映画

『Cloud クラウド』公開記念舞台挨拶

日時:9月28日(土)
会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
登壇:菅田将暉、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝、黒沢清監督

『Cloud クラウド』の公開記念舞台挨拶が9月28日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、菅田将暉、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝、黒沢清監督が登壇した。

本作は、『スパイの妻』(2020)で、第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した黒沢監督の最新作で、憎悪の連鎖から生まれる“集団狂気”を描いたサスペンス・スリラー。「何かに狙われている――?」転売で稼ぐ吉井の仕事が軌道に乗り出した矢先、周囲で不審な出来事が重なり、これまでの「日常」が壊されていく……。主演の菅田将暉は、「ラーテル」というハンドルネームを使い、転売で稼ぐ主人公・吉井良介を演じている。

主演の菅田は、作品が無事公開できたことについて感無量の様子で語った。

「無事公開できて、お客さんが入っている景色を見れてうれしいです」と挨拶

奥平は「昨日から公開ということで、(ネットで)感想を見たりとかしていて、すごくいろんな感想があって、面白いなと思っていました」

荒川は「すっかり秋めいてまいりました…。芸術の秋ということで『Cloud クラウド』をよろしくお願いします」としみじみと語って会場の笑いを誘い、

窪田は「貴重な土曜日にこの『Cloud クラウド』のために集まってくださりありがとうございます」と満員の客席に感謝。

一方、本作は海外の映画祭でも上映されており、黒沢監督は「ヴェネチアでは固唾を飲んで見ている感じでしたが、トロントではここで笑うかなというところで笑っていました」と、観客の反応の違いを振り返った。

この日の上映では、「怖い」という反応が多かったが、キャストの中では奥平だけがそう感じたという。奥平は戸惑いながらも「ドキドキ感があって」と、その理由を語った。

全体として、作品の公開を喜ぶ菅田や、観客の反応の違いを語る黒沢監督、そして自身の感想を述べる奥平など、キャストたちの感慨深い様子が伝わってきた。

本作に関連した”怯えたエピソード”について質問されると、菅田は考え込みながら「それぞれ怖かったけどなー」と述べた。

そして菅田は、共演者の大兼の私服に驚いたことを明かした。

「大兼くんの私服に怯えたました。この世の20代で1番個性がある」と絶賛しつつ、「緑系で統一している日、かっこよかったし、好きなんだろうな」と語った。

これに対し、荒川は「きつい仕事だから目に優しい」とコメントし、観客からは笑いが起きた。

さらに「全身ですか?」と問われた菅田は、「全身で、エメラルドグリーンみたいな」と詳細を明かし「緑系で統一している日があって、カッコよかったし、本当に好きなんだろうなと感じました。ハルクみたいになってました」吐露

するとこの様子を覚えていた黒沢監督も「何者かと思った」と驚いた様子で、菅田は「かまされたなと。Tシャツとジーパンで来てるんじゃねーよと言われてる気がした」と笑いを誘った。岡山は、荒川と初対面の日のエピソードを明かした。

「はじめましてだったのでご挨拶をしにいこうと思ったら、良々さんが『久しぶり!』って言って」岡山は、この時「やばい、どこかでご一緒しているんだと思って。セッティング中にケータイで”荒川良々 岡山天音”で検索して、どれだけ見てもなくて」と、共演歴を確認し直したという。

その後、岡山は「ご一緒していないですよね?って言ったら『何となく言っちゃった、ごめん』(と言われた)」と説明した。

これに対し、荒川は「本当にその時は失礼しました」と恐縮の様子だった。

このように、共演者との初対面の際の小さなエピソードが明かされ、お互いの反応の様子が伝えられた。

舞台挨拶では、”指差しトーク”という企画が行われた。

まず、”いい意味で裏切られたと思った人”について質問されると、菅田は黒沢監督を指して「フランクに話してくださるのは意外」と述べ、荒川は「現場が平和」と、作品から受ける印象とは異なっていたことを明かした。

その後、黒沢監督は窪田を指し、「クールで物静かな印象があった」と初めの印象を語った上で、「ピストルが出てくる映画は何本も撮っているんですけど、現場でピストルを握ってあんなにはしゃいだ人を初めて見た」と驚きを表した。これに対し会場は笑いに包まれた。

