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『ドゥーム・ジェネレーション』『ノーウェア』予告編が解禁

グレッグ・アラキ監督の代表的2作品が待望のデジタルリマスター版でリバイバル公開。11月8日(金)より『ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版』、11月15日(金)より『ノーウェア デジタルリマスター版』が渋谷ホワイトシネクイントほかにて全国順次公開。このたび予告編・ポスタービジュアルが解禁された。

異性愛を常識とする当時の概念や、それを支えてきた映画のあり方に対抗した90年代の「ニュー・クィア・シネマ」ムーブメントを牽引し、インディカルチャーの旗手として知られるグレッグ・アラキの2作品が遂にデジタルリマスターされ、さらに、初公開当時そのストレートな性表現から止むなくカットされたシーンを含むディレクターズカットで劇場公開が決定した。

映画「ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版」予告編

映画「ノーウェア デジタルリマスター版」予告編

映画「ドゥーム・ジェネレーション」「ノーウェア」デジタルリマスター版 合同予告編

自身もゲイであることをオープンにし、一貫してティーンエイジャーを主人公にして同性愛者のリアルライフを描いてきたグレッグ・アラキ。そんな彼がプロデューサーからの「異性愛映画を撮ったら制作予算をあげよう」という提案に対し、彼なりの反骨精神あふれるパンクなやり方で、「表向きは“異性愛映画”としつつも、“史上最もクィアな異性愛映画”を作りたかった」と語る『ドゥーム・ジェネレーション』と、「最も野心的な作品」と本人も語る、まるでジェットコースターのようなスピード感で若者たちの「終末の日」の一夜を描いた『ノーウェア』。約30年前の作品とは思えないほど、今の私たちの感性を刺激する魅力とパワーを放つ衝撃の2作品だ。

「今夜は何か起こりそう 胸騒ぎがするんだ」――今回、公開された『ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版』予告編(60秒)は、ロサンゼルスのクラブで若いカップルのジョーダン・ホワイト(ジェームズ・デュバル)とエイミー・ブルー(ローズ・マッゴーワン)が語り合う場面から始まる。その後、見事に二人の予感は的中。セックス、ドラッグ、ロックで華やかに彩られた静かな夜は、危険な香りを纏った流れ者グザヴィエ・レッド(ジョナサン・シェック)の登場によって一変。途中、立ち寄ったコンビニで銃を向けられたり、会計のたびに不吉な数字「6ドル66セント」という数字が現れたり、常軌を逸した出来事ばかりに見舞われる。

しかし、謎に包まれたグザヴィエはたびたび二人を窮地から救い出し、図らずも追われる身となった3人は、サイコたちが徘徊する不毛の荒野と化したアメリカを逃げ回る……“運命共同体”としてのジョーダン、エイミー、グザヴィエのかつてなく刺激的な逃行避行が始まるのだった。旅を進めるにつれて、「君たちを愛してるよ」「私が愛するのはあなただけ」「愛してる!」と愛を叫び、性的な境界線が次第に曖昧になっていく三角関係……しかしラスト、「“愛してる”にはいろんな意味があるだろ?」というジョーダンの言葉で締め括られ、サスペンスを感じさせる 映像となっている。また、劇中歌には、ピチカート・ファイヴ、ナイン・インチ・ネイルズ、スロウダイブ、ジーザス&メリー・チェイン、コクトー・ツインズ、エイフェックス・ツイン、ザ・ヴァーヴなど、音楽ファンが歓喜すること間違いなしのミュージシャンたちが名を連ねている。

また、ヒロインであるエイミーが強い視線で睨みつける写真が印象的な作品個別のポスタービジュアルも新たに解禁。シーンのバリエーションの広さを感じさせる場面写真で構成されたビジュアルは、エイミーとジョーダンが寝そべる写真の上に、ジョーダンとグザヴィエが親密に顔を近づける様子も仄めかされており、三人の三角関係がどのように変化していくのか、興味をそそる内容となっている。

