31日、都内で行われた映画『海の沈黙』舞台あいさつに、本木雅弘、小泉今日子、中井貴一、石坂浩二、仲村トオル、菅野恵、佐野史郎、若松節朗監督、倉本聰氏(原案・脚本)と共に出席。
同作は世界的な画家・田村修三の展覧会で贋作事件が起き、事件の報道が加熱する中、北海道・小樽で女性の死体が見つかることから展開していく。本木が表舞台から姿を消した天才画家であり2つの事件の間に浮かび上がる津山竜次、小泉が竜次の元恋人で田村の妻・安奈を演じた。
本木は倉本作品への初参加について、「光栄な機会をいただきましたが、現場では役者として日々試行錯誤の連続でした。若松監督やスタッフの皆さん、共演者の小泉さんや中井さんの支えに助けられ、何とかやり遂げることができました」と振り返えり。
また、小泉は「普段は自主性が強く活発な女性の役が多いですが、今回は久しぶりにヒロインらしい役を演じることができてうれしかったです」と笑顔で語った。
本作のテーマを約60年にわたり温めてきた倉本は、「やっと作品が完成しました。これほど素晴らしい演技者が集まってくれたことに感激しています」とコメントした。
石坂は、田村役について「若く見せようと努めて演じた結果、本木さんが老け込んでしまい、私を追い越そうとする勢いでした。これは強力な歩み寄りです」と語った。
美術鑑定の清家役を演じた仲村は、若松監督と倉本氏の作品に参加できることに対し「現場に向かう際、とてもワクワクしていました」と述べた。
文部科学大臣・桐谷役の佐野は「最初にオファーをいただいた際は自分には不釣り合いだと感じましたが、脚本を読んで納得しました」と振り返った。また、竜次を慕うバーテンダー・あざみ役で映画初出演を果たした菅野は、「倉本先生の脚本には舞台で何度も出演させていただいており、今回も『やるか?』と聞かれ、『やります!』と即答しました」と話している。本木は、小泉について「変わらない部分もありつつ、母性が加わり菩薩のようになった」と語り、「10代の頃からの同志であり、今回の共演は仕事を続けてきたことへのご褒美だと思っています」と感慨を述べた。一方、小泉は本木について「15歳のときから変わらず自己肯定感が低く、常に悩み反省している」としつつ、「だからこそ、このような役が演じられるのだと思います」と評価した。
竜次に仕えるスイケン役を務めた中井は、本木との初共演の際、劇中での関係性を意識して距離を取っていたとし、「崇め仕える関係なので、『津山先生はご自由に、私はそっとそばに』と現場ではそのように過ごしていました」と理由を語った。
イベント後半に行われた「お題で一言ゲーム」では、映画の設定にちなみ「30数年ぶりに元恋人に会ったら何と声を掛ける?」というテーマで出演者が回答した。小泉は「元気だった?」、本木は「あー! ……誰?」と答え、佐野は「変わらないね」と実際の体験を交えて返答。菅野は「やっほー!」と明るく答えた。仲村は「僕は声を掛けられないと思いますね」、中井は「ゆっくり目をそらすか、ハグするか」と回答し、若松は「しわが増えたねと言ってハグするかな」と想像を述べた。石坂は「当時憧れていた人に50年ぶりぐらいに会ったとき、『足とか痛くない?』って聞いてしまいました」と実体験を披露。最後に倉本は、「芸者から旅館のおかみになった方と30、40年ぶりに再会した際、『おはるかぶりでございました』と言われ、心に響きました」と印象的なエピソードを語った。
『海の沈黙』作品情報
公開日 | 2024年11月22日公開予定 |
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キャスト | 監督:若松節朗 原作:倉本聰 出演:本木雅弘 小泉今日子 清水美砂 仲村トオル 菅野恵 石坂浩二 萩原聖人 村田雄浩 佐野史郎 田中健 三船美佳 津嘉山正種 中井貴一 |
配給 | ハピネットファントム・スタジオ |
制作国 | 日本(2024) |
上映時間 | 118分 |
公式サイト | https://happinet-phantom.com/uminochinmoku/ |
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