さらに、「僕もそれなんです」と語った奥平は、「テストの時の銃でカチャカチャとやっていて、気が楽になったなと」と明かした。

このように、キャストや監督が互いの印象を共有する中で、撮影現場での様子が明らかになっていった。

舞台挨拶では、キャストと監督の印象について語り合う場面もあった。

窪田は、「そのままお返しします。監督もクールな方なのかなと思ったら実際は陽気な方ですし」と述べ、黒沢監督のイメージが変わったことを明かした。

そして窪田は、撮影時の銃のシーンについて言及した。

「銃のシーンは監督が一番ニヤニヤしてた。素人が拳銃を持つのはどういう感覚なんだろうと、まずは球とか入っているか確かめるかなと思って『下から抜いていいですか?』と言ったら、『いや、上から見えるんです』と。監督も楽しそうでしたよね?」

これに対し、黒沢監督は「仕事ですから」と返答し、会場を笑わせた。

このように、キャストと監督の相互作用の中から、撮影現場での様子が明らかになっていった。

続いて、”今だから聞いてみたいことがある人”という質問に対し、全員が荒川を指差した。

まず菅田が「赤堀(雅秋)さんとはなんであんなに仲いいんですか?お二人が楽しそうだったので」と質問した。

これに対し、窪田も「吉岡さんが、赤堀さんと良々さんにずっとくっついてた」と補足した。

荒川はこれらの質問に答え、「福島に行った時に僕らがホテルの近所の焼肉屋に入ってお酒頂いて、吉岡さんが『偶然!』みたいな感じで入ってきたんです」と明かした。

このように、キャスト同士の仲の良さや、撮影中の様々な出来事について、質問を通じて明らかにされていった。

さらに岡山からは「名前の由来は?」、奥平は「プライベートが想像できない。家で何をしているのかな」と質問を投げかけ、荒川に興味津々の様子だった。

舞台挨拶の最後、菅田は本作について「公開したので、ここからどんどん広がってほしいと願っております」とメッセージを送った。一方の黒沢監督は、「見たことがないような映画だと思われた方もいらっしゃると思います。こういう映画もあるということを知っていただけたらうれしいです。みなさんの記憶の奥のほうに深く残ってくれたらいいなと思っています」と述べた。

物語
吉井良介(菅田将暉)は、町工場に勤めながら“ラーテル”というハンドルネームを使い転売で日銭を稼いでいた。医療機器、バッグにフィギュア……売れるものなら何でもいい。安く仕入れて、高く売る、ただそれだけのこと。転売の仕事を教わった高専の先輩・村岡(窪田正孝)からの“デカい”儲け話にも耳を傾けず、真面目にコツコツと悪事を働いていく。吉井にとって、増えていく預金残高だけが信じられる存在だった。
そんな折、勤務先の社長・滝本(荒川良々)から管理職への昇進を打診された吉井は、「3年も働いたんだ。もう十分だろう」と固辞し、と、その足で辞職。郊外の湖畔に事務所兼自宅を借り、恋人・秋子(古川琴音)との新しい生活をスタートする。地元の若者・佐野(奥平大兼)を雇い、転売業が軌道に乗ってきた矢先、吉井の周りで不審な出来事が重なり始める。徘徊する怪しげな車、割られた窓ガラス、付きまとう影、インターネット上の悪意――。負のスパイラルによって増長された憎悪はやがて実体を獲得し、狂気を宿した不特定多数の集団へと変貌。その標的となった吉井の「日常」は急速に破壊されていく……。
『Cloud クラウド』

<映画『Cloud クラウド』作品概要>
無自覚な行動でネット社会に憎悪をばらまいた主人公・吉井は、知らない間に恨みを買い、匿名の集団による“狩りゲーム”の標的に。吉井の日常は急速に破壊されていく……。菅田将暉、古川琴音、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝ら豪華俳優陣が共演!見えない悪意と隣り合わせの恐怖を描く今年最大の注目作。

映画『Cloud クラウド
監督・脚本:黒沢 清
主演:菅田将暉
出演:古川琴音 奥平大兼 岡山天音 荒川良々 窪田正孝
赤堀雅秋 吉岡睦雄 三河悠冴 山田真歩 矢柴俊博 森下能幸 千葉哲也 松重豊
製作幹事:日活 東京テアトル
配給:東京テアトル 日活
©2024「Cloud」製作委員会
公式X/Instagram @cloudmovie2024
公式ハッシュタグ #映画クラウド

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