同じく今回公開された『ノーウェア デジタルリマスター版』の予告編(60秒)では、混沌とした世界で永遠の愛をもとめて彷徨う若者たちの明るくも悲劇的な一日の様子が描かれる。舞台は太陽が燦々と降り注ぐロサンゼルス、映画監督志望の18歳の青年ダーク・スミス(ジェームズ・デュバル)は、恋人のメル(レイチェル・トゥルー)が心の底から自分に夢中になってくれることを求めている。一方のメルはダークのことを深く想ってはいるものの、紫色の髪の恋人・ルシファー(キャスリーン・ロバートソン)にも想いを寄せており、ふたりの間を行ったり来たりしている。そんなメルとの心許ない関係に悩まされているダークは様々な妄想で自らを慰める日々を送っているが、オッドアイの美しい瞳を持つ無垢な青年・モンゴメリー(ネイザザン・ベクストン)に次第に心惹かれていく。

「ドゥーム・ジェネレーション」場面写真 (c)1995 UGC and the teen angst movie

さまざまな人間が入り乱れる地元の溜まり場であるコーヒーハウス”ホール”、いつものようにそこに集まり、夜の「缶蹴りゲーム」とパーティの計画を立てていたが、ダークの周囲では奇妙な出来事が起こり始める……。若さゆえの疑念や不安、思春期の恋愛、SM、ドラッグ、カージャック、殺人、エイリアン誘拐――「ひどい一日だった」という最後のダークの呟き、まるで世界の終わりのような絶望に満ちた一言が観る者の想像を掻き立てる 映像となっている。また、『ドゥーム・ジェネレーション』同様、劇中歌にはスロウダイヴ、マッシヴ・アタック、ソニック・ユース、ケミカル・ブラザーズ、ブラー、ポーティスヘッド、マリリン・マンソン、レディオヘッド、スウェードなどのシューゲイザーやオルタナティヴロックなどの名だたるミュージシャンたちが楽曲を提供している。

「ノーウェア」場面写真 (c)1997. all rights reserved. kill.

また、ルシファーとメルが肩を組む写真が印象的な作品個別のポスタービジュアルも新たに解禁。カラフルな色使いの場面写真から、デザインが凝ったシーンの多さを感じさせる。文字が一面に羅列された部屋で遠いめでたたずむのはバート、赤や緑のカラフルな部屋で電話をするのはメル、「GOD HELP ME」というサインの横で立つモンゴメリー、そして十字架を不思議そうに掲げ、星条旗を腰に巻いたダーク。愛を求める若者たちがカラフルな世界観で描かれる様子を感じさせる。

作品情報

11月8日(金) ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版
11月15日(金) ノーウェア デジタルリマスター版
渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開

『ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版』
監督・脚本・編集:グレッグ・アラキ
出演:ローズ・マッゴーワン、ジェームズ・デュバル、ジョナサン・シェック
製作:グレッグ・アラキ、ニコル・アルビブ、アンドレア・スパーリング
1995年/アメリカ・フランス/カラー/ビスタ/5.1ch/英語/84分/
日本語字幕:佐藤南/原題:The Doom Generation/
映倫区分:R-15+
配給:パルコ 宣伝:パルコ、SUNDAE
©1995 UGC and the teen angst movie company

『ノーウェア デジタルリマスター版』
監督・脚本・編集:グレッグ・アラキ
出演:ジェームズ・デュバル、レイチェル・トゥルー、ネイザン・ベクストン、キアラ・マストロヤンニ、デビー・マザール 他
製作:グレッグ・アラキ、ニコル・アルビブ他
1997年/アメリカ・フランス/カラー/ビスタ/英語/5.1ch /83分/
日本語字幕:長 夏実/原題:Nowhere/映倫区分:R-15+
配給:パルコ 宣伝:パルコ、SUNDAE
©1997. all rights reserved. kill.

公式サイト greggaraki-movie.com