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映画『52ヘルツのクジラたