映画

映画『草原に抱かれて』

【イントロダクション】

ミュージシャンのアルスは、自らの不満を抱えながらも、アルツハイマー病を患う母への介護を決意し、広大な内モンゴルの草原へと母とともに旅立ちます。母の徘徊を防ぐためにふたりは太いロープで繋がり、草原での思い出の探求の旅に出発します。その結果、まるでふたりが“へその緒”で結ばれたような奇妙な繋がりが生まれ、彼らを草原の奥深くへ導くのです。

この映画は、広大な草原、季節ごとのゲル(天幕)の移動、祈りの作法などを通じて、生と死、自然との共存を見つめる機会を提供します。監督のチャオ・スーシュエはフランスで映画を学び、この作品で映画界にデビュー。昨年の東京国際映画祭をはじめとする国際映画祭で注目を浴びました。

バドマとイデルというベテラン女優と新鋭ミュージシャンの共演がこの作品の魅力のひとつです。モンゴルが誇る女優であるバドマは、ウルリケ・オッティンガー監督の作品などで主演を務めた実力派。そして、シンガーソングライターやホーミー・アーティストとして活動してきたイデルが音楽で物語に新たな次元を加えています。

【ストーリー】

都会の電子ミュージシャン、アルスの心の悩みは、アルツハイマーを患う母との関係にありました。彼は兄夫婦と共に過ごす母の姿を見て、その劣化した状態に衝撃を受けます。自分を認識できない母の現状に心を痛め、アルスは母を連れて故郷へ帰る決断をします。

草原の中で新たな生活を始めるアルスと母。しかし、母の病状は悪化し、徘徊の症状が現れます。アルスは母の安全を守るため、縄で母と自分を結びつけることを決意します。この状況の中、ふたりは母の願いである<思い出の木>を探す旅に出発します。

広大な草原の中で、伝統的なゲルでの生活が続きます。徐々に母は解放感を取り戻し始めますが、同時に彼女の最期が近づいていることも明らかになります。この感動的な物語は、母と息子の特別な旅を通じて、家族の絆と生命の尊さを浮き彫りにしています。

【ギャラリ-】

監督・脚本:チャオ・スーシュエ
プロデューサー:リウ・フイ、フ
撮影:ツァオ・ユー
音楽:ウルナ(Chahar-Tugchi)、イデル
出演:バドマ、イデル

配給:パンドラ
9月23日(土)~新宿K’s cinemaにてロードショー、全国順次公開

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