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第48回日本アカデミー賞(2025年)受賞式

2024年に公開された映画のなかから、優れた作品、俳優を表彰する、年に一度の映画の祭典「第48回 日本アカデミー賞」授賞式が今年も開催され、会場には今をときめく若手から実力派まで、豪華俳優陣が大集結となりました。

さらに今年、新設された特別賞の新賞「主題歌賞」には、Mrs. GREEN APPLEの『Dear』が輝きました(『ディア・ファミリー』主題歌)。

授賞式では、Mrs. GREEN APPLEがライブで受賞曲を披露するなど、ますます盛り上がりをみせた今回の授賞式について、速報でリポートします。

【新人俳優賞】

第48回 日本アカデミー賞授賞式左から/赤楚衛二さん、板垣李光人さん、越山敬達さん、齋藤飛鳥さん(C)日本アカデミー賞協会

“一生に一度しか経験できない賞” となる新人俳優賞を今回、受賞されたのはこちらの8人。『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』に出演と大活躍の一年となった板垣李光人さんは、凛々しい紋付袴での登場!さらに、『【推しの子】-The Final Act-』で受賞の齋藤飛鳥さんは、黒の訪問着姿を披露。黒の着物に白き艶肌がますます映えて、美しさがより際立つスタイルでのレッドカーペットとなりました。

第48回 日本アカデミー賞授賞式森本慎太郎さん(C)日本アカデミー賞協会

さらに、『正体』で話題賞を受賞のSixTONESのメンバーとしてもご活躍の森本慎太郎さんは、新人賞とのW受賞。ブラックスーツでクールな着こなしを披露されました。

第48回 日本アカデミー賞授賞式左から/齋藤 潤さん、渋谷凪咲さん、森本慎太郎さん、山田杏奈さん(C)日本アカデミー賞協会
『正体』と『ゴールデンカムイ』で新人賞と優秀助演女優賞のW受賞となった山田杏奈さんは、「ニナ リッチ」のサテンの艶感が美しいマキシドレスで登場。バラのシルエットがプリントされたドレスは、フロントの裾部分に施されたドレープが歩く度に揺れて、さらなるエレガントさを印象づけます。

【優秀助演男優賞】

第48回 日本アカデミー賞授賞式左から/内野聖陽さん、大沢たかおさん、岡田将生さん、佐藤二朗さん、山田孝之さん(C)日本アカデミー賞協会
優秀助演男優賞は、(意外にも)初の受賞となったベテラン俳優の佐藤二朗さん(『あんのこと』)と山田孝之さん(『正体』)をはじめ、大ヒットを記録した『ラストマイル』で3度目の助演男優賞受賞となった岡田将生さん、さらにシリーズ最終章となる『キングダム 大将軍の帰還』で2度目の助演男優賞受賞の大沢たかおさんは、ドレスダウンしたスタイリングを披露。動くたびに煌めくジャケットスタイルが、レッドカーペットでより一層の輝きを放っていました。

また、『八犬伝』で受賞された内野聖陽さんは、ベルベットの艶めきがジェントルなブラウンジャケットスタイルで登場。大人ならではの着こなしは、ぜひ参考にしたいコーディネートです。

【優秀助演女優賞】

第48回 日本アカデミー賞授賞式左から/芦田愛菜さん、清原果耶さん、土屋太鳳さん、山田杏奈さん(C)日本アカデミー賞協会
新人俳優賞を6歳で受賞して以来、初の助演女優賞受賞となった芦田愛菜さんは、ブラックベルベットのホルターネックドレスを素敵に着こなして登場。大人の女性らしさを感じさせる素敵なコーディネートを披露しました。

また、第45回アカデミー賞で見事、最優秀助演女優賞を受賞された清原果耶さんは2度目の受賞となり、バルーンスリーブが印象的なドレスで登場。また、土屋太鳳さんは、『八犬伝』での好演を彷彿とさせる和装ドレス姿を披露。耳元には「TASAKI」のアイコン『バランス』のイヤリングが際立っていました。

