増村保造らが映画化してきた谷崎潤一郎の同名小説の新たな映画化作「痴人の愛」が、2024年冬に劇場公開されることが決まった。
「痴人の愛」は、かつてシナリオコンクールで受賞したものの、いまだプロデビューを果たせずにいる脚本家志望の男・河合譲治(大西信満)と、美しい女性ナオミの物語。店で働きながら俳優を目指しているというナオミに、「シナリオ講座の講師」と勘違いされた譲治は、苦笑しながらも自身の身の上を明かす。やがて譲治は、シナリオ講座の講師の代わりに、谷崎潤一郎の「痴人の愛」を原作とした脚本を書くことになる。脚本執筆に苦戦する中で、譲治はナオミと再会し、2人の関係は急速に近づいていく。だがそれは、ナオミと執筆との間で身を引き裂かれる、狂おしい時間の始まりだった。
監督は、2023年に同じく谷崎潤一郎の「卍」の監督・脚本を務めた井土紀州。「卍」で長編映画デビューを果たした脚本家・小谷香織と再タッグを組む。主人公の河合譲治役を務めたのは、映画初出演・主演作「赤目四十八瀧心中未遂」や、「キャタピラー」などの大西信満。ヒロイン・ナオミ役を、20歳で「ミス・インターナショナル2016」日本代表選出大会に出場した奈月セナが演じ、原作小説において最も有名なシーンである”馬乗り”も見せている。
【作品情報】
痴人の愛
2024年・冬より全国順次公開
配給:マグネタイズ
©2024「痴人の愛」製作委員会