４Kリマスターで蘇る『デューン／砂の惑星』修復前との比較映像解禁

誰もが知る不朽の名作や、密かに人気を博す隠れた傑作を、東京テアトルのセレクションで贈るスペシャル・プログラム「テアトル・クラシックス ACT.4 『デューン／砂の惑星』4Kリマスター版」が8月2日（金）より全国順次ロードショー。このたび、従来の映像と４Kデジタル修復版を比較した4K比較映像が解禁。あわせて、オピニオンコメントも解禁された。

鬼才デヴィッド・リンチ監督が映像化不可能と言われたフランク・ハーバートによるSF大河小説の映画化に挑んだ『デューン／砂の惑星』。西暦10191年。砂に覆われ、巨大な虫が支配する“デューン”と呼ばれる荒涼の惑星・アラキスを舞台に、覇権をめぐって繰り広げられる勢力争いを描く。日本公開から40年、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ティモシー・シャラメ主演による「リメイク3部作」が注目を浴びるなか、全盛期を迎えつつあったリンチ・ワールドが詰め込まれた伝説の超大作が4Kリマスター版としてスクリーンに蘇る。

このたび解禁された4K比較映像では、1984年に制作された当時の修復前の映像と、4Kデジタル修復された映像が比較されている。4Kデジタル修復版の映像では暗いシーンや動きのあるシーンがより鮮明に、さらにギルド・ナビゲーターやハルコネン男爵のグロテスクな姿や、シールドの独特な表現など、リンチ版ならではの魅力あふれる映像がより鮮やかに蘇っているのがわかる。

さらに、SF評論家や映画批評家、ライターなど7名から、デヴィッド・リンチ版『デューン／砂の惑星』の魅力を絶賛するオピニオンコメントが到着した。コメント全文・一覧は以下のとおり。

著名人コメント（順不同・敬称略）

若き日のデヴィッド・リンチが真っ向から取り組み、悪戦苦闘の末に完成させた、八〇年代特撮の香り漂うＳＦ超大作。再見組はもちろん、初見の方にこそ、じっくりと堪能してほしい。
―堺三保（SF評論家）

ドゥニ版のスタイリッシュでわかりやすい作風も良いけれど、やっぱりリンチ版は出汁が濃くてクセになる。

攻めまくりの映像美と造形美、耳元に直接話しかけているかのような語り口。それら全ての要素が僕らを遠未来の宇宙世界に没入させてくれる。その一方で、パグはパグとして普通にそこにいる。(可愛い！)…これだ！この絶妙なバランスがたまらない！
―ジャガモンド斉藤（映画紹介人/お笑いコンビ）

ヴィルヌーヴ版と比較して、リンチ版の優れた点としては、80年代当時のことなので、ほぼCGが無いのですが、思考機械、つまりAIを禁止している世界観が妙にアナログ的で逆に新鮮！！偏愛的な描き方もクセになる。
―有村昆（映画コメンテーター）

この映画でデヴィッド・リンチとラウレンティス父娘が組んでいなければ『ブルーベルベット』は存在しないし、カイル・マクラクランとの出会いがなければ『ツイン・ピークス』も存在しない。そんな「なかったかも知れない」世界線の起点がここにある。
―松崎健夫（映画評論家）

複雑に設計された世界観を、これ一本でヴィジュアライズしようとした野心家の奮闘にまずは敬礼！
リマスターで改めて思い知ったのは、作家性剥き出しで美醜入り混じるデザインの素晴らしさ。創造主が失敗作と言い放っても、その瑕疵に負けない美点は山ほどある。
―ISO（ライター）

サイバーパンクとマジックリアリズムが混じりあったような、80年代的映像がもう最高。デヴィッド・リンチが大好きであの酩酊感に浸りたいみんななら、絶対に観て損はない。
―佐々木俊尚（作家・ジャーナリスト）

やはり何度見てもすごい！壮大な大河ドラマでありながら人物の不気味なデザインや奇妙なガジェット、歪んだ愛情・劣情といった部分に全力を注いで剥き出しにするデヴィッド・リンチの美学！この異様でデコラティブな世界観を4Kで堪能しよう！
―ビニールタッキー（映画宣伝ウォッチャー）