『正体』で受賞の吉岡里帆さんは現在、能登半島地震の復興支援となる舞台の公演中とのことで、収録、ならびにリモートでの出演となりました。

【優秀主演男優賞】

第48回 日本アカデミー賞授賞式左から/綾野 剛さん、草なぎ 剛さん、山口馬木也さん、山崎賢人さん、横浜流星さん(C)日本アカデミー賞協会
レッドカーペットでより一層の歓声があがったのは、主演男優賞受賞者5人の入場シーン。『碁盤切り』で受賞の草なぎ 剛さんは歩くたびに煌めきを放つタキシードスタイルを披露。『キングダム 大将軍の帰還』で受賞の山崎賢人さんは、ダブルスーツにリボンタイが印象的なシャツを合わせ、場内を魅了しました。

現在、大河ドラマに主演と大活躍の横浜流星さんは、「ディオール」アンバサダーを務めていたこともあり、「ディオール オブリーク」ジャカードのトリムがあしらわれた品格あるブラックジャケットスタイルで登場。登場するや否や、悲鳴に近い歓声があがり、人気ぶりがうかがえました。

※草なぎ 剛さんの「なぎ」の字は、弓へんに旧字体の前+刀が正式表記です。
山崎賢人さんの「ざき」の字は、たつさきが正式表記です。

【優秀主演女優賞】

第48回 日本アカデミー賞授賞式左から/石原さとみさん、河合優実さん、上白石萌音さん、草笛光子さん(サイドに内野聖陽さん)、満島ひかりさん(C)日本アカデミー賞協会
『ミッシング』で初の主演女優賞受賞となった石原さとみさんは、裾に向かって広がるフレアが美しい深紅のドレス姿で登場。ベルベットの艶めきがさらなる品格を授ける麗しいコーディネートを披露されました。

『ラストマイル』で初の主演女優賞受賞の満島ひかりさんに、『夜明けのすべて』で初の主演女優賞受賞の上白石萌音さんは、共に華麗な着物姿で登場。上白石さんが披露された、桜が咲き誇る紺の振袖姿に、会場の多くの観客がうっとり酔いしれました。

最優秀助演男優賞は『キングダム 大将軍の帰還』で大沢たかおさんが初受賞

第48回 日本アカデミー賞授賞式(C)日本アカデミー賞協会

受賞の言葉「ありがとうございます。本当にいただけてうれしく思います。助演という立場で、主演をどう盛り上げるのかをずっと7年間考え続けてきました。でも気づけば、主演の山崎くんをはじめ、ここにいるスタッフの皆さんに助けられながら、ずっと演じさせていただいたなと思っています。今日いただいた賞は、僕というよりも、支えてくれたスタッフ、キャスト、そしてたくさんの方に劇場に足を運んでいただいたおかげで、本当にありがとうございました」

最優秀助演女優賞は『正体』の吉岡里帆さんが初受賞

舞台を終えたばかりの吉岡さんが、急ぎ、リモートでつないで受賞コメントを発表されました。

第48回 日本アカデミー賞授賞式(C)日本アカデミー賞協会

受賞の言葉「ほんとにびっくりしちゃって。ありがとうございます、とてもうれしいです。この作品は私の人生においてとてもとても重要な作品になりました。自分がこの世界に入りたいと思ったきっかけが、映画にエキストラで出させていただいたことで。本当に多くのキャスト、スタッフの方が力を合わせて撮影されている映画の現場を見たその感動に引き寄せられて、この仕事をしたいと思ったので。今回『正体』のチームが皆で受賞できる機会ということで、全員が心からいい作品をつくりたいと思って一致団結した時、手を取り合った時にものすごいパワーを発揮するこの映画に、これからも携わっていきたいと思っています。

きょう、能登の七尾市というところから挨拶させてもらってますが、今は正直、お茶の間にいるような気持ちになってまして、大好きな俳優さんが挨拶されているのを見て『私もこの作品見て、感動したんだよな』っていう気持ちになって笑顔になったりしてます。遠く離れていたとしても映像というのはその場所、その場所にエネルギーを残していく。そして時代を超えて残していくものだと思っています。その一人として、少しでも見ていただける方の何かパワーになるように、これからも精進していきたいと思います。会場に行けないのが残念ですが、本当に感謝しています。“藤井組” に出会えて私は幸せです」

