映画『室町無頼』の製作発表会見が2月10日(日)に都内で行われ、大泉洋、長尾謙杜、松本若菜、北村一輝、柄本明、堤真一、入江悠監督が登壇した。
新時代の時代劇エンタテインメント『室町無頼』は、垣根涼介による同名の小説が原作となっています。歴史にはほとんど残されていないが、この物語は実在した「無頼」たちが、腐敗した政治や社会を打破しようと命がけで戦った姿を描いています。製作発表会見は建国記念日の2月11日に開催されました。
主演の大泉洋を含む7人のキャストと監督・脚本の入江悠が登壇しました。昨年に撮影が行われ、殺陣の稽古も行われました。大泉洋はコメディー作品で知られていますが、今回は「大泉洋史上最高にカッコいい男」を演じきりました。「タイトルや脚本を見てもワクワクするし、痛快な内容でありながら、室町時代だけでなく、現代にも通じるテーマが詰まっています。近年、このようなスケールで撮影された映画は珍しいです。この作品には、時代を変えようとする人物たちの姿が描かれており、明日から行動を起こしたくなるような映画だと思います」とコメントしました。
会見の冒頭では、大泉が手にした掛け軸によってタイトルが発表されました。
MCから大泉さんへ脚本を読んだ際の感想/演じ役柄について
大泉は「非常に痛快で、室町時代ですけどどの時代も同じと言えば同じな気がして」と述べ、「どこかに閉塞感を感じたり、政治に違和感を覚えたりという時代でもある中で、現代にも通じる。だから読み終わった後の痛快さは大きかった」と振り返りました。一方で、「読んでいくにつけて『どうやって撮るんですか?』と。スケールがでかいので」と明かしました。
MCから大規模な撮影が続いたと思います。現場で印象に残ったことは?
一揆のシーンでは、大泉は「当時と同じくらいの数」と多くのエキストラが参加したといい、「カットが聞こえない」というほどだったと述べました。堤も、「叫んでいるけど、一揆起こしている人たちもワーワー言っているから」と共感し、「(経験したことが)ない」ほどのスケールでの撮影だったと語りました。そのイメージについて、入江監督は「手探りでやっているうちに『マッドマックス』にたどり着いた」と笑いを誘いました。また、大泉は「お互い聞こえないから勘でしゃべる。読唇術で」と苦労を語りました。
本作では、大泉演じる蓮田兵衛と出会うことで、棒術を身につける才蔵を演じる長尾は「新しいことに挑戦しました。人としても成長できた映画だと感じています」と振り返り、初日の撮影で爆発が起こるシーンだったと述べました。「感じたことがないくらいの大爆発で、ここまでやるかと。撮影が楽しみになった一日でした」と語りました。
柄本もアクションシーンもあるとし、「練習しましたよ。練習好きなんです」と明かしました。大泉はこれに対し、「ビックリしました」と称賛しました。
松本は「爆発とか殺陣はなかったんですけど、監督は今回、風にこだわっていらっしゃったので、木々が揺れる音とか。そういうこだわりが大きなスケールに繋がっているので早く完成した作品を観たいですね」と感想。ただ巨大な扇風機に吹かれたようで「本当に聞こえないんですよ」と笑った。
映画では2回目の共演となる大泉洋の座長ぶりを「その時も座長として誰に対しても変わらず大泉洋さんなんですよ」と称えるも大泉から「そりゃそうですよ。大泉ですから。人によってマイケル・ジャクソンになるとかないですから」と返えされニッコリ。「気遣いの方なんですけど、その気遣いを気付かせない方だなって。心で助けてもらってました」と改めて絶賛した。
北村も「規模が大きすぎて『おはよう』って言いたくても、遠くにいるから挨拶も聞こえなくてね。皆さんすごい寒い日もぼろ雑巾みたいな衣装で。皆さんヒーローなのにボロボロで。僕は風も当たらない環境でしたが、本当に映画って大変だなって思ってました。あまりのスケールの大きさに自分のパートしか把握できてなかったね」と同意する。
MCから殺陣やアクションシーンの撮影はいかがでしょうか?
