映画

『一月の声に歓びを刻め』公開記念舞台挨拶

『一月の声に歓びを刻め』公開記念舞台挨拶
日時:2月10日(土)
会場:テアトル新宿
登壇:前田敦子、カルーセル麻紀、哀川翔、原田龍二、片岡礼子、松本妃代、三島有紀子監督

三島有紀⼦監督自身に起こった経験にインスパイアされた映画『⼀⽉の声に歓びを刻め』がついに全国公開! 2月10日には都内映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、前⽥敦⼦、カルーセル⿇紀、哀川 翔、⽚岡礼⼦、原⽥⿓⼆、松本妃代、三島有紀⼦監督が参加した。

自主制作スタイルで本作を生み出し完成させた三島監督は、久々に集結したキャストや満席の客席を見まわして感極まってウルウル。「このメンバーの顔を見ると感極まってしまいす。この映画は47年前のある事件からスタートしていて、それから映画の力を信じてここまで生きてきて、映画を愛して映画監督になって映画を作ってまいりました。映画を愛している皆さんと映画を信じてくださっているお客様とこの日を迎えられて本当に幸せです」と感謝を述べた。

前田は撮影を振り返り「三島監督しか見えない状態での濃ゆい時間を経て、とうとうこの日が来たのかと。三島監督が安心してる顔を見て、私たちも安心することができました」と無事の封切りに嬉しそう。三島監督が「前田さんとは当然肉体は別々なのに、撮影中は一つになって呼吸も合っていくような感覚でキャメラの横にいました」と感慨を述べると、前田も「私も気づいたら三島監督と呼吸を合わせていたような、不思議な感覚を味わいました」と共感していた。

撮影時は‐20度の寒波&大雪で「洞爺湖は地獄」だと思ったというカルーセルだが、過日行われた洞爺湖町での舞台挨拶では「天気はピーカンで雪も降らず、景色も綺麗。監督が買って来てくれたパンも美味しくて2つも食べちゃった」と印象激変。洞爺湖町に住む出演者・坂東⿓汰の家族とも初対面したそうで「お父さんが緊張でガチガチになりながら『子どものころから⿇紀さんを見ています!』と言ってくれて嬉しかった」と喜んでいた。

カルーセルとの念願の初共演に片岡は「このタイミングで会えるのかと嬉しかった」と喜ぶと、三島監督は「お二人はもう相思相愛。ただ物語の設定上、2人は複雑な関係だったので本当は仲良くしてほしくなかった」と苦笑い。これにカルーセルは「撮影中に二人でぺちゃくちゃしゃべっていたら、三島監督から『静かに!』と怒られた」と舌を出しいてた。

一方、“自然とマナー。八丈島大使”である哀川は八丈島ロケについて「よく知っている場所であるからこそ、地元感も出るのかなと。すれ違う人も知り合いだったりするので、芝居以外にも醸し出せるものがあると思った」とゆかりの地でのロケに手応え。八丈島の温泉大使である原田は「八丈島は遊びに行くところですから、久々に仕事をした」と笑って「八丈島には7ヵ所も温泉があります。皆さん、ぜひ八丈島へ!」とPR。そんな二人に囲まれた松本は「お二人が八丈島の人になってくださったお陰で、私も芝居がしやすく助けられました」と感謝していた。

哀川には劇中で和太鼓を豪快に叩くシーンがあるが、これに原田は「翔さんが太鼓を叩くと何故か牛が集まって来る。あれはどういうことですか?」と天然質問。哀川は「それは牛が単に音に反応するだけ! 俺が叩いたからというわけではない! どうしてそんな真面目な顔して変なことを言うの!?」とツッコんで場内爆笑。さらに原田は「太鼓を叩いたのは一世風靡セピア以来ですか?」と聞いて、哀川から「確かにそうですね、あんなに練習したのはセピア以来ですね」とプチ情報を引き出していた。

