展覧会「ゴッホと静物画─伝統から革新へ」が、東京・新宿のSOMPO美術館にて、2023年10月17日(火)から2024年1月21日(日)まで開催される。
展覧会「ゴッホと静物画─伝統から革新へ」では、19世紀後半のオランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホが生み出した《ひまわり》や《糸杉》といった広く親しまれる絵画に焦点を当てています。この展覧会では、静物画家としてのファン・ゴッホの作品を探求し、17世紀オランダで静物画が絵画のジャンルとして確立された時から、20世紀初頭に絵画表現が新しい展開を示した時までのヨーロッパの静物画の流れの中でゴッホの位置付けや展開を解き明かします。
フィンセント・ファン・ゴッホは短い37年の生涯の中で、およそ850点の油彩画を描きました。その中には約170点の静物画が含まれています。本展では、これらの作品の中から代表作である《ひまわり》や《アイリス》をはじめ、初期から晩年に至る静物画を展示します。ファン・ゴッホの静物画家としての軌跡を辿ることができます。
静物画がヨーロッパの絵画史においていち分野として確立したのは、17世紀のことです。その主題は、富の豊かさを示す工芸品や色鮮やかな花だけでなく、「ヴァニタス」として人の生の儚さを示す砂時計や頭蓋骨なども含まれます。本展では、ファン・ゴッホの《髑髏》などと共に、ピーテル・クラースの《ヴァニタス》などの静物画も展示されます。こうした作品を通じて、ファン・ゴッホの絵画表現が生まれることとなる絵画の伝統にも目を向けることができます。
本展では、静物画の中でも特に人気の高かった主題である「花」を描いた作品が多数展示されます。ファン・ゴッホがパリ滞在時期に集中的に取り組んだ《赤と白の花をいけた花瓶》だけでなく、アドルフ=ジョゼフ・モンティセリの《花瓶の花》など、17世紀から19世紀にかけての花を描いた作品も楽しむことができます。
19世紀終盤から20世紀初頭にかけて、絵画の表現は大きな転機を迎えました。印象派が見たものを絵画の中で再現するという考え方でピークを迎えた後、このアプローチは衰退しました。代わりに、色や形といった絵画の要素に着目し、2次元的な画面内に独自の表現を構成するようになりました。本展では、フィンセント・ファン・ゴッホとともにポスト印象派と呼ばれたポール・ゴーガンやポール・セザンヌらの静物画を紹介し、後世の画家へのファン・ゴッホの影響を探る機会となっています。
【ギャラリー】
【展覧会概要】
展覧会「ゴッホと静物画─伝統から革新へ」
会期:2023年10月17日(火)〜2024年1月21日(日)
※当初、2020年10月6日(火)から12月27日(日)までの会期を予定していたものの、中止となった
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
開館時間:10:00〜18:00
※11月17日(金)および12月8日(金)は20:00まで
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(1月8日(月・祝)は開館)、年末年始(12月28日(木)〜1月3日(水))
観覧料:一般 2,000円(1,800円)、大学生 1,300円(1,100円)、高校生以下 無料
※( )内は前売料金(前売券は、8月16日(水)より、公式電子チケット「アソビュー」、ローソンチケット、e+(イープラス)、チケットぴあほかにて発売)
※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の提示者本人および介助者1名は無料、被爆者健康手帳の提示者本人は無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)