◆日時:5月3日(金)
◆会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ
◆登壇者:清原果耶、シュー・グァンハン、藤井道人監督
本作では、18年前に台湾で出会った高校生ジミーとバックパッカー・アミの、国境と時を超えた初恋が描かれる。ジミーをシュー・グァンハン、アミを清原が演じ、ジミーと電車で出会うバックパッカーの青年・幸次に道枝、ランタン祭りにジミーを案内するネットカフェ店員・由紀子に黒木が扮した。
初めての国際プロジェクトに挑戦した藤井は、日本以外の国からも様々な反響が寄せられていることに感謝し、「大人になると、忘れてしまうものがあるんですよね。そんな人生でいいのかな、と思うこともあります。でも、自分を肯定して、明日も頑張っていけることを願っています。世界中の人が同じような感情を持っていることに気づかせてもらえたことが、観客の皆さんに伝わればいいなと思います」と感想を述べました。
この映画は2人にとって挑戦的なものでした。シューは、「最初、藤井監督から『君の日本語のセリフは少しだけだよ』と言われて安心しましたが、脚本を見てびっくりしました。そんなに少なくない……。でも、仕方ないですよね。時間をかけて練習しました。日本の素晴らしい俳優の皆さんに迷惑をかけてはいけないので、やれるところまで一生懸命頑張りました」と述べました。藤井監督は「(日本語が)多いと言ったら出てくれないと思ったので、最初は少なめに言いました」と話し、会場の笑いを誘いました。
キャスト陣は、本作で印象に残ったシーンを振り返っていきます。シュー・グァンハンは、台湾の夜市のシーンを挙げ、「初めてのバイクの二人乗りでした。果耶さんはバイクに乗るのが初めてらしく、走ってい る時に心配そうだったのが印象的」と撮影を振り返ると
清原は「どこをつかんでいいのかわからず、出発したらお尻が浮いてしまって…。グァンハンさんに『それじゃだめだよ』と教えてもらいました」と苦笑いします。一方、清原は「ジミーとアミがランタンを上げる前に手をつなぐ場面は、この作品の尊さが詰まっていると感じます」としみじみと語りました。
道枝は、実際に運行中の電車での撮影について、「これまでにない経験でした」と振り返ります。
グァンハンは「電車で一緒に撮影をして、その後に別れのシーンがあって。そこで『バイバーイ』って言ったら、なんと道枝さんは本当に帰ってしまったんですね」と語りました。「我々はまだ引き続き出演をしなければならなかったんですけど、そのシーンはドキュメンタリー映画に出演しているような気がしました」と振り返ると、道枝は「『また!』って言って、ジミーさんが次のシーンの撮影に行く電車を見送って手を振っていたので、お別れの気持ちになって寂しかったです」とコメントしました。
また、道枝自身も電車のシーンが印象に残っているそうで、「限られた時間の中で撮影をしていくことがあまり体験したことがなかったですし、雪景色がすごくて。トンネルを抜けてパッと雪原が広がっていて目に焼きついていますね」と撮影の思い出を告白しました。トンネルを抜ける撮影タイミングは3回あったそうで、「もう少しでトンネルを抜けそうだなというタイミングで『3、2、1』って感覚でやっていました。それでバッチリタイミングがハマってくれたのでよかったなと思います」と語りました。このコメントに対し、藤井監督は「アーティストとしての活躍もしてるから。3の3で全部うまくいったからよかったです」と褒め称えました。
その後、黒木から「ジミーがアミを映画に誘うシーンでのはにかみは、まさに恋する18歳の男の子の表情でした。そこから成長していく演技が素晴らしかったです」と賞賛されたシュー・グァンハンは、「うれしいです!」と笑顔で返しました。
黒木は、シューが日本語を必死に学んだことに感心し、「日本語が本当にお上手でびっくりしました!」と称賛しました。一方、中国語を教わったという道枝は、「ようこそ!」という意味の『欢迎(ファンイン)』という中国語を披露しました。その後、シューは日本語で「上手!」と褒め返しました。
最後に、主演の清原は、「完成した作品を観た時に、人生とは長い旅だと励まされた気がしました。過ぎたことや忘れたくなかったことや人や感じた気持ちとか経験を大切に包んで肯定してくれるような優しい作品です。観てくれた方々の明日が穏やかに流れることを祈っています」と述べました。同様に、主演のシューは、「素晴らしい日本の俳優の皆さんや監督と一緒に仕事をすることができたことを光栄に思います。この映画には大人の魂が宿っており、大人のラブストーリーでもあります。映画をご覧になってこの気持ち、大人の魂を持ち帰っていただき、沢山の方々にお伝えください。また映画館に足を運んでください」と観客に呼びかけました。
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