『カーリングの神様』の公開直前特別試写会が11月4日(月)に都内で行われ、川口ゆりな、⻑澤樹が登壇した。
主人公は地元の女子高生たち。 閉鎖の危機が迫る御代田町のカーリング場を舞台に、国際大会のエキシビションマッチの出場権をかけて奮闘する。小学生当時の大会で優勝したチームの再結成を目論むが、エースはすでにライバルとなる軽井沢のエリートチームに移籍。さらにエキシビションマッチの出場権がかかった予選会ではそのかつてのチームメイトが所属するエリートチームと戦うことに。その姿を通して、地域との連帯や友情をはぐくみ成長する姿を描くスポーツ青春映画。チームのエースとなる“スキップ”のポジションを担う主演には本田望結。本田と高校生カーリングチームを結成するのは“リード”の泉智奈津、“セカンド”の白倉碧空、そしてバイススキップとも呼ばれる“サード”を長澤樹が務める。また、川口ゆりながライバルチームへ移籍した幼馴染を演じる。
カーリングに青春を懸ける女子高生たちの奮闘と友情を描く青春ムービー。主演の本田望結はもちろん、カーリングチームの面々は代役を立てずに自身でカーリングシーンに挑戦した。イベントでは、昨年12月から今年1月にかけて撮影された過酷な現場の話題に。クランクイン前のカーリングの猛特訓に加え、撮影現場に入ってからも空き時間だけではなく、休憩中もご飯を早く食べてカーリングの練習に励んでいたという2人。極寒の外での撮影だけではなく、カーリング場の屋内でも寒さに耐えるために使い捨てカイロは必需品だったという川口は「全身に貼っていました」と明かし、長澤も「すごく寒くて、ずっと震えていました」と撮影当時を思い出して身構えてみせた。体が柔らかい長澤は「カーリングのフォームがプロみたい」と周りから評判だったそうで、「みんなも柔軟性も体幹もよくて、こんなに早くカーリングを習得できるってないんじゃないかな」と照れ笑いを見せると、「私たちセンスがあったかもしれない(笑)」と川口は満面の笑みを見せた。
オーディションの時にカーリングの経験を問われた川口は「どうしてもこの『カーリングの神様』に出演したかったので、カーリングをやったことないんですけど、運動神経が良いので絶対できます!と謎の自信を見せました」と出演への道を開いたエピソードを吐露すると、会場は笑いに包まれた。司会から撮影時に苦労したことを問われると「芝居をするシーンよりも、カーリングのシーンの方が全然緊張したし、(あえて)外さなきゃいけないショットの時に限って、めちゃめちゃいいショットが決まったりして」と、喜んではいけないシーンで喜びを堪えるのに苦労した川口に共感した長澤も「大変というより楽しかったという思い出の方が強いです」と振り返った。
最後に川口は「『カーリングの神様』を観ていただいて、何かに熱中したり、没頭したりする楽しさを感じてもらって、新しいことを始めたり、今がんばっていることを更にがんばったり、皆さんの人生がより楽しくなるような作品になっていたらいいなと思います」と語ると、長澤も「観ていただいた方に明るい気持ちで帰っていただきたいですし、一緒に夢を歩んでくれる、応援してくれる人の大切さに感謝して、有り難いことなんだなと感じていただけたら嬉しいです」と力強くアピールして締めくくった。
大きな壁にぶつかりながらも、子どもの頃の純粋な気持ちを思い出すことで、仲間と一緒に熱中する喜びを噛みしめる女子高校生たちの姿をみずみずしく描き出した本作の監督を務めるのは、『超高速!参勤交代』(14)でブルーリボン賞作品賞、日本アカデミー賞優秀監督賞に輝き、『空飛ぶタイヤ』(18)で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した本木克英。
撮影が行われた御代田町は、本州のカーリングの聖地と呼ばれている。本編にも実名で登場した「カーリングホールみよた」は、カーリングがブームとなる10年以上前にオープン。本州で最も歴史の長いカーリング専用施設であると同時に、日本で唯一民間運営されているカーリング施設である。撮影は御代田町の全面協力を得て、昨年12月に行われた。