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Netflixラインナップ発表イベント「Next on Netflix 2024」

Netflixが2024年の配信タイトルを紹介するイベント「Next on Netflix 2024 」が2月8日、都内で開催された。鈴木亮平が主演を務める映画「シティーハンター」の配信日が4月25日に決定したことが発表され、場面写真も初公開。注目映画やリアリティーシリーズなどの新情報も発表されたほか、監督・脚本家・プロデューサーらが登壇し、トークを行った。

Netflix映画「シティーハンター」は4月25日(木)世界独占配信シティーハンター」は4月25日(木)世界独占配信 (C)北条司/コアミックス 1985

「Next on Netflix 2024」には、有村架純と坂口健太郎が主演を務めるシリーズ「さよならのつづき」(2024年世界独占配信)の脚本を手掛けた岡田惠和、賀来賢人が主演と原案を務めたシリーズ「忍びの家 House of Ninjas」(2月15日から世界独占配信)のデイブ・ボイル監督、綾野剛と豊川悦司が主演を務めるシリーズ「地面師たち」(2024年世界独占配信)の大根仁監督、企画開発中の新作恋愛リアリティーショーのプロデューサーとしてMEGUMIが登壇した。

「さよならのつづき」は、事故で恋人を失ったヒロインと、その恋人に命を救われた男の切なくも美しい奇跡を描くラブストーリー。岡田は「国内だけでなくより多くの人に見てもらえる場所で執筆するチャンスを現役のうちにもらえたことは、めちゃくちゃ嬉しかった。これまで頑張ってきたけど、それをゼロベースにして取り組んでみました」と振り返る。本作について「自信あります」と胸を張っていた。
Netflixシリーズ「さよならのつづき」は2024年に世界独占配信Netflixシリーズ「さよならのつづき」は2024年に世界独占配信

MEGUMIはNetflixで配信される2つの番組に携わっているそうで、そのうちの1つには自身がMCとして出演する。もう1つは、ヤンキーの恋愛リアリティーショーの実現を目指して開発中だという。

イベントではそのほか、ゆりやんレトリィバァがダンプ松本を演じるシリーズ「極悪女王」(2024年世界独占配信)から、ゆりあんのビジュアルが初公開。35歳から60歳の男女が対象のリアリティーシリーズ「あいの里」シーズン2は2024年配信、コメディシリーズ「トークサバイバー! トークが面白いと生き残れるドラマ シーズン3」の制作決定などが発表された。

Netflixシリーズ「極悪女王」は2024年に世界独占配信Netflixシリーズ「極悪女王」は2024年に世界独占配信
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ラインナップ紹介に続いて、トークパネルが実施された。

トークパネル①

最初は、<THE NEXT ORIGINAL STORY>をテーマにした<Writer’s Panal>を開催。パネルには、Netflixシリーズ「さよならのつづき」の脚本を務めた岡田惠和が登壇し、進行をNetflixクリエイティブ・チーム シリーズ担当の岡野真紀子が務めた。岡野からまず数々の名作を世に送り出し、日本の連続ドラマの歴史を築き上げてきた岡田がNetflixに期待することやNetflixの存在について聞かれると、「こうやって多くの人に見てもらえる場所があることが嬉しい。これまでも頑張ってきたけど一旦ゼロ・ベースにして取り組みました。自分が当たり前に思ってきたものがあまり無くて新しい風が吹いてるのを感じた」と回答。続いて、Netflixでオリジナル・ストーリーの制作について岡野が「私の父が倒れて、父の主治医の方から臓器移植による記憶の定着という医学的には全く説明ができない現象で、強烈な愛情や身につけた特技などが臓器に残ることがあるんです。というお話を伺って、強烈に誰かを愛した記憶が臓器に残っていく。ということがすごく自分の中で響いて、その話を岡田さんにさせていただいたのがスタートでした」。それを受けて岡田は「その話を聞いてそれはラブ・ロマンスだね。という話をしてこのドラマの話がスタートしました」。Netflixでグローバルで行っている【バイブル・ワークショップ】に参加したことについて岡田は「本当に楽しかったです。自分が作ったストーリーを見てもらって感想を聞いたり、どう思うかを質問したりする機会があったんですけど、納得するところや発見や自信をくれたり同じクリエイター同士仲間になれた感じがして楽しかったです」とコメント、続けて「バイブルって、そこに大事なものがあるっていう意味だと思うんですね。迷ったらそこに答えがある。最初にしっかり物語を作ったので迷ったりやり直す時に、そこに立ちかえったりしながら作っていきました」と振り返る。そんな過程を経て作られた「さよならのつづき」について岡田は「ストレートで強くて美しいドラマになった予感があって、ものすごく手ごたえを感じています。新しいデビュー作だと思えるくらいに思っています。期待していただきたい」と自信を見せた。続けて岡野が岡田が提案したタイトル「さよならのつづき」について「私自身も父との別れがあって、皆もいろいろなさよならを経験していて、でもそこには続きがあって、素敵な物語があることが心の支えになるのでは」と本作への想いを語った。

