5月22日に東京国際フォーラムにて開催された「第33回日本映画批評家大賞」授賞式が開催されました。
日本映画の発展を目的として創設され、映画のプロによる厳密な審査が行われる「日本映画批評家大賞」は、今年で第33回を迎えました。映画『Winny』(2023年)で主演男優賞を受賞した東出昌大は、受賞の喜びを次のように語りました。「本日はこのような映画賞を頂き、大変嬉しく思います」と述べました。彼は22歳で初めて映画の現場を経験したことを振り返り、「それから14年が経ちましたが、ずっと“演じる”や“お芝居”とは何かを考え続けており、その問いは今も消えません」と打ち明けました。そして、映画において必要なものは「地道な準備」であると強調しました。
東出は、役者としての持続可能性について日々考え続けているが、明確な答えは見つからないと語りました。「これさえやればいい芝居ができるという方程式はなく、準備以外には根拠のない自信しか持ち合わせていません」と述べました。また、根拠のない自信が過信につながる危険性にも触れ、「芸能人としての地位に安住し驕りが生まれると、市井の人々を演じることはできません」と持論を展開しました。
さらに、「日々、根拠のない自信を持ちつつも、地道な準備を怠らず、良い映画の現場に戻ってこられるように努力したい」と抱負を述べました。
「第33回日本映画批評家大賞」受賞者一覧
作品賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)
監督賞:荻上直子監督『波紋』
主演男優賞:東出昌大『Winny』
主演女優賞:筒井真理子『波紋』
助演男優賞:磯村勇斗『月』
助演女優:新垣結衣『正欲』
ドキュメンタリー賞:『ライフ・イズ・クライミング!』(中原想吉監督)
アニメーション作品賞:映画『窓ぎわのトットちゃん』(八鍬新之介監督)
新人監督賞:金子由里奈監督『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』、工藤将亮監督『遠いところ』
新人男優賞(南俊子賞):アフロ『さよなら ほやマン』、黒崎煌代『さよなら ほやマン』
新人女優賞(小森和子賞):花瀬琴音『遠いところ』
脚本賞:上田誠『リバー、流れないでよ』
編集賞(浦岡敬一賞):今井大介『#マンホール』
撮影賞:芦澤明子『スイート・マイホーム』
松永文庫賞(特別賞):八丁座
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):木野花『バカ塗りの娘』
ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):小林薫『バカ塗りの娘』