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、有村架純、坂口健太郎、生田斗真、中村ゆり、三浦友和、黒崎博監督、脚本を担当した岡田惠和が登壇した。

本作は、事故で恋人を失ったヒロインと、その恋人に命を救われた男性が出会い、運命に翻弄されながらも愛を紡いでいく物語です。主演を務めるのは有村架純と坂口健太郎。有村が演じるのは、笑顔を届ける美味しいコーヒーを広めようと奮闘する菅原さえ子、坂口は多くのことを諦めてきた大学職員・成瀬和正を演じています。岡田惠和が脚本を手掛け、監督は連続テレビ小説「ひよっこ」でタッグを組んだ黒崎博が担当。舞台となるのは北海道やハワイの壮大な風景で、恋人の喪失から始まる2人の行方の見えないラブストーリーが展開されます。

本作のNetflixでの世界配信が控える中、有村は作品を鑑賞した際、「観客と一緒に観た釜山国際映画祭では涙が出た」と明かし、感情が深く響いたと述べています。また、登場人物の「会いたい人に会えない」「触れたい、声を聞きたい」という切実な思いが交錯し、全ての言葉や感情が心に刺さると振り返りました。

坂口は、撮影中に「記憶にないはずの経験を自分が実際に体験したかのように錯覚することがあった」と明かし、成瀬和正のセリフに迷いを抱えながら撮影に臨んでいたと語っています。特に、登場人物の「雄介」にどの程度感情移入すべきか悩み、雄介を100%表現した場合、成瀬自身のキャラクター性が損なわれることへの不安があったと述べました。坂口は「一歩ずつ探りながら、時には後退しつつも少しずつ成瀬像を築き上げていった」と、役に向き合った過程を振り返りました。

さらに、「迷いながら演じた部分があったため、何が正解だったのか分からない場面もあるが、迷うこと自体が成瀬にとっての正解だったと感じている」と述べ、完成した作品を観て「背中を押してくれるような作品に仕上がった」と語りました。

生田は「1話の雄介の笑顔を最終話まで観客に覚えてもらわないといけない」という役柄の重要性から、強いプレッシャーの中で撮影に臨んだと振り返りました。また、劇中ではピアノを弾くシーンもあり、練習は「ドってどこですか」という基本的な質問から始まったといいます。坂口もピアノ演奏の練習に励み、ある程度弾けるようになるとさらに難易度が上がり、レベルアップを目指したと語りました。

黒崎監督は「一切吹き替えを使わずに撮影した」と明かし、会場からは大きな拍手が送られました。

中村は、役作りのために心臓移植を受けた人々やその家族の手記を読んだと語り、「日常的に命の重さを強く感じているからこそ、強い決断をしたり、明るく生きることができるのだと思います」と述べ。また、特に印象に残っている第8話について「誰も悪くないけれど様々な感情が渦巻いている。岡田さんがこんな素晴らしい最終話を書いたことに感動しています」と脚本への思いを語りました。

三浦は、「第8話を2話ずつ4日間に分けて観るつもりでしたが、止まらず一気に観てしまいました」と話し、最も感動したのは「女性たちが強く凛とした姿」だったと述べ、深く心を打たれたと振り返りました。

本作は「さまざまな愛」をテーマにしています。MCから「もう会えないけど会いたい人はいますか?」という質問に対し、有村は「祖父母です」と答え、特に祖母から伝授された「ひと手間加えたポテトサラダ」のレシピを大切にしていると述べ。何度も作るうちに、まるで自分が考案したかのように愛着が湧いていると明かしました。

また「好きな人が他の誰かに惹かれたらどうするか?」という質問には、坂口が「関係性によるとは思うが、身を引いてしまう自分もいるし、もう一度振り向いてもらえるよう行動するかもしれない」と答えました。さらに「相手には自分にない魅力があったのかもしれないし、出会いや別れもまた縁だと思う」と語り、恋愛に限らず、縁によって出会いや別れがあると考えていると述べました。

「運命を信じたくなる出会いをしたことがあるか?」という質問には、生田が「運命というと偶然に聞こえるが、自分で手に入れた縁や機会も運命の一つだと感じる」と述べました。また、長年のキャリアの中で、かつて新人だった自分と一緒に仕事をしていたスタッフがチーフカメラマンとして再会するなど、再び出会うことを予感していたこともあると語りました。

最後の挨拶で

坂口は「さまざまな方々の協力が重なり、小樽やハワイでの撮影など、多くの力が集まって完成した作品です」と述べ、「登場人物たちの生き様や考えに共感できる瞬間があれば、この作品が皆さまの大切な作品集の一つに加わることを願っています」とメッセージを送りました。

有村も「人は愛されたことや誰かを愛した記憶は永遠に色あせない、というテーマが込められており、その思いが皆さまの心に届くことを願っています。大切な人を改めて思い返すきっかけとなる作品であれば嬉しいです」と語り、作品への想いを伝え締めくくりました。

ストーリー
菅原さえ子(有村架純)が恋人の中町雄介(生田斗真)からのプロポーズを受けたその日、雄介は交通事故で亡くなってしまう。北海道のコーヒー会社で働くさえ子は仕事に没頭しようとするが、雄介がくれた愛の大きさに日々気づかされていた。ある時、さえ子は雄介の心臓を提供された相手から手紙を受け取る。ルールに従って無記名でお礼を書いたのは、大学職員の成瀬和正(坂口健太郎)。彼の病を知った上で一緒になったミキ(中村ゆり)と、リンゴ園を営む彼女の実家で暮らしている。手術に成功した成瀬は驚くほど元気になるが、時々フラッシュバックする自分のものではない記憶に違和感を覚えていたー。
北海道、ハワイの壮大な風景を舞台に、運命に翻弄されるふたりの美しくも切ない、“さよなら”から始まる愛の物語。

Netflixシリーズ「さよならのつづき」
出演:有村架純 坂口健太郎
中村ゆり 奥野瑛太 伊藤歩 斉藤由貴 古舘寛治 宮崎美子 イッセー尾形 生田斗真 / 三浦友和
脚本:岡田惠和
監督:黒崎博
音楽:アスカ・マツミヤ
主題歌:米津玄師「Azalea」
撮影監督:山田康介
美術監督:原田満生
エグゼクティブプロデューサー:岡野真紀子
プロデューサー:黒沢淳・近見哲平
ラインプロデューサー:原田耕治
制作プロダクション:テレパック
原案・企画・製作:Netflix
話数:全8話(一挙配信)
Neflix作品ページ:https://www.netflix.com/さよならのつづき

Netflixシリーズ「さよならのつづき」11月14日(木)よりNetflixにて独占配信