映画

第78回毎日映画コンクール女優助演賞:広瀬すず『キリエのうた』

第78回毎日映画コンクール表彰式は14日、東京都目黒区のめぐろパーシモンホールで行われた。女優賞は同世代の2人。表彰式には2023年を代表する受賞者に加え、スタッフや共演者も祝福に駆けつけ、華やかなステージとなった。

同作は、別れと出逢いを繰り返しながら、4人の人生が交差し、絡み合い、奏でる13年の物語。歌うことでしか“声”を出せない住所不定の路上ミュージシャンのキリエ(アイナ・ジ・エンド)を主人公に、いなくなってしまった“彼女”を探す青年・夏彦(松村北斗)、物語の発端に大きく関わる小学校の教師・フミ(黒木華)、キリエのマネージャーをかって出る謎の女・逸子(広瀬すず)の人生をたどる音楽映画で、岩井俊二監督がメガホンをとった。

広瀬は透け感たっぷりの艶やかなドレス姿で壇上に。広瀬は「この度は、このようなステキな賞をいただき、うれしく思います。『キリエのうた』は岩井監督と主演のアイナ・ジ・エンドちゃんが共鳴し合いながら作っていた作品だと思います。私にできることはアイナちゃんを支えることしかないなと思っていた。そんな中で女優助演賞は自分の支えになる賞だと思いました」とスピーチで感慨を語った。

その後、岩井監督も登場。司会の生島ヒロシと岩井監督から「ステキです」「素晴らしい。いっぱい写真撮ってあげてください」と絶賛された広瀬は「恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべた。岩井監督は「広瀬さんは、いろんなポテンシャルを持っている。今度は広瀬すず120%全開の映画を」と公開オファーを受け、広瀬は「ぜひ!」と快諾していた。

同賞の対象は、2023年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品(アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品)となる。

第78回毎日映画コンクール 受賞結果

日本映画大賞:「せかいのおきく」(阪本順治監督)
日本映画優秀賞:「ほかげ」(塚本晋也監督)
外国映画ベストワン賞:「TAR/ター」(トッド・フィールド監督)
男優主演賞:鈴木亮平「エゴイスト」
女優主演賞:杉咲花「市子」
男優助演賞:宮沢氷魚「エゴイスト」
女優助演賞:広瀬すず「キリエのうた」
スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ「さよなら ほやマン」
スポニチグランプリ新人賞(女性):サリngROCK「BAD LANDS バッド・ランズ」
監督賞:石井裕也「月」
脚本賞:阪本順治「せかいのおきく」
撮影賞:鎌苅洋一「月」
美術賞:上條安里「ゴジラ-1.0」
音楽賞:ジム・オルーク「658km、陽子の旅」
録音賞:志満順一「せかいのおきく」
アニメーション映画賞:「アリスとテレスのまぼろし工場」(岡田麿里監督)
大藤信郎賞:「君たちはどう生きるか」(宮崎駿監督)
ドキュメンタリー映画賞: 「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」(寺田和弘監督)
TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・日本映画部門:「劇場版 美しい彼~eternal~」
TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・外国映画部門:「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
田中絹代賞:薬師丸ひろ子
特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)


毎日映画コンクール概要
毎日映画コンクールは1946 年(昭和21 年)、日本の映画産業の振興に寄与し、国民に映画の楽しさを広く伝えることを目的に、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社によって創設された国内最高峰の映画賞です。演技、作品はもちろん、撮影や美術、録音などのスタッフ、日本映画を代表する名女優田中絹代の名を冠する賞など、幅広い部門を設けていることが特徴です。
各賞は、第一線で活躍中の映画評論家やジャーナリスト、専門家など約70 人が選考にかかわり、毎日映画コンクールはその歴史と伝統とともに、選考の厳正公明さによっても映画業界から高い評価を得ています。
第75 回から表彰式の開催地は都内へと戻り、目黒区の協力を得て「めぐろパーシモンホール」での開催を予定しています。今後も、一般にも開かれた映画賞として毎日映画コンクールは成長を続けていきます。

ABOUT ME
エンタメスクリーン
映画を中心に繋がる、アニメ・音楽・ファッション・スポーツとエンターテイメントなイベントをリポート ニュースも掲載しております。イベント取材・内覧ニュース掲載は こちら release.ensc@outlook.jp編集部にご連絡ください。