チネチッタ撮影所での新作撮影を目前に控えているイタリアの映画監督ジャンニ。頭の中は新しい映画のアイディアでいっぱいで、プロデューサーの妻は40年いつも傍にいて映画を制作してきました。ところが、順調だと思っていたのはジャンニのみ!女優はカサヴェテスを持ち出し演出に口出し、あろうことか政治映画をラブストーリーだと言い出す始末。若い俳優のトンチンカンな発言にはあきれ果て、娘が紹介してくれたボーイフレンドは自分ほどの年齢の男性。あらゆることに腹がたち戸惑うばかりなのに誰にも理解されず、一人帰宅し目覚めると、妻に別れを告げられてしまうジャンニ。さらに仏のプロデューサーは詐欺師とわかり、資金が枯渇し、撮影は中断することに──。
「映画には、私たちに明るさと幸せになりたいという気持ちを再発見させる魔法の力がある。どんなことがあっても」とメッセージを寄せるナンニ・モレッティ監督の最新作は、時代の変化についていけずに痛い目にあった映画監督が、失意の後に大切なことに気づくヒューマンドラマ。フェリーニやキシェロフスキ、スコセッシなど映画へのオマージュを交えながら、ところどころに自身の過去作品を引用し、変化の激しい世界に適応することの難しさをユーモラスに描きながらも、より良い未来を夢見ることを忘れないという温かなメッセージを込めています。
カンヌ・ヴェベチア・ベルリンの三大映画祭を制し、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に8作品連続選出されているモレッティ自身が製作・脚本・出演も兼ね、共演にはモレッティ作品の常連マルゲリータ・ブイや、俳優であり監督のマチュー・アマルリックらが名を連ねています。
「ナンニ・モレッティの最高傑作のひとつ」(Le Figaro)、「楽しいナンニ・モレッティが帰ってきた」(il Giornale)など、終始笑えるコメディ作品でありながらも、人生を肯定し生きる元気を与えてくれると評判を呼び、イタリアで大ヒットを記録。先日発表されたダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では、作品賞、監督賞、脚本賞を含む主要7部門でノミネートされています。
『チネチッタで会いましょう』(原題:Il sol dell’avvenire)
監督:ナンニ・モレッティ
脚本:フランチェスカ・マルチャーノ、ナンニ・モレッティ、フェデリカ・ポントレモーリ、ヴァリア・サンテッラ
音楽:フランコ・ピエルサンティ
撮影:ミケーレ・ダッタナージオ
出演:ナンニ・モレッティ、マルゲリータ・ブイ、シルヴィオ・オルランド、バルボラ・ボブローヴァ、マチュー・アマルリック
2023年/イタリア・フランス/96分/ビスタサイズ/日本語字幕:関口英子/英題:A Brighter Tomorrow
日本公開:2024年11月22日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
配給:チャイルド・フィルム
後援:イタリア大使館
特別協力:イタリア文化会館
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