トークパネル②

続いて、<THE NEXT VISION>というテーマで実施された<Director’s Panel>には、Netflixシリーズ「地面師たち」の監督を務めた大根 仁監督、Netflixシリーズ「忍びの家 House of Ninjas」の監督を務めたデイヴ・ボイル監督が登壇。進行はNetflixクリエイティブ・チーム ディレクター・の高橋信一が担当。まず最初に、各作品の制作経緯を聞かれると、大根監督は「地面師たち」について原作のファンだった大根自ら「 出版社に連絡して映像化の件はどうなってますか?と担当者に問い合わせて、愛のこもった企画書を送りました。とにかくこの作品は映像化すべきと思っていた作品でした」と明かした。ボイル監督は「忍びの家 House of Ninjas」について「賀来賢人さんがNetflixに持ち込んだ企画書を読んで、これはいつまでも作り続けられるストーリーだと思いました。忍者というワードは世界中の人がワクワクするキーワードですしぜひ参加したいと思いました」と当時を振り返った。続いて、各作品が目指すクリエイティブ・ビジョンや演出の狙いで特に意識したポイントについては、大根監督は「(本作の)詐欺事件は会議室のテーブルの上で行われる心理戦が主なので、その心理的なアクションをどう映像で表現するかという点はすごく意識しました」続けて「騙される側の内面にも興味があって、そこはあまり原作には描かれていないですが、自分なりにリサーチして騙す側、騙される側、それを追う警察側の視点を脚本として落とす時に一番意識しました」と回答、ボイル監督は「しっかり忍者として見せること。現代に忍者が紛れていたら?という部分のリアリティを追及した。 アクションも作り方によって、それぞれのキャラクターの本質が現れるアクションにこだわりました」と明かした。また、キャスティングについては、大根監督は主演の二人について「綾野 剛さんは元々オーラのある俳優さんだと思っていた。そこにキャリアを重ねて、喜怒哀楽の表現の先の心情や表情を演じられているなと感じていました。辻本は複雑なキャラクターなので、この役を演じられるのは綾野君しか居ないと思った。ハリソンは非常に新しいモンスター感がありつつインテリジェンスな面もあって、日本で演じられるのは豊川悦司さんしか居ないと思いリクエストしました」と明かし、一方、主演・原案を務めた賀来賢人さんについてボイル監督は「すごく好みも似てたし、初めて会った時も昔からの友達に会ってる感じでした。俳優としても素晴らしいし、ストーリー・テリングの才能もかなりあると感じました」と回答。日米の制作プロセスの違いについては「日本はすごく準備を大事にされていると感じた、話し合う機会がとても多かった」と語り「この体験をアメリカの現場にも持ち帰りたい」とリスペクトを見せた。最後に今作でのNetflixとの仕事を通じて得たことや、その先に思い描く展望について、大根監督は「監督や演出の自由度が高かった。制作環境も非常に気を使っていて現場、スタッフ重視ということがありがたかった。Netflixでしか出来ないようなものを、ぜひ今後も一緒に作っていきたいです」とコメントし、ボイル監督は「自由度に感動し、ユニークな部分を強調する作品作りが出来たことにとても感謝している。完全オリジナル・ストーリーを作る貴重な機会を頂いた。これからも世界を描く作品を作っていきたいと思いました」と回答し、今後の期待を明かした。

