110の国と地域から2023本の応募があったコンペティション。厳正な審査を経た15本の作品が期間中に上映される。日本からは片山慎三の「雨の中の慾情」、大九明子の「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」、吉田大八の「敵」が選出された。
マストロヤンニ氏は、審査員としての立場について「映画の作り手に対する責任が伴う」と述べつつも、「感じ方や体験としては通常の鑑賞と同じだと思います」と回答しました。
また、エニェディ氏は審査員としての役割について、「映画という芸術作品を、自身の直感と知性を駆使して鑑賞することが求められる」とし、「その感覚は各文化や教養によって培われ、多様な視点が生まれる。映画の教養や教育は重要であり、私たち審査員はそれを持ち合わせている」と語りました。
橋本氏はこれまでにアンバサダーや交流ラウンジへの参加など、多方面で東京国際映画祭に関わってきましたが、初めての審査にあたって「そうそうたる皆様と時間を共にすることに緊張しています。光栄で、人生で二度とない経験になると思います。存分に楽しみ、映画に浸る日々を過ごしたい」と意気込みを語りました。また、映画の鑑賞に対する姿勢については「普段の直感的な鑑賞とは少し違うものになると感じており、緊張感を保ちながら、より論理的な視点で15作品を見届けたい。1本1本が大切な記憶に残るようにしたい」と期待を述べました。
トニー・レオン氏は、「審査員として映画を観るのは普段とはまったく異なる経験です」と述べ、小さい頃から現在に至るまで週に4~5回は映画館で映画を観ることを楽しんでいると語りました。また、今回は審査委員長を務めるため、観賞後に議論を行う必要があるとし、「他の優れた審査員の皆さんに比べて、私自身は勉強不足かもしれませんが、あまり誤解のないように一生懸命に観ます」と意気込みを語りました。
コンペティション
アディオス・アミーゴ(製作:コロンビア / 監督:イバン・D・ガオナ)
小さな私(製作:中国 / 監督:ヤン・リーナー)
死体を埋めろ(製作:ブラジル / 監督:マルコ・ドゥトラ)
士官候補生(製作:カザフスタン / 監督:アディルハン・イェルジャノフ)
娘の娘(製作:台湾 / 監督:ホアン・シー)
英国人の手紙(製作:ポルトガル / 監督:セルジオ・グラシアーノ)
彼のイメージ(製作:フランス / 監督:ティエリー・ド・ペレッティ)
雨の中の慾情(製作:日本、台湾 / 監督:片山慎三)
わが友アンドレ(製作:中国 / 監督:ドン・ズージェン)
お父さん(製作:香港 / 監督:フィリップ・ユン)
大丈夫と約束して(製作:スロバキア、チェコ / 監督:カタリナ・グラマトヴァ)
今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は(製作:日本 / 監督:大九明子)
敵(製作:日本 / 監督:吉田大八)
トラフィック(製作:ルーマニア、ベルギー、オランダ / 監督:テオドラ・アナ・ミハイ)
チャオ・イェンの思い(製作:中国 / 監督:ミディ・ジー)
開催期間:2024年10月28日(月)~11月6日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:www.tiff-jp.net