ごみ屋敷を舞台にした断捨離・人情喜劇『断捨離パラダイス』の完成披露試写会が新宿武蔵野館で行われ、キャストの篠田 諒、北山雅康、泉谷しげる、武藤十夢とメガホンを取った萱野孝之監督が登壇し、クロストークが繰り広げられました。
本作は福岡を舞台に撮影され、福岡出身の監督や撮影スタッフが中心となって製作されました。ゴミ屋敷を掃除する清掃業者たちの物語であり、6つのエピソードが織り成すストーリーが魅力となっています。掃除の依頼主たちが抱えるさまざまな事情や人間模様が見どころです。
篠田は、ピアニストへの夢を諦めてゴミ清掃会社「断捨離パラダイス」で働く白高律稀役を演じました。1500人のオーディションの中から選ばれた彼は、「監督とは本読みの段階から意気投合し、スムーズに役を演じることができました」と真摯な姿勢を語りました。萱野監督の細かなこだわりにより、テイク数が増える中でも彼は頑張り続けたとのことです。
ゴミ清掃業者の風変わりな社長役を演じる北山は、「心の奥に抱えたものを捨てることで……」と観客にメッセージを送り、笑顔で「もし楽しんでいただけたら笑ってください」と語りました。彼らが実際に清掃しているものは一体何なのか、彼は不器用なキャラクターを熱演しました。
福岡での1ヶ月に及ぶロケでの楽しみは食事でした。北山は福岡在住のスタッフから美味しい店のオススメを聞き出し、「一軒ずつ制覇しました」と嬉しそうに話しました。特に注目すべきは、劇中で北山がゴミの山に穴に落ちるシーンです。泉谷は福岡のロケ地について「福岡にはそんなにゴミ屋敷はありませんよ」と話しました。劇中に登場する大量のゴミは、スタッフが丁寧に洗って積み上げ、全く臭わない状態になっていたそうです。ゴミの山が崩れるたびにスタッフが再び積み直したとのことです。泉谷はスタッフの努力に感謝しています。
本作のプロデューサーであり、一人でゴミ屋敷に住む青原明日華役を演じる中村祐美子は、「自分らしく生きるとは何か？」と問いかけ、鮮やかな演技を披露しています。
ゴミ屋敷を題材に、なぜか「捨てられない」人々の生態をリアルかつコミカルに描き出す萱野監督の演出に注目です。この映画は、捨てなければ手に入らない貴重なものがあることを教えてくれます。監督自身もお気に入りのシーンがあるそうで、「最後の方に登場するので、最後までご覧いただければと思います！」と語っています。ぜひ劇場でそのシーンを確認してください。人間味あふれる温かい映画が完成しました。観終わった後、幸せな気持ちになれる作品です。
