幼い頃に自分と母を捨てた父(藤竜也)が警察に捕まった報せを受け、久しぶりに父のもとを訪ねた卓(森山未來)。ところが、父は認知症で別人のように変わり果て、父の再婚相手の義母(原日出子)は行方不明に。いったい何が起こったのか──。
監督を務めた近浦啓は、長編デビュー作『コンプリシティ/優しい共犯』(18年)がトロント、ベルリン、釜山など名だたる国際映画祭で上映され、本作が長編2作目。『誰も知らない』『海よりもまだ深く』など多くの是枝裕和作品を支えた山崎裕が『コンプリシティ/優しい共犯』に続き撮影を担当し、全編35mmフィルムで撮影。サウンドミックス・デザインを、『ドライブ・マイ・カー』などの野村みき・大保達哉のユニットP.A.T Worksが担当し、音楽には、初めて長編映画の劇伴を手掛ける新進気鋭の作曲家・糸山晃司。
『大いなる不在』は2023年9月に第48回トロント国際映画祭のプラットフォーム・コンペティション部門にてワールドプレミアを飾り、第71回サン・セバスティアン国際映画祭では同映画祭史上日本人初となるシルバー・シェル賞(俳優賞)を藤竜也が受賞したほか、サン・セバスティアンの文化財団「アテネオ・ギプスコアノ」が独自の視点で選ぶ最も卓越した作品に与えられる賞であるアテネオ・ギプスコアノ賞も獲得。
さらにこの度、コンペティション部門に選出された第67回サンフランシスコ国際映画祭の受賞結果が日本時間5月1日(水)に発表され、最高賞にあたるグローバル・ビジョンアワードを見事受賞。以下、コメントが到着しています。
近浦啓(監督)
歴史あるサンフランシスコ国際映画祭のコンペティションでグランプリを受賞したこと、大変嬉しく思います。ひとえにこの作品を信じて旅路を共にしてくれたキャスト・スタッフ・関係者、皆の真心の賜物です。そして各国を巡った「大いなる不在」の日本公開がいよいよ決まり、1人でも多くの人にこの映画を届けることへの決意を新たにしました。
『大いなる不在』(英題:Great Absence)
卓(森山未來)は、ある日、小さい頃に自分と母を捨てた父(藤竜也)が警察に捕まったという連絡を受ける。妻(真木よう子)と共に久々に九州の父の元を訪ねると、父は認知症で別人のようであり、父が再婚した義理の母(原日出子)は行方不明になっていた。卓は、父と義母の生活を調べ始めるが──。
出演:森山未來、真木よう子、原日出子、藤竜也
2023年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/133分
日本公開:2024年 7月12日(金)テアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
配給:ギャガ
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