最優秀主演男優賞は『正体』の横浜流星さんが初受賞

第48回日本アカデミー賞授賞式より、最優秀主演男優賞に輝いた横浜流星(C)日本アカデミー賞協会
第48回 日本アカデミー賞授賞式第48回日本アカデミー賞授賞式より、最優秀主演男優賞に輝いた横浜流星(C)日本アカデミー賞協会
受賞の言葉「本当にありがとうございます。藤井道人監督とは出会って10年になります。5年前に自分は(アカデミー賞の)新人賞を受賞し、藤井さんは『新聞記者』で最優秀作品賞をとりました。その時、自分は心の底から喜び、一緒にこの場に立ちたいと思いました。それから助演、そして今回、主演男優賞に “藤井組” でこの場にいられることに大きな意味があります。

この受賞は『正体』の仲間たち、この作品を愛してくださった皆様、自分に投票してくださった方々のおかげと、心から感謝しています。自分は本当に芝居はうまくないですし、人間としても遊びがなく、頑固でつまらない人間です。それを誰よりもわかっているから、毎日、芝居のことを考え、作品命で、おおげさかもしれないですが、本気で身命を賭す覚悟で向き合ってます。その向き合いが少し認めていただけたような気がして、励みになりました。若輩者ですが、映画業界のさらなる発展のために、尽力してまいります」

最優秀主演女優賞は『あんのこと』の河合優実さんがアカデミー賞初受賞で最優秀の快挙!

第48回 日本アカデミー賞授賞式第48回日本アカデミー賞授賞式より、最優秀主演女優賞に輝いた河合優実 (C)日本アカデミー賞協会
第48回日本アカデミー賞授賞式より、最優秀主演女優賞に輝いた河合優実 (C)日本アカデミー賞協会

受賞の言葉「ちょっと信じられない気持ちで、この会場にいること自体も夢のような思いで今、います。私は本当に未熟で新参者ですが、きょうこの会場にきて、敬愛する大先輩の方々に囲まれて、映画という世界に足を踏み入れて本当によかったなと、心の底から思っています。『あんのこと』という映画は、言葉で言いあらわせないほど自分のなかで特別な作品で、これからも長く俳優を続けていきたいって思うなかでも、きっと心に残り続ける大切な作品になるだろうと思います。『あんのこと』という作品に、人生の時間を貸してくれたすべての人に、改めて感謝を伝えたいと思います。ありがとうございます」


今回、最優秀賞受賞者、ならびに新人俳優賞、話題賞、主題歌賞などに輝いた皆さんには、副賞として「TASAKI」のアイコンシリーズ『バランス』からパールジュエリーと、オリジナルクロックが贈られます。

最優秀作品賞は山口馬木也さん主演『侍タイムスリッパー』

今年度の映画の頂点となる最優秀作品賞には、山口馬木也さん主演の『侍タイムスリッパー』が見事、輝きました。受賞の瞬間、会場からどよめきのような驚きの声があがり、10名ほどのスタッフで制作したインディーズ映画として、池袋の1館から上映をスタートした作品が見事、快挙を成し遂げる結果となりました。

第48回 日本アカデミー賞授賞式『侍タイムスリッパー』(C)未来映画社

最優秀編集賞も受賞し、さらに頂点まで上り詰めた快挙に、安田淳一監督をはじめ出演者の皆さんがステージにあがると、目に涙をうかべて喜びを分かち合うシーンも。ブロンズ像を受け取った安田監督は、

(C)日本アカデミー賞協会

「最後までものごとをあきらめずに取り組む大切さを教えてくれた、昨年、亡くなった父に感謝を伝えたい」と涙ながらにスピーチ。日本映画の将来に新たな可能性と希望を見い出す1ページを刻んだ、感動の一夜となりました。