「悪人」「怒り」の吉田修一による同名小説を
映画をひと足早く鑑賞した俳優・
伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家)コメント
どこまでが偽装?
何が真実?
愛についてのあれこれが
江口のりこによって掻き乱される。
このトリックを一度で見破れるか。
それは言葉から服からほつれ出す。
岩松了(劇作家・演出家・俳優)コメント
これこそ義理の嫁の話。
観始めたときは「江口のりこ、頑張ってるな」だったのが
観終わる頃には「桃子さん、頑張って!」になってた。
「セーラー服と機関銃」ならぬ「桃子とチェーンソー」
割烹着? いやいや、桃子には着るべき服がない!
岡山天音(俳優)コメント
「映画」すぎました。
格好良い映画でした。表現が格好良すぎます。
人物に語らせていないのに人物が語りまくっています。
これを書きながら、なんだか文章が上手くまとまりません。
それは僕の語彙力の問題なのか、まっさらでこの映画と出会ってほしいからなのか、わからない。
人生って怖い! 悲しい! 最悪!
でもこの映画は最高。
SYO(物書き)コメント
不条理を丁寧にかき混ぜて、型に流し込んで出来上がった
見た目はすべすべ、中身は醜く凝り固まった男性優位社会。
主婦を《おかしく》したのは本当に周囲の《個人》なのか?
日本映画の文法で、埋められた澱を掘り起こす反語の一作。
児玉美月(映画文筆家)コメント
必死にしがみついていたものを手放してみても、
人生は案外しぶとく続くかもしれない。
映画が幕を閉じるとき、
始まりを告げる狼煙が上がる。
「愛に乱暴」の放った炎が飛び火して、
あなたの燻る心を焦げつかせてゆく。
早川千絵(映画監督)コメント
暴走する女のヒリヒリした孤独。
痛い。でも愛おしい。
ひらりさ(文筆家)コメント
夫は無関心。姑も冷たい。しんどい。ひりひりする。息が詰まる。限界を迎えて暴走する桃子には、一種の魅力がある。「もっとやれ」と思ったし、こちらもつられそうになった。
それでも。孤独に駆け抜けた桃子が到達するラストには、とてつもない人間愛が込められていた。愛に愛を返してもらえない辛さを抱えつつも、自暴自棄になりきれずに必死に生きている人たちへの、心からのエール。
桃子、あなたも私も幸せになれるよ。絶対に。
光石研(俳優)コメント
森ガキ組が江口のりこに挑む。脅し、突き放し、追い詰め、泥まみれ。しかし、彼女は全く動じない。しっかり森ガキ映画を牛耳ってる。ラストの江口のりこの顔は必見!
僕はこれからも、変わらず江口さんのファンを続ける。
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。桃子の平穏な日常は、少しずつ乱れ始める・・・。 人間の複雑な感情とその裏に隠された本質を鋭く炙り出してきた吉田修一の同名小説を、『おじいちゃん、死んじゃったって。』の森ガキ侑大監督が映画化。主演は唯一無二の存在感とユニークで高い演技力を持つ江口のりこ。共演には小泉孝太郎、風吹ジュン、馬場ふみから個性豊かな俳優陣が名を連ね、江口扮する主人公を追い詰めていく。江口のりこの振り切った怪演により、息もつかせぬ緊迫感に包まれたヒューマンサスペンスが誕生した。物語・・・ 夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。 そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、度々表示される不気味な不倫アカウント…。桃子の平穏な日常は、少しずつ乱れ始める。 |
『愛に乱暴』作品情報
公開日 | 2024年8月ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか全国ロードショー |
---|---|
キャスト | 監督:森ガキ侑大 原作:吉田修一 出演:江口のりこ 小泉孝太郎 馬場ふみか 風吹ジュン |
配給 | 東京テアトル |
制作国 | 日本(2024) |
公式サイト | https://www.ainiranbou.com/ |
(C)2013 吉田修一/新潮社 (C)2024『愛に乱暴』製作委員会