映画

映画『兎たちの暴走』

【イントロダクション】

シェン・ユーは、若い頃から芸術への関心が高く、北京電影学院の監督科を卒業後、美術の仕事で映画業界に入り、NHKなどのドキュメンタリー撮影や監督、CMディレクターなど俳優以外の映画に関わる仕事を経験してきました。今回初監督をするにあたり、2011年の実際の事件から着想を得て、母と娘が娘の同級生を誘拐し殺害した事件を基に本作の映画制作に取り組みました。

作品のエグゼクティブ・プロデューサーには、ロウ・イエ監督の『天安門、恋人たち』を制作したローレル・フィルムの代表ファン・リーが携わりました。また、プロデューサーには『ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅』の女性監督リー・ユーが加わり、脚本はロウ・イエ監督の『シャドウプレイ』で共同脚本を務めたチウ・ユジエが担当しました。

本作の舞台である四川省攀枝花市は、東南アジアに近く、山と川があり、映像的に興味深い場所で、特に都市の空間が重層的であることから選ばれました。監督は、攀枝花市を通じて現代中国社会の縮図を描く意図で、このロケ地を選んだと語っています。

映画の冒頭では、主人公の高校生シュイ・チンとそのクラスメイトのマー・ユエユエが誘拐され、身代金を要求された父親たちとシュイ・チンの母親チュー・ティンの姿が描かれます。映画は、事件が起こる前の出来事からスタートし、母親チュー・ティンが娘のもとに戻る場面へと時が巻き戻る構造を持っています。

シェン・ユー監督は、自身の好きな映画作品や監督について語りつつ、映画の冒頭で観客を物語に引き込む巧みな構成について語っています。また、本作のテーマについては、感情が重要であり、母の愛を守るために行動する感情が物語の核であると述べています。ビジュアルにもこだわり、母親のキーカラーとして黄色を使用しています。

物語では、トンネルが人が生まれ変わる象徴として描かれ、母親と娘の悲劇が織りなすサスペンスが展開されます。母親の過去と娘の思いが交錯する中で、果たして二人はトンネルを抜け出し、新たな人生を歩むことができるのか、その行く末が描かれています。

【ストーリー】

煙がもくもくと立ち上がる夜の街。混乱に陥った3人の男女が、誘拐事件に巻き込まれた2人の娘の身代金について話し合っています。

「大金を用意できなければ、娘たちを殺す」という犯人の要求に、2人の男性は警察への通報を決意します。しかし、女性は必死に警察への通報を阻止しようとしています。

物語は、重工業が盛んな四川省攀枝花市で展開されます。ここで、父親と継母、そして弟の4人で生活する高校生のシュイ・チン、自由奔放で孤独な存在のジン・シー、美しさを持ちつつも家を離れたいと願うマー・ユエユエという3人の登場人物が描かれています。

シュイ・チンの母であるチュー・ティンが帰ってきたことで、物語は新たな局面に進展します。チュー・ティンは、シュイ・チンが幼い頃にこの街を去った過去を持ち、再会によってシュイ・チンの生活は大きく変わります。シュイ・チンは母の存在に引き寄せられ、長い間の期待が彼女への愛情をさらに増幅させる一方、チュー・ティンも徐々に娘のことを受け入れていきます。

物語は、シュイ・チンの希望によって形成される「青春の兎の団体」や、チュー・ティンの過去に関する謎が明らかになることで、複雑な筋書きを展開します。そして、シュイ・チンの執念とチュー・ティンを保護しようとする努力が、予想外の結果を招きます。物語は混乱し、収拾がつかなくなりながら、避けられない出来事へと向かっていくのです。

【ギャラリ-】

【作品詳細】

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原題:兎子暴力/The Old Town Girls

2020年 /中国 /105分
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