カルーセルも哀川の役どころに触れて「鉄パイプを持って翔君が暴れるのかと思ったら、全然そんなシーンがなくて翔君らしくない」と言うと、哀川は「暴れるシーンがないというのは、自分にとって難しいこと。非現実的なものばかりをやっていると、今回のような現実的な芝居が難しくなる」と告白。劇中で哀川が手にする鉄パイプはかなりの重量があったそうで、原田は「翔さんが引きずると、普通の人が鉄パイプを引きずるのと音が違って怖い」と明かしてまた爆笑を誘っていた。

イタリアで4月24日から5月2日まで開催される「第26回ウディネ・ファーイースト映画祭」のコンペティション部門に本作が出品されることも決定。三島監督は「みんなで想いを込めて作った映画なのでみんなで現地に行きたい!」と期待しながら、「イタリアで観てくれる方々がどんな顔で何を受け取ってくれるのか見届けたいです」と現地の反応を期待していた。

最後に三島監督は「昨日公開を迎えて、この映画が私たちの手から離れて皆さんのもとに旅立ちました。誰だって傷みたいなものがあるかもしれません。人生は続くと自分も生きていて思うし、皆さんの横顔を見てもそう思います。また映画館で会いましょう!」と呼び掛けていた。

登壇者:前田敦子、カルーセル麻紀、哀川 翔、片岡礼子、原田龍二、松本妃代、三島有紀子監督

<ウディネ・ファーイースト映画祭>

ヨーロッパ最大のアジア映画祭として知られており、今年26回目を迎えます。開催地のウディネは、イタリア・ベネチアから1時間ほど山間部に位置しており、過去には生涯功労賞を受賞した北野武、ジャッキー・チェン、久石譲、大林宣彦監督などが名を連ねており、世界最大の映画祭・カンヌ国際映画祭直前の開催ということもあり、世界の主要な映画祭ディレクターや映画人が集まる、映画業界にとって注目度の高い映画祭である。現地時間4月24日から5月2日まで開催予定。『一月の声に歓びを刻め』はコンペティション部門に出品予定。

『一月の声に歓びを刻め』

『一月の声に歓びを刻め』 『一月の声に歓びを刻め』

物語・・・
北海道・洞爺湖。お正月を迎え、一人暮らしのマキの家に家族が集まった。マキが丁寧に作った御節料理を囲んだ一家団欒のひとときに、そこはかとなく喪失の気が漂う。マキはかつて次女のれいこを亡くしていたのだった。それ以降女性として生きてきた“父”のマキを、長女の美砂子は完全には受け入れていない。家族が帰り、静まり返ると、マキの忘れ難い過去の記憶が蘇りはじめる。
東京・八丈島。大昔に罪人が流されたという島に暮らす牛飼いの誠。妊娠した娘の海が、5年ぶりに帰省した。誠はかつて交通事故で妻を亡くしていた。海の結婚さえ知らずにいた誠は、何も話そうとしない海に心中穏やかでない。海のいない部屋に入った誠は、そこで手紙に同封された離婚届を発見してしまう。
大阪・堂島。ほんの数日前まで電話で話していた元恋人の葬儀に駆け付けるため、れいこは故郷を訪れた。茫然自失のまま歩いていると、橋から飛び降り自殺しようとする女性と出くわす。そのとき、「トト・モレッティ」というレンタル彼氏をしている男がれいこに声をかけてきた。過去のトラウマから誰にも触れることができなくなっていたれいこは、そんな自分を変えるため、その男と一晩過ごすことを決意する。
やがてそれぞれの声なき声が呼応し交錯していく。
『一月の声に歓びを刻め』

『一月の声に歓びを刻め』作品情報

公開日 2024年2月9日公開予定
キャスト 監督:三島有紀子
出演:前田敦子 カルーセル麻紀 哀川翔
配給 東京テアトル
制作国 日本
公式サイト https://ichikoe.com/

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(取材編集作成 酒井 修)

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