映画『無情の世界』

映画監督3人による映画小品集『無情の世界』が、6月23日に公開されることが発表されました。同時に予告編とメインビジュアルも公開されました。

この作品は、『教誨師』と『夜を走る』で知られる佐向大監督、『東京無国籍少女』の山岸謙太郎監督、そして『POP！』の小村昌士監督の3人が、「現代の憂鬱や日常生活の冒険」というテーマのもとに短編を制作した映画小品集です。

佐向監督は、唐田えりかを主演に迎えたサスペンスフルでロマンティックなフィルムノワール作品『真夜中のキッス』を手がけました。山岸監督は、渡部龍平が主演を務めるハードボイルドでユーモラスな任侠映画『イミテーション・ヤクザ』を制作しました。そして小村監督は、白石優愛が主演するオフビートで奇想天外なブラックコメディ作品『あなたと私の二人だけの世界』を手がけました。

公開されたメインビジュアルには、3作品の主人公たちの横顔が切り取られています。唐田は深夜のファミレスで退屈そうにジュースのストローをいじっており、渡部は険しい表情で銃を構えています。一方、白石は物憂げに読書に没頭している様子が描かれています。

映画『無情の世界』は、佐向大監督と脚本による「真夜中のキッス」が冒頭を飾ります。この作品では、唐田えりかが主演し、罪を犯して逃走中のヒロインが男たちを翻弄しながら夜を駆け抜ける姿が描かれます。物語は深夜のファミレスから始まります。

2本目は、渡部龍平が原案を手掛け、山岸謙太郎監督が担当する「イミテーション・ヤクザ」です。この作品では、売れない俳優がヤクザ映画のオーディションに参加し、苦難に立ち向かう様子が描かれます。

3本目の「あなたと私の２人だけの世界」は、小村昌士監督によって制作されました。この作品は、貸しスペースで開催されている恋愛術と護身術の講座がきっかけで生まれた恋の行方を描いた悲喜劇であり、現実を追求した末に不思議な世界に入り込んでいく様子が描かれます。

これらの3作品は、ストーリーやスタイルがまったく異なるにも関わらず、不思議な一体感があります。

企画の発端は、「イミテーション・ヤクザ」だったと小林は述べています。ただ、単独の短編映画では劇場公開が難しいと判断し、それに加えて2作品の監督たちに声をかけることになりました。すべての監督は、信頼できる存在であり、観客に見てほしい作品を持っていたため選ばれたのです。

撮影は、2021年のコロナ禍の中で行われました。この時期は社会全体が閉塞感に包まれており、小林の焦点は自然と「現代の憂鬱」に向けられました。