トークパネル③

最後に実施されたのが、<THE NEXT UPDATE>というテーマの<Producers Panel>。パネルには、Netflixと5年契約を結ぶBABELレーベルにプロデューサーとして所属し、俳優・タレントとして活躍される一方で、映像の企画・プロデュースも行っており、今回、満を持して、プロデューサーとしてNetflixの恋愛リアリシティ・ショーの開発を担当することになったMEGUMIが登場。Netflixクリエイティブ・チーム 恋愛リアリティ・ショーなどのバラエティ担当・太田 大が進行を担当。冒頭、MEGUMIは、「私自身リアリティ・ショーがすごい大好きで、友達と一緒に突っ込みながらでワイワイ言いながら見る、新しい価値観や世界観が大好きなので、そういったジャンルの作品に携わることが出来て嬉しいです」と挨拶し、進行の太田より、MEGUMIがNetflixで2つの新しい恋愛リアリティ・ショーに関わっていることが明かされた。1つ目はMCを務める新作で制作が進行中、2つ目は開発段階だが、MEGUMIがプロデューサーとして発案した企画。この2つ目がどんなものか聞かれると、MEGUMIは「私が元ヤンキーで……、ヤンキーと付き合ったこともたくさんあって、今の時代言ってはいけないことや、心を抑えながら生きていくっていうのがデフォルトになってきていると思いますが、自分がヤンキー時代の頃を思い出すと、心に忠実に好きだ!嫌いだ!って感情をストレートに表現していたなっていう側面と、仲間は絶対に守る。愛する女は一人だけ。仁義、人情みたいな部分がヤンキーにはあったな。日本人は元々そういう人種だったんじゃないかな?と思うところがあり……そういう方たちの声を今の時代に映し出すことで、なんとなく忘れていた私たちの日本人としてのマインドみたいなことを思い出していただきたい」と力を込めて紹介した。また、今回の恋愛リアリティ・ショーというジャンルでどういう物語を伝えたいか問われると、「ヤンキーはすごく感情的に生きていると思うので、人を許したり派閥だったり私たちの想像を超えたリアリティが届けられるのではと思います」と作品への期待を明かした。続いて、Netflixの存在、Netflixに期待することについては、「今の時代を映し出している場所。LGBTQやダイバーシティ、女性が社会に進出していくであったり、そういった感覚や概念って国によって全然違うと思うんですよ。そういった価値観をピッとボタンを押すだけでドラマ、映画、バラエティーを通して全部知れる。そこがNetflixの強さとフレッシュさとワクワクを感じられるんだと思います」と自身の考えを語り、「なので、ヤンキーしかないでしょ!とご提案をさせていただきました!」と続けて、「世界で活躍されている方は熱量があると思うんです。人って熱意に惹かれると思うんですけど、Netflixさんが今、世界的にも皆を惹きつけているのは熱量なんだと思います」とベタ褒め。「熱をもって時代の先をいく。今世の中に埋もれている、本当は大事だけど気がついていないものってあると思うんですけど、例えば今回でいうと、ヤンキーを改めて見てみようっていうことだったり、元々あるものを再発見してアウトプットすることで見るほうが新しく感じる。その発掘と一歩先のコンテンツ作りをかっこよく走っていただけたら益々ワクワクすると思います」と今後への期待を込めた。

Netflix2024年の実写注目作品の紹介、各作品の新情報一挙発表にはじまり、Netflixに関わる国内外の才能豊かなクリエイターが集結したスペシャルなイベント「Next on Netflix 2024」は、幕を閉じた。