日付:7月29日(土)
会場:テアトル新宿
登壇:菊地凛子、竹原ピストル、浜野謙太、オダギリジョー、熊切和嘉監督
司会:伊藤さとり
【ステージ グリーティング】
女優の菊地凛子さんが主演する映画「658㎞、陽子の旅」の公開記念舞台挨拶が29日、東京・テアトル新宿で行われました。菊地さんは共演の竹原ピストルさん、浜野謙太さん、オダギリジョーさん、そして熊切和嘉監督とともに登壇しました。「私にとって宝物の映画が、ここまでたどり着けたことがうれしい」と笑顔を見せました。
菊地さんにとっては、オーディションでヒロインに選ばれて初めて名前のある役を得たのは、2001年の映画「空の穴」以来であり、熊切監督とのタッグは今作が初めてとなります。「熊切監督には映画はこんなに面白い、皆で作る楽しさを教えてもらった。自分も40歳の節目で、あとどれくらい演じられるかという漠然とした不安があった中で、私を拾ってくれた熊切監督と一緒にやれたことが何よりうれしく感謝でいっぱい。長く役者をやっていて良かった」と声を詰まらせました。それに対し、オダギリさんは「この不安定な感じが素敵、感受性は大事だよねえ」と称賛しました。また、熊切監督も「『バベル』で世界的な女優になったことはうれしかったけれど、自分が菊地さんの代表作を撮れなかったというしこりのようなものがあった。今回、一緒に撮れて夢のような時間だった」と振り返りました。
映画「658㎞、陽子の旅」は6月の上海国際映画祭で最優秀作品賞、最優秀女優賞、最優秀脚本賞の3冠を獲得しましたが、菊地さんたちは受賞を想定していなかったため、授賞式当日夜の帰国便を予約していたそうです。菊地さんは「ドレスや豪華なジュエリーを着けていたのに、授賞式後のインタビューを受けた後、トイレで早着替えをしてアフターパーティにも参加できず、トロフィもむき出しのまま窃盗団のように空港に向かった」と顛末を明かしました。熊切監督も「審査委員長(イエジー・スコリモフスキ監督)に挨拶もできなかった」と悔やんだそうですが、結局は飛行機の出発が1時間ほど遅れたため、空港のバーで祝杯を上げたそうで、菊地さんは「あのビールはおいしかったあ」と満面の笑みを浮かべました。
【ギャラリー】
【ストーリー】
42歳で独身、青森県弘前市出身の在宅フリーター、陽子(菊地凛子)は、就職氷河期の影響で夢をあきらめて過ごしてきました。しかし、20年以上断絶していた父が突然亡くなったという知らせを受けることになります。
従兄の茂(竹原ピストル)とその家族と共に車で弘前に向かう途中で、トラブルを起こした子どもに気を取られた茂の一家に置き去りにされてしまいます。陽子は弘前に戻るかどうかを迷いつつ、所持金がないためヒッチハイクをすることに決めます。しかしそのままでは間に合わない、出棺は明日正午なのです。
北上する一夜の旅で陽子は様々な人々と出会います。懸命に働くシングルマザー(黒沢あすか)、人懐こい女の子(見上愛)、怪しいライター(浜野謙太)、心暖かい夫婦(吉澤健、風吹ジュン)。そして、陽子の前に現れる若き日の父の幻(オダギリジョー)により、陽子の心は大きく揺れ動きます。
寒い初冬の東北の風が吹きすさぶ中、果たして陽子は明日の出棺までに弘前の実家にたどり着くことができるのでしょうか…。
【作品概要】
映画『658km、陽子の旅』
7月28日(金)ユーロスペース、テアトル新宿ほか、全国順次ロードショー
公式サイト:
@yokotabi.movie/
公式Twitter:
@yokotabi_movie
Instagram:
@yokotabi_movie
【キャスト】
出演: 菊地凛子
竹原ピストル 黒沢あすか 見上愛 浜野謙太 / 仁村紗和 篠原篤 吉澤健 風吹ジュン / オダギリジョー
監督:熊切和嘉 脚本:室井孝介 浪子想
音楽:ジム・オルーク エンディングテーマ「Nothing As」by ジム・オルーク 石橋英子
【クレジット】
製作:『658㎞、陽子の旅』製作委員会(カルチュア・エンタテインメント、オフィス・シロウズ、プロジェクト ドーン)
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
制作プロダクション:オフィス・シロウズ
配給・宣伝:カルチュア・パブリッシャーズ
宣伝協力:DROP.
©2022「658km、陽子の旅」製作委員会