グラハム・フォイ監督による初の長編作品『メイデン』が4月19日よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開されることが決定した。
本作は、第79回ヴェネチア国際映画祭のヴェニス・デイズ部門で未来の映画賞を受賞したヒューマンドラマ。第75回カンヌ国際映画祭の批評家週間「Next Step」のプログラムにも招待された。
カナダ・カルガリー郊外を舞台に、思春期の少年少女3人の友情と孤独、喪失の悲しみを描いた本作は、ひと夏の出来事を16ミリフィルムの質感を生かしたみずみずしい映像美で紡ぎ上げ、メランコリックで魔法めいた映像世界を映し出す。
本作は監督が育ったアルバータ州カルガリーで撮影されており、「『メイデン』は完全に自伝的というわけではありませんが、映画で起こる出来事、登場人物、場所には個人的なつながりが多くあります」とコメントしている。
あわせて公開された特報映像は、テープレコーダーのスイッチが押される場面から始まる。ロジャー・ミラーの優しいカントリー・ミュージックとともに、スケートボードを楽しむ少年の姿や、橋の上から飛び込む様子など、穏やかな夏の日常が映し出されている。その一方で、行方不明となった同級生のポスターや、暗がりの中どこかへ向かう子供たちの姿が、相反する不穏さを醸し出している。
グラハム・フォイ監督 コメント
私は、アルバータ州カルガリーの『メイデン』が撮影された地域で育ち、十代の頃は映画の中心的なロケ地である渓谷で過ごしました。『メイデン』は完全に自伝的というわけではありませんが、映画で起こる出来事、登場人物、場所には個人的なつながりが多くあります。悲しみ、孤独、喪失、友情、十代の生活の精神的および感情的な混乱。これらはすべて青春映画の古典的な要素ですが、私にとって『メイデン』は、2つの柱に分けた詩的なビジョンであり、宇宙的なつながりを共有する物語です。
「死後の待合室」と思われる場所でカイルとホイットニーの道を織り交ぜ、コルトンの深い絶望と憂鬱、声にならない叫び、淡々と流れていたそれぞれの平凡な日常があっけなく終わってしまい、それぞれの道を歩み始めるのです。3人の人生に欠けていたパズルのピースが、観客にも伝わり、私たちの心に残る作品になっていたのなら嬉しいです。
■公開情報
『メイデン』
4月19日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開
監督・脚本:グラハム・フォイ
出演:ジャクソン・スルイター、マルセル・T・ヒメネス、ヘイリー・ネス、カレブ・ブラウ、シエナ・イー
撮影:ケリー・ジェフリー
編集:ブレンダン・ミルズ
美術:エリカ・ロブコ
録音:イアン・レイノルズ
プロデューサー:ダイヴァ・ザルニエリウナ、ダン・モントゴメール
配給:クレプスキュール フィルム
2022年/カナダ/英語/カラー/16mm/ヴィスタ/117分/原題:The MAIDEN/日本語字幕:上條葉月
©2022 FF Films and Medium Density Fibreboard Films.