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「NINJA KAMUI」朴性厚監督インタビュー&10話本編先出シーン

抜け忍ダークヒーロー・ヒガンの復讐劇を描いたアニメ『NINJA KAMUI』。アニメーション制作はE&H production。監督には『呪術廻戦』(第1期)の朴性厚(パク・ソンフ)さん、キャラクター原案には『ニンジャバットマン』の岡崎能士さん、シリーズ構成には『ゾンビランドサガ』の村越繁さんといった豪華スタッフが名を連ねています。

8月26日に9話の放送を終え、クライマックスを迎えている本作の監督を務める、朴性厚氏のオフィシャルインタビューが到着しました。また、10話の本編シーンが先行解禁されています。

アニメ『NINJA KAMUI』監督・朴性厚氏オフィシャルインタビュー


Q.アニメ「NINJA KAMUI」の制作に関わられた経緯、先んじて配信が始まっている北米の反応をお聞かせくださいSola Entertainment様より、海外配信向けに新しいニンジャ作品を作って欲しいとの依頼があり、初めはゲーム原作でのお話を頂いたのですが、作りたい作品像をお伝えしたところ、それはもうオリジナル作品でしょうとなり今の『NINJA KAMUI』が出来上がりました。北米での反応に関しては、リアルタイムで追いかけられた訳ではないのですが、それでも多くの反響を頂いたことは耳に入ってきました。新しいスタジオを立ち上げて初のシリーズ作品なので本当にありがたい限りです。Q.本作はオリジナルストーリーとなりますが、どのように物語を組み立てていかれたのでしょうか?自分が思うニンジャ作品を作るならばこの人達と一緒にと考えていた方達を集めて組み立てて行きました。まず、シリーズ構成と脚本は、多くの作品でお世話になった村越繁さん。そして、キャラクター&スーツデザインには、『アフロサムライ』の岡崎能士さんにお願いしました。脚本作りはコロナ禍だったこともあり、リモート会議を重ねて練り上げました。

Q.「ヒガン」のキャラクターについて、内面・映像ともにこだわられた点、意識されたことなどお教えくださいヒガンに関しては、いわゆる既存のニンジャ作品と一線を画したく、黒装束で顔を隠してと言うわかりやすい記号を廃しました。抜け忍、復讐者とキャラクター性をデザインで表す部分に関しては皆でアイディアを出し合い岡崎さんが昇華してくださいました。

例えば顔を隠す部分に関しては、テクノロジーに置き換えて完全に顔を変えてしまうと言う形で表現しました。第一話まるまる主人公とその家族の顔は偽装された状態。そして復讐者としてその偽装を解き決意を表すといったストーリーと感情のラインに乗せた演出もこだわったところです。

また、ヒガンは古来からの忍びの技と体術で戦うものとして描き、ヤマジ率いるハイテクノロジーニンジャとの対比を作りました。平穏な日常を壊され、家族をも殺された復讐者と言うシンプルな軸はぶらすことなく、各話の吸引力を上げるためにアイディアを尽くした末に完成したのが『NINJA KAMUI』です。

Q.ヒガン以外のキャラクターで朴監督が気に入っているキャラクターがあればお教えください特に気に入っているというキャラクターというのは難しいですね。それぞれにアイディアを出し合って作り上げたキャラクターなので。

例えばザイに関して言えば、演じて下さった中村悠一さんと音響監督の藤田亜紀子さんと三人話し合いながら作り上げていったという部分では気に入っていますし、ヤマジに関しては、当て書きでは無いかと言われるくらいに演じて下さった山路和弘さんとイメージが重なります。こちらに関してはご本人にヤマジと言う名前をお借りしますがよろしいですか?と許可をいただいたほどです。

そして、忘れてはならないのがマイク。スタッフの間でも特に愛されたキャラクターで、作品内で歌を歌うシーンがあるのですが、そこは副監督の三浦唯さんが歌う姿と重なり、ゲストキャラ&プロップデザインの佐野誉幸さんと共によく真似をしてましたね。

Q.アクションシーンの迫力ある映像美が話題になっていますが、映像面のアプローチで意識されたことなどありましたらお教えください各話数に必ずアクションの見せ場があるように、シナリオの段階から考えて構成しました。また作り方ということでのアプローチに関しては、手書きの気持ちよさ、CGの精密さ、実写の持つ重さとカメラアングルなどそれぞれの良さを融合させることを意識しました。

