ピン芸人・
2歳のときにカメルーン人の父親と疎遠になり、日本人の母に育てられたぶらっくさむらいは「同じような境遇の子供たちにメッセージを届けたい」「アイデンティティに悩む子供たちに自信を持ってほしい」という思いから、父親を探す旅のドキュメンタリー映画を作ることを決意。プロジェクトを2021年に始動させ、クラウドファンディングで資金を調達しながら作品を完成させた。
武内は認知症の母から聞き出した少ない情報を手がかりにイタリアへ。10日間という限られた滞在期間で必死に捜索を続け、ある日ようやく父親の手がかりを掴む。彼は作品について「誰もが少なからず自分の家族について、悩みや問題を抱えているのではないでしょうか。親子の関係とは何かを捜索している人、心に蓋をしたままの何かを抱えている人、また、画一性を求められる社会の中で生きづらさを感じている人へ、この映画が人生を動かす勇気を与えられることを願っています」とコメントした。
なお同作には
武内剛 コメント
「パドレ・プロジェクト」は物心ついた頃から心の片隅にありました。僕の褐色の肌は、未だ見ぬ父の存在を嫌でも思い出させました。反抗期を迎えると、女手一つで育ててくれた母に背を向け、日本を憎むようになりました。「映画監督を目指していた」「DJをしていた」。母がボケる前に教えてくれた父の断片的な情報を辿るように、エンタメの世界に飛び込んだ僕は、ついに結末のわからない旅に出る決意をしました。誰もが少なからず自分の家族について、悩みや問題を抱えているのではないでしょうか。親子の関係とは何かを捜索している人、心に蓋をしたままの何かを抱えている人、また、画一性を求められる社会の中で生きづらさを感じている人へ、この映画が人生を動かす勇気を与えられることを願っています。
応援コメント
マシンガンズ滝沢
主人公のGoは周りの人に深く愛されている。それはきっと「Goが出会う人全てを愛しているからだ」と、映画を見ている途中で気づいた。これは単純な父親探しの映画ではない。1人で生きている全ての人に、みんなと生きる素晴らしさを教えるドキュメンタリーだ。1人で意地を張っている。すべての人に見て欲しい。Goは世界中の人を信じている。
枡野浩一
生年月日も現在の顔もわからない父親を海外で探す困難さ。作品を半分ぐらい見た段階で涙が出て困った。古い知り合いであるはずの武内剛の人柄や歴史を改めて知り、より大好きになる映画だった。私の生き別れの息子(23)が偶然見るくらい、あちこちで公開されて欲しい!
矢野デイビッド
ミックスの人にとって、親が別々の人生を歩むことを選ぶ場合、埋められない物理的な距離を経験することが多い。距離が離れていても、親は絶対的な存在として、心に命に遺伝子に刻み込まれている。自分の父がこの世を去った3カ月後に、この映画と出会った。父が亡くなる前に、この映画に会いたかった。大人としてではなく、子供として父との最後の時間を過ごしたかった。ハッピーエンドが約束されていない旅に挑んだGoはそれだけで立派だと思う。人生は1度きりなんだから。