女優の橋本愛(28歳)が10日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた映画「劇場版 アナウンサーたちの戦争」の公開記念舞台あいさつに出席した。
本作は、先の大戦中、ラジオを通じて国民の戦意高揚に関わった森田剛(45歳)演じる伝説のNHKアナウンサー、和田信賢(のぶかた)氏(1952年死去、享年40)の葛藤と苦悩を描いた話題作。
橋本は自身のSNSで、本作への思いを発信した。
その中で、橋本は「もちろん自分が携わった作品は、全て大切な作品であることに変わりないですが、この作品に関しては戦争だったり、過去の戦争の思いとか何を大事にしたいとか、何を守りたいとかその思いを戦争の悲劇とゆうかただ悲しくて尊い命が奪わてしまったと描くだけでなく、罪だとか関係のない人がおかした罪ではありますが、間違いなく今に引き続きのことで。自分たちは無関心でいることはできても、無関係でいることは絶対にできない。思い入れのある作品になりました」と述べた。
橋本は言葉の力について、
橋本は「この作品で変わったことはないですが、丁度タイミングとして変わったことはこの作品に対して言葉に救われて、人生自分でも言葉がなくてならないものです。言葉の力を信じて自分の言葉によって、何を大切にして、わりと思ったことを伝えようと思っていました。しかし、この作品に出会ったことで、何を言葉にしないかということに気づきました。言葉にしないことで守れるものだったり、自分の中で、新しく自分の変化のタイミングと重なりました。」と語りました。
撮影前、橋本は「あのエネルギーを間近で身近で感じたらどうなっちゃうんだろうなっていう、そういった期待感みたいな緊張感みたいなものを抱いていた」と述べた。そして実際、一番近くで森田の芝居に触れられたのが「大きな経験だった」と振り返った。
橋本は森田について、「身近に共演できるのを楽しみにしてました」「ホントにうらやましい意味で、どこか獣のような印象があるというか…自分は収まっている普段の自分で、森田さんを見ていると、はみ出しているというか、通常私たちが生きていく上で使っている五感の感度だったりとかが、どこか振り切れているような、そういった輪郭の大きさみたいなものをすごく感じていて、そういった方から発せられるものって、やっぱりどうしたってこう何かを超えてきてしまうエネルギーっていうものがすごくあると思っていて、それが私はすごくうらやましいなというか、本当に素敵だなって思いましたし、何か自分もそういった表現ができたらなと思うこともあった」と述べた。
橋本によると、森田の人柄や人間性が和田信賢アナとリンクし「ホントに2人が1つの体に入っているような、そういった説得力だったりとか真実味を、これでもかというくらい帯びている」という。
橋本が一木ディレクター演出作品に関わるのは、今作が2012年の「はつ恋」、19年の大河ドラマ「いだてん」以来。森田、一木氏との最初の台本読みの席を振り返り、橋本は「『もう3回目なんですよ~』みたいなことを言ったら、森田さんが『あぁズブズブなんですね~』って言われたのがすごい覚えてるんですけど…」と明かした。
橋本は、演出の一木正恵氏について、10代の頃から一木氏の作品に複数参加しており、「(一木氏は)私が本当に心の底から恥ずかしいと思うような、そういった年代の頃からご一緒していて、それで自分にとっては許せない自分をすごく肯定してくださっているような気がして、とても本当にありがたい」と信頼を置いていることを語った。
続けて、橋本は一木氏の演出について「今回は、お芝居というよりかは、もう本当にそこに渦巻くすべての、カメラに映るすべてのものに対してものすごい集中力で向き合われていた」と述べ、本作にかける一木氏の強い思いを感じたと振り返った。
また、一木氏から橋本宛の手紙が代読され、一木氏の橋本への熱い思いが明かされた。
手紙の中で、一木氏は橋本をキャスティングした理由について、「信頼関係があり、この人ならと任せられる客観性と熱量を相もった役者さん」だと考えていたことを明かした。作品の中で重要な役割を担う和田実枝子役は、橋本しかいないと確信していたという。
また、一木氏は、メディアの闇の歴史を描く本作を、一人でも多くの人に届けたいという強い思いから、作品制作に臨んだことも明かされた。
映画「劇場版 アナウンサーたちの戦争」作品情報
公開日 | 2024年8月16日より公開中 |
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キャスト | 出演:森田剛 橋本愛 高良健吾 浜野謙太 大東駿介 藤原さくら 水上恒司 降谷建志 渋川清彦 中島歩 眞島秀和 古舘寛治 小日向文世 安田顕 遠山俊也 |
配給 | ナカチカピクチャーズ |
制作国 | 日本(2023) |
上映時間 | 113分 |
公式サイト | https://thevoices-at-war-movie.com/ |
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