5月22日に東京国際フォーラムにて開催された「第33回日本映画批評家大賞」授賞式に出席。映画「さよなら ほやマン」(庄司輝秋監督)に主演した2人組ラップグループMOROHAのラッパー・アフロ(36)と、劇中で兄弟役を演じた共演の黒崎煌代(22)が、新人男優賞(南俊子賞)を共同で受賞しました。
アフロは授賞式に劇中のほやマンの衣装で登場しましたが、黒崎は仕事の都合で欠席し、ビデオレターが流れました。黒崎は、「新人俳優の黒崎煌代です。アフロさんとのダブル受賞がうれしいです。少年時代から映画に憧れており、映画界に受け入れられたと思うと胸がいっぱいです。スケジュールの都合で出席できず申し訳ありません。映画の授賞式に憧れがあり、残念です。また呼んでいただけるよう精進します」と述べました。
黒崎のビデオレターを見たアフロは、「黒崎が来られないことは寂しいですが、彼が成長し、仕事があるからこそ欠席したことを喜びます。現場で仕事をしている黒崎のことを思うと、もう1人の弟ができたように感じ、これも映画の魅力です」とコメントしました。
「さよなら ほやマン」は、宮城県石巻出身の庄司輝秋監督による長編映画デビュー作です。アフロはこの作品で、監督が執筆したオリジナル脚本に深く共鳴し、製作側の熱烈なオファーを受け入れて映画に初主演しました。石巻の離島で両親を亡くし、弟と共にほや漁を営む漁師・阿部アキラを演じるため、小型船舶の免許を取得し、素潜りのスクールに通うなど徹底的な準備を行いました。黒崎は本作が俳優デビュー作で、アキラの弟シゲルを演じました。
初主演の理由についてアフロは、「ラッパーとしてラップを書くことで彼の気持ちになれると感じたため、主演を引き受けました」と語りました。そして、「受賞の発表後、多くのオファーが来ていると言いたいですが、実際には1つも来ていません。映画関係者の皆さん、ぜひ一緒にいい作品を作りましょう」と、映画各社に出演の“逆オファー”をしました。
「第33回日本映画批評家大賞」受賞者一覧
作品賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)
監督賞:荻上直子監督『波紋』
主演男優賞:東出昌大『Winny』
主演女優賞:筒井真理子『波紋』
助演男優賞:磯村勇斗『月』
助演女優:新垣結衣『正欲』
ドキュメンタリー賞:『ライフ・イズ・クライミング!』(中原想吉監督)
アニメーション作品賞:映画『窓ぎわのトットちゃん』(八鍬新之介監督)
新人監督賞:金子由里奈監督『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』、工藤将亮監督『遠いところ』
新人男優賞(南俊子賞):アフロ『さよなら ほやマン』、黒崎煌代『さよなら ほやマン』
新人女優賞(小森和子賞):花瀬琴音『遠いところ』
脚本賞:上田誠『リバー、流れないでよ』
編集賞(浦岡敬一賞):今井大介『#マンホール』
撮影賞:芦澤明子『スイート・マイホーム』
松永文庫賞(特別賞):八丁座
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):木野花『バカ塗りの娘』
ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):小林薫『バカ塗りの娘』