映画

「映画作家 ジャンヌ・モロー」に山内マリコ、横浜聡子ら著名人が推薦コメント

名優ジャンヌ・モローの監督作を一挙上映する「映画作家 ジャンヌ・モロー」が10月11日(金)より全国順次公開。このたび、著名人の推薦コメントが解禁され、劇場用パンフレットの発売が決定した。

「直感と知性に満ちたジャンヌ・モロー監督の映画術に驚き、感服した」

映画史にその名を刻む、フランスを代表する「女優」ジャンヌ・モロー(1928-2017)。今回の「映画作家 ジャンヌ・モロー」では「映画監督」としても活躍した彼女の、70年代から80年代にかけて作られた、女性(たち)をめぐる3つの監督作品を一挙公開。監督第一作『リュミエール』とドキュメンタリー作品『リリアン・ギッシュの肖像』は日本の劇場では初めてのロードショーとなる。

このたび、一足早く映画を鑑賞した著名人から推薦コメントが到着。山内マリコ(小説家)は「ジャンヌ・モローが映画を撮った意味、女が女の映画を作ることの重要さ。それを理解するスタート地点にやっとたどり着いた気がする」とコメントし、横浜聡子(映画監督)は「直感と知性に満ちたジャンヌ・モロー監督の映画術に驚き、感服した」と称賛する。その他、坂本安美(アンスティチュ・フランセ 映画プログラム主任)、須藤健太郎(映画批評家)、松田洋子(漫画家)、ゆっきゅん(DIVA)からも、特集上映を喜ぶ言葉が届いている。コメント全文・一覧は以下のとおり。

また、10月11日(金)より、上映館にて劇場用パンフレットが販売されることも決定し、ポップな表紙イメージが公開された。小柳帝による全三作品の解説、秦早穂子、坂本安美、ゆっきゅんによるレビューなどが掲載されている。デザインはwoolenの福岡南央子が担当した。

パンフレット表紙イメージ

「映画作家 ジャンヌ・モロー」は、10月11日(金)より、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。

コメント一覧 ※五十音順・敬称略

●坂本安美(アンスティチュ・フランセ 映画プログラム主任)
もしこれまでジャンヌ・モローという女優の偉大さがこれらの作品を覆い隠してきたのならば、映画作家ジャンヌ・モローをそこから解き放つのではなく、女優であるとともに映画作家であるひとりのアーティスト、ジャンヌ・モローの存在を確認すべき時が、今ようやく来ているだろう。
*劇場用パンフレットへの寄稿より抜粋

●須藤健太郎(映画批評家)
ここにはいくつものペアがある。映画と人生。女と男。子どもと大人。粗野と繊細。田舎と都会。休暇と仕事。電話と手紙。誕生と死。歴史と現在。眼鏡と裸眼。無声と有声。光と影。木靴と自転車。前と後ろ。姉と妹。そして2人の女優兼監督。互いに互いを照らし合うようにして。

●松田洋子(漫画家)
憧れの人はたくさんいるが「こんな人になりたい」と思ったのはジャンヌ・モローだけ。女性と女優の達人ジャンヌ・モローが撮って見せてくれる女たちにいつかの自分を見つける。私が煙草をやめたのは、禁煙に成功したのではなく愛煙に挫折したのだと思わせる。

●山内マリコ(小説家)
ジャンヌ・モローが映画を撮った意味、女が女の映画を作ることの重要さ。それを理解するスタート地点にやっとたどり着いた気がする。温かなフィルムの中に、女による映画の夢がたしかに刻み込まれていた。

●ゆっきゅん(DIVA)
(リリアン・)ギッシュがやってきたことは、ここにいる(ジャンヌ・)モローに大きなものを残してくれているとわかる。大女優シスターフッド、若者はこれを踏まえた上でギッシュとモローの作品を観まくる2024年をやっていこう。これからで、大丈夫です。
*劇場用パンフレットへの寄稿より抜粋

●横浜聡子(映画監督)
人間という存在への深い洞察と、あたたかくも冷静な眼差し。
そしてそれらをうつし映画にするという能力。
直感と知性に満ちたジャンヌ・モロー監督の映画術に驚き、感服した。

上映情報

映画作家 ジャンヌ・モロー
2024年10月11日(金)、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

提供:キングレコード/配給:エスパース・サロウ/宣伝:プンクテ

『リュミエール』 LUMIÈRE 国内劇場初公開
(1976|フランス|102分|ヨーロピアンビスタ)
監督・脚本:ジャンヌ・モロー|撮影:リカルド・アロノヴィチ|音楽:アストル・ピアソラ|出演:ジャンヌ・モロー、ルチア・ボゼー、フランシーヌ・ラセット、キャロリーヌ・カルティエ、ブルーノ・ガンツ
LUMIÈRE © 1976 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

『思春期』 L’ADOLESCENTE
(1979|フランス|94分|ヨーロピアンビスタ|旧邦題:ジャンヌ・モローの思春期)
監督・脚本:ジャンヌ・モロー|共同脚本:アンリエット・ジェリネク|撮影:ピエール・ゴタール|音楽:フィリップ・サルド|出演:レティシア・ショヴォー、シモーヌ・シニョレ、フランシス・ユステール、ジャック・ヴェベール、エディット・クレヴェール
L’ADOLESCENTE © 1979 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

『リリアン・ギッシュの肖像』 LILLIAN GISH 国内劇場初公開
(1983|フランス|59分|スタンダード)
監督・脚本:ジャンヌ・モロー|撮影:トーマス・ハーウィッツ、ピエール・ゴタール|出演:リリアン・ギッシュ、ジャンヌ・モロー
LILLIAN GISH © 1983 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

© 1976-1979-1983 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

公式サイト jeannemoreau.espace-sarou.com