当初から本格的なアクションシーンを撮る予定だった大泉は、昨年の夏は殺陣のけいこに励んでいたそうで。「私も50歳ですから、久々に殺陣もやるんで、1から教えて下さいとアクション監督にいって、ただ体育会系の方で、初日に木刀を100回振ることになり大怪我しそうだったので「100本辞めてください」ってじわじわ減らしましたよ アクションチームが 最初イン(撮影開始)が木刀を100回振り終わった後にアクションチームら泣いてましたよ「いや、感動したな!大泉さん頑張ってくれました」ってと練習の大変さ振り返る大泉ですが、
堤は「(自身は)台本上は大した殺陣はなかったんです。(大泉)洋ちゃんは練習していたんですけど、僕は撮影所に入って、『洋ちゃんとの一騎打ちを…』と、馬を降りて戦えとなり。腰が痛くて、撮影日以外は接骨院に行くかマッサージに行って、京都でえらい散財しました」と笑いを誘いました。
堤は、兵衛のかつての悪友で幕府軍を率いる骨皮道賢を演じる。”髑髏の刀”を手に一党を動かす重要人物だが、堤は「伏見稲荷神社を拠点に活動した人で、資料はあまりないので、伏見稲荷神社に行って道賢の痕跡があるか調べたけど、何もなくて。社務所に聞いたら『誰ですか、それ』と言われた」と述べました。「実際にいた方を演じるのは責任がある。想像力をかきたてなきゃいけない」と役作りを振り返りました。
さらに、堤は「台本上は大した殺陣がなかったんです。大将なので馬に乗っていればよかったのに『降りて戦え』と」と急きょアクションシーンに挑むことになりました。堤は「今年、還暦ですよ?痛くて、痛くて」と腰を抑え、「撮影日以外は接骨院かマッサージ。(撮影所のある)京都でえらい散財しました」と当時のことを打ち明けました。
入江悠監督が「堤さんが着ている鎖帷子(くさりかたびら)は、本物の鉄で作っちゃったんですよ」と、さらなる負荷がかかっていたことを打ち明けると、大泉は「正直、本物か偽物か分からない」と。堤は「俺の苦労はなんなんだよ」と脱力していました。
「初めてのアクションだったので驚きが大きかった」という長尾は「マネージャーさんから話をいただいたときに、刀を振る時代劇なのかと思ったら棒という。練習してみると棒が難しくて、長くて使いづらかったんですけど、練習を重ねるうちにちょっとずつ触れるようになって」と明かした。大泉については「座長としての雰囲気の作り方とか、ご飯を連れて行っていただいて、楽しく撮影させていただきました」と語った。
一方で大泉は「長尾くんのアクションは本当にすごい。この映画はほとんど長尾くんの成長の物語なんです。兵衛がどうのとか言っていますけど、長尾くんの映画ですよ」と話す大泉は「途中からだんだんと腹が立ってきてね。長尾くんの映画じゃないかと。どんどんカッコよくなっていく。棒術もすごいし、ずっとふんどし」と笑いを誘った。
また、大泉演じる蓮田兵衛とは腐れ縁で、幕府から京の治安維持と取り締まりを任される悪党一味の首領・骨皮道賢を演じた堤との共演について、大泉は「悪友同士という役ができる日が来るとは思っていなかったので光栄でした」と明かし、「堤真一と戦ってるよ、と。
本作では“大泉洋史上最高にカッコいい男”と謳われているが「私はカッコいい役というのは(演じることが)ないので、すぐにそうなっちゃう。だいたいカッコ悪いので」と笑いを誘いつつ、本作で自身が演じる蓮田兵衛については「一見ダメなやつに見えて実はものすごく信念を持っていて時代を変えようとしていく。仲間を守って、絶対に立ち向かえない敵に立ち向かっていく」といい「今後は蓮田兵衛を演じていきたい。名前も蓮田兵衛にしたい。蓮田兵衛以外はやりたくない。歌手か蓮田兵衛(の二択)」と答え、会場笑いに包まれた。
最後に大泉は「近年ここまでのスケールで撮られている映画はないと思います。描かれている人々が必死に時代を生きて時代を変えようとした人物ばかりです。どの人物たちもカッコよくて美しくて、今の時代に通じる映画だと思います。何か自分でも明日からアクションを起こしたくなるような映画です」と場を締めくくりました。
2025年1月17日(金)公開
