ホアキン・フェニックス主演、リドリー・スコット監督による映画『ナポレオン』が現在大ヒット上映中。このたび本作のメイキング写真が解禁され、撮影舞台裏の驚きのエピソードの数々が明らかになった。
本作はアカデミー賞®作品賞受賞の『グラディエーター』や『オデッセイ』などを手がける巨匠リドリー・スコット監督と『ジョーカー』のアカデミー賞®俳優ホアキン・フェニックスが、『グラディエーター』以来の再タッグで挑むスペクタクル超大作。歴史に名を刻むフランスの皇帝ナポレオン。英雄と呼ばれる一方で、悪魔と恐れられた男の真の姿を壮大なスケールで描く。
本作の主人公ナポレオンについて、驚きのエピソードを明かすのはリドリー・スコット監督。「歴史上最も有名な戦いの一つであるワーテルローで、ナポレオンはトイレに座っていました。外では雨が降っている。彼は用を足し、トイレの中を見てみると、血が出ている…。その後、彼は冷や汗をかきながら、痔に苦しみながら、その日の戦いをこなしました」とナポレオンが有名な戦闘中に痔に苦しんでいたことを解説。監督はこのエピソードを劇中でも再現しようとしたが、「脚本家のデヴィッド(・スカルパ)は、“これはちょっとみっともなくないか?”と言いました。私は“多分ね、でも正確な描写だ”と答えました。しかし、結局邪魔になったので、外しました」と語っている。
そんな『ナポレオン』の画づくりには有名な絵画にも影響と指針を求めたという。それがわかりやすいのはナポレオン1世の首席画家ジャック=ルイ・ダヴィッドにより描かれた油彩画「皇帝ナポレオン一世と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠式」。「時代物の映画を作る時はいつでも自然光を使います。今回私たちはフロントライトを多用しました。フロントライトは、ダヴィッドの絵画のように常にナポレオンに光が当たります。主人公はより明るく照らされ、他の人たちは影の中に潜みます」と撮影監督のダリウス・ウォルスキーは、設定がシーンの照明にも影響を与えると述べる。「エジプトは非常に明るく厳しい光で、輪郭が浮かび上がっています。ロシアは霧がかっていて抑えめで、常に薄明かりの中、雪に覆われ単色のように見えます。それから豪勢な宮殿はすべてが金色で豪華です」。
そして本作を撮影する上でもう一つの大切な要素が、ナポレオンの人生の背景となった宮殿や大邸宅を表現できる場所。プロダクション・デザイナーのアーサー・マックスがイギリスで多くの新古典主義建築を探し出した。
大規模撮影においては遠隔地に製作を移すのではなく、ロンドンから近い距離にとどまることを選ぶことが多いが、『ナポレオン』の撮影ではそれは難しかったようだ。「ボートン・マナーは、ロンドンから車で3時間ほどのノーサンプトンシャーにあります。フランス建築を愛したイギリス人の親仏家によって18世紀に建てられました。まるでフランスの城のようで、何百エーカーもの美しい敷地に羊や馬が放牧され、いたるところに美しいオークの古木があります。そのような特別さから、ここをナポレオンの城として使うことを決めたのです」とマックスは語る。
その城では「ヴィクトリア&アルバート博物館からベッドを借りることができました。そのベッドには1メートル以内に近づくことさえ許されませんでした。とても壊れやすいものだったのです」とマックスは振り返る。そんな超貴重なベッドについては「ラブシーンに使って良いかと尋ねたのですが、彼らは私たちがその質問をしたこと自体にショックを受けていました」という衝撃のエピソードも。
『ナポレオン』のロケ地は、サリー州のボーンウッドやマルタのリカソリ砦など『グラディエーター』でも多く使われた地であったため、スコットや彼のコラボレーターたちにとっては馴染みのある場所だったのだという。「とても居心地がいいのです。以前と同じエリアや空間をたくさん使いましたが、やり方はかなり違いました」とのことなので、さまざまな映画と見比べてみても面白いかもしれない。
映画『ナポレオン』作品情報
公開日 | 2023年12月1日公開予定 |
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キャスト | 監督:リドリー・スコット 出演:ホアキン・フェニックス ヴァネッサ・カービー ベン・マイルズ タハール・ラヒム リュディヴィーヌ・サニエ ジョン・ホリングワース マシュー・ニーダム ポール・リース イアン・マクニース |
配給 | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
制作国 | アメリカ(2023) |
上映時間 | 158分 |
公式サイト | https://www.napoleon-movie.jp/ |
オフィシャルTwitter:https://twitter.com/SonyPicsEiga(外部サイト)