いままで培ってきた技術と経験を、また新しい人たちと組んでやることで更に表現の幅を広げる。そういったことに挑みたく、最終話ではハリウッドのアクションチームにヒガンとヤマジの最終決戦のアクションを実写で撮影してもらいアイディアをいただきき、それをアニメーションに落とし込みました。

Q.本作をご覧になっている方へ向けてのメッセージをお願いいたしますクライアントも放送も全て海外発という珍しい形で始まったこの『NINJA KAMUI』と言う企画。当初海外でしか観ることができないのではと思っていたので、こうして日本で放送していただきありがたい限りです。そして、多くの皆様に楽しんでいただけていることが何より嬉しいです。

『NINJA KAMUI』の構造は至ってシンプルに王道の復讐劇となります。主人公のヒガンに寄り添い見るもよし、もう一人の主人公マイクに視点を置くもよし、ただアクションを楽しむもよし、それぞれ受け取る方々が好きなように楽しんでいただけたらと思います。最後まで見届けて頂けましたら幸いです。あ、最後にタイトルに関してはスタッフ一同最後まで抵抗しましたからね(笑)


先行解禁された本編シーン。ヒガンとマリが忍びの里にいた頃の回想、竹林の中で修行をする“死神”と呼ばれているザイにマリが優しく語り掛けるシーン、ザイは仲間となる前からヒガンの存在を気にしていることがうかがえる、ザイの心情をうかがい知ることができる大切な場面を見ることができます。

アニメ『NINJA KAMUI』作品概要


■ストーリー近未来、大都市の郊外。男は愛する家族と共に、慎ましく暮らしていた。ある夜、一家は突如として現れた黒装束の忍者たちに襲われ、妻と子を殺され、自身も重傷を負ってしまう。男の名はジョー・ローガン、顔も名前も変えているが忍び組織に追われる身の抜け忍「ヒガン」である。奇跡的に一命をとりとめた「ヒガン」は自問する。なぜ妻と息子は殺され、自分は生き延びたのか?怒りを胸に組織への復讐を決意した彼は、事件を担当するFBI捜査官のマイクとその相棒のエマと共に、この事件の背後にある巨大な闇に立ち向かう。古巣である忍び組織は、最新テクノロジーを駆使したハイテク戦闘スーツ『グソク・ギア』を用いて、彼の始末を画策する。しかし、ヒガンはまだ知らない。組織のさらなる陰謀も、敵の一人がかつての仲間であることも――はたして、黒幕は誰なのか? いま、大いなる復讐劇の幕が上がる。

■放送情報
7月1日(月)24時よりTOKYO MXで放送開始

■配信情報
7月1日(月)より毎週月曜24:30~
dアニメストア、dアニメストア for Prime Videoにて最速配信
7月6日(土)より毎週土曜12:00以降、ほか各配信プラットフォームにて順次配信予定
ABEMA/DMM TV/FOD/Hulu/Lemino/U-NEXT/アニメ放題/ディズニープラス/バンダイチャンネル/WOWOWオンデマンド/Prime Video/TELASA(見放題プラン)/J:COM STREAM(見放題)/milplus見放題パックプライム/auスマートパスプレミアム
※配信日時は編成の都合などにより変動する場合がございます。

■スタッフ
監督:朴性厚
副監督:三浦唯
キャラクター原案:岡崎能士
シリーズ構成:村越 繁
キャラクターデザイン:小磯沙矢香
美術監督:ルガル・ヤン
色彩設計:忽那亜実
撮影監督/VFX:李周美
3DCG監督:申在勲
編集:柳圭介
音響監督:藤田亜紀子
劇伴:R・O・N
音楽プロデューサー:小林健樹
アニメーション制作:E&H production
企画プロデュース:SOLA Entertainment

■キャスト
ヒガン:津田健次郎
マイク・モリス:斧アツシ
エマ・サマンダ:若井友希
マリ:日野由利加
レン:木村新汰
ジョセフ:橘龍丸
リル:佐藤せつじ
ヂリ:朴璐美
ビッグ・D:さかき孝輔
ザイ:中村悠一
ヤマジ:山路和弘
ジェイソン:長嶝高士

©SOLA ENTERTAINMENT/Sunghoo Park