本作は、カラフルなビジュアルセンスと優しくもエモーショナルな親子のドラマが評判を呼び、サンダンス映画祭2023ワールドシネマドラマ部門にて審査員大賞を受賞、英国アカデミー賞2024では『関心領域』『哀れなるものたち』『ナポレオン』と共に英国作品賞にノミネートを果たし、米アカデミー賞®の前哨戦の一つであるナショナル・ボード・オブ・レビューではインディペンデント映画トップ10に選出された。
手掛けたのは、マイケル・ファスベンダーの制作会社DMCフィルムズに才能を見出され、本作が長編デビューとなる1994年生まれの新鋭シャーロット・リーガン。10代の頃からMVの監督を務め、これまでに200本以上を手掛けてきた若き逸材だ。主演のジョージー役に、リーガン監督が白羽の矢を立て抜てきしたローラ・キャンベル。本作でスクリーン・デビューを果たし、たくましさと可憐さが共存した絶妙な演技で多くの映画人の心を奪い、英国インディペンデント映画賞ほか複数の俳優賞にノミネートされた。さらに、一人娘ジョージーと親子関係を構築しようとする不器用な父親ジェイソンに扮するのは、『逆転のトライアングル』『アイアンクロー』など話題作への出演が立て続くハリス・ディキンソン。次世代の英国俳優として期待を寄せられている彼が新境地をひらいている。
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』を彷彿とさせるポップな色遣い×社会福祉の脆弱性を見つめたテーマ性、『aftersun／アフターサン』『カモン カモン』にも通じる、どこか機能不全な“親子”の交流と成長を通して、どこかで欠けているけど、ぎこちなくて愛おしいふたりの姿を映し出す、オリジナリティあふれる感動作が誕生した！
アザーポスター4種が一挙解禁！
この度、４種のアザーポスターが解禁！ どのポスターもフィルムカメラで撮られたようなどこか懐かしい仕上がりで、母を亡くし、ひとりぼっちで逞しく生きる12歳の主人公ジョージー（ローラ・キャンベル）と、ジョージーの前に12年ぶりに現れた行方知らずだった父親（ハリス・ディキンソン）の姿が映し出されている。ポスターには、劇中でも大人顔負けの話術で福祉の目をかいくぐり、一人たくましく生きてきたジョージーの「私は自立してるから大丈夫」「父親なんていらないと思ってた」など大人びたセリフが並べられるが、「ママの代わりはいらないけど、あなたを知る前には戻れない」と、最初は父親と認めないジョージーだったが、お互いぎこちないながらも“親子”になっていく様子が伝わってくるコピーが胸を打つ。別々で過ごした時間を埋めるように会話を紡いでいく二人の姿を、切り取ったビジュアルとなっている。
シャーロット・リーガン監督が主演 ローラ・キャンベルについて語るオフィシャル・インタビュー到着！
ジョージー役のローラは、オーディションで選ばれたそうですが、彼女から輝くものを感じたとおっしゃっていました。ただ、同時に個性が強すぎて大変だったとも……。そのときの様子を教えていただけますか？
シャーロット：当時、まだ10歳だったと思いますが、緊張していたのか、人見知りなのか、私たちが質問したことに全く答えてくれず、近所にあるショッピングセンターで売っているお気に入りのロウソクについて話し始めたんです。それ以外はほとんど何もしゃべらない……。変わった子だなと思っていたんですが、いざカメラで撮ってみると、私もプロデューサーも顔を見合わせて思わず歓喜しました、「ジョージー役は彼女しかいない！」と。ところがローラは、すぐに「イエス」とは言ってくれなかったんです……。
え!? でも、オーディションはローラ自身の意志で来られたんですよね？
シャーロット：オンライン広告を見て来てくれたそうなので、この企画に惹かれてはいたんだと思います。ただ、演技経験がなく、私たちに対しても懐疑的だったので、不安があったのではないでしょうか？ これは後々分かるのですが、ローラは人を見る目が非常に厳しく、本当に信用できる人としか関わらないところがあるんです。ですから、彼女の家に何度も足を運び、紅茶とビスケットをいただきながら信頼関係を少しずつ築いていって、ようやくOKをもらえたという感じです。
OKをもらえた……立場が逆転しているところが面白い(笑)。彼女は、演技に関しては全くの未経験者だったのですね？
シャーロット：TikTok世代なので、演技の学校に通って基礎を身に着けるとか、そういう発想はないようです。普段はSNS上で、有名な映画のワン・シーンを再現したり、俳優の動きを真似たり、独自のパフォーマンスを配信しているようです。
実際に撮影してみて、ローラは期待通りの演技を見せてくれましたか？
シャーロット：ジョージーも親友のアリもそうなんですが、脚本上ではキャラクターをゆるく設定してあるので、ローラたちの個性に合わせてどんどんプランを変えていったという感じです。ただ、撮影初日は大変でした。父親のジェイソン（ハリス・ディキンソン）が残したボイスメッセージを聞きながら、いろんな思い出がフラッシュバックする大切なシーンをいきなり撮ることになったんですが、ローラは前日のリハーサルにも参加せず、このまま演じてくれないんじゃないかとドキドキしていたんです。ところが撮影当日、姿を現した彼女は完璧に準備ができていて、私たちの想像を遥かに超える素晴らしい演技を披露してくれました。この日を境に、ローラは何かに解き放たれたよう演技を楽しんでいました。
公開後は、「毎分毎秒全てのシーンが愛おしい作品」「めちゃめちゃめちゃめちゃ好き!!!」「主人公ジョージーを演じたローラ・キャンベルの変幻自在な感情表現が魅力的過ぎる！」「完璧じゃない父と娘が創り出す色に笑いと涙で溢れた」「あの悪ガキ２人ならイケるだろって感じの〆が最高」と続々と感想が寄せられ、ポップな映像表現や、親子が不器用ながらも歩み寄る姿が愛おしいと話題の本作。12年ぶりに再会した、どこかで欠けているけど、ぎこちなくて愛おしい娘と父の姿を映し出す『SCRAPPER／スクラッパー』を、ぜひスクリーンでお楽しみいただきたい！