【無法な行いをする者。またはその行為】を意味する「無頼」。
歴史に残された資料は少ないが、「無頼」たちは確かに実在し、腐りきった政治と世の中を叩き直そうと、命がけの戦いに挑み、自らの力で時代を切り拓いた彼らを描いたアクション・エンタテインメントとなっている。
これまで日本映画史に残る数多くの名作を世に贈り出してきた東映株式会社。昨年公開の映画『レジェンド&バタフライ』は織田信長と正室・濃姫の激動の人生を壮大なスケールで描き切り、日本中の話題を攫ったことも記憶に新しい。そして、2月11日(日・祝)の建国記念日に同社が新たにエンタメ全開のアクション巨編を始動させる。本作は、垣根涼介氏の『室町無頼』(新潮文庫刊)が原作。
【無法な行いをする者。またはその行為】を意味する「無頼」。歴史に残された資料は少ないが、「無頼」たちは確かに実在し、腐りきった政治と世の中を叩き直そうと、命がけの戦いに挑み、自らの力で時代を切り拓いた彼らを描いたアクション・エンタテインメントとなっている。
そんな本作で主演と務める大泉 洋が演じるのは、己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぎ、密かに倒幕と世直しの野望を抱く無頼漢で剣の達人・蓮田兵衛(はすだ ひょうえ)。共演の堤 真一が演じるのは、幕府から京の治安維持と取り締まりを任される悪党一味の首領で兵衛とは腐れ縁でもある骨川道賢(ほねかわ どうけん)。長尾謙杜が演じるのは、天涯孤独の身で、自己流の棒術で生計を立てた極貧生活を送るも兵衛に出会い行動を共にする才蔵(さいぞう)。北村一輝が演じるのは、困窮している民を横目に贅沢な暮らしを送る有力大名の名和好臣(なわ よしおみ)。柄本 明が演じるのは、一見ヨボヨボだが、棒術の達人で兵衛と才蔵の師匠の唐崎(からさき)の老人。そして、松本若菜が演じるのは、かつては道賢、今は兵衛の想い人である高級遊女の芳王子(ほおうじ)。
物語・・・ 1461年、応仁の乱前夜の京(みやこ)。大飢饉と疫病が同時にこの国を襲った。 加茂川ベリにはたった二ヶ月で八万を超える死体が積まれ、人身売買、奴隷労働が横行する中世の暗黒時代(ダークエイジ)。しかし、時の権力者は無能で享楽の日々を過ごすばかり。貨幣経済が進み、富める者はより一層富み、かつてない格差社会となっていた。 蓮田兵衛は、己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぐ自由人。しかし、ひそかに倒幕と世直しを画策する無頼漢。京とその周辺の悲惨な状況と窮民を見た兵衛は、立ち上がる時を狙っていた…! 一方、才蔵はすさまじい武術の才能を秘めながらも天涯孤独で夢も希望もない日々を送っていた。しかし、兵衛に見出され、鍛えられ、彼の手下となる。 やがて、決死の修行を生き延びた才蔵の武器となるのは、“六尺棒”。修行を終えた時、超人的な棒術を身につけた才蔵の前に敵は無い 。 時は来た 才蔵だけでなく、抜刀(後の居合)術の達人、槍使い、金棒の怪力男、洋弓の朝鮮娘ら、個性たっぷりのアウトローたちを束ねる兵衛。ついに巨大な権力に向けて空前の大暴動を仕掛ける。行く手を阻むのは、兵衛のかつての悪友・骨皮道賢率いる幕府軍。“髑髏の刀”を手に一党を動かす道賢を前に、兵衛は命を賭けた戦いに挑む。 この世の地獄をぶち壊せ! 京(みやこ)を覆う紅蓮の炎の中から明日をつかめ!! |
『室町無頼』作品情報
公開日 | 2025年1月17日(金)公開 |
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監督・脚本 | 入江悠 |
原作 | 垣根涼介『室町無頼』(新潮文庫刊) |
キャスト | 大泉 洋 長尾謙杜 松本若菜 遠藤雄弥 前野朋哉 阿見 201 般若 武田梨奈 水澤紳吾 岩永丞威 吉本実憂 土平ドンペイ 稲荷卓央 芹澤興人 中村 蒼 矢島健一 三宅弘城 柄本 明 北村一輝 堤 真一 |
配給 | 東映 |
制作国 | 日本 |
公式サイト |
©2025『室町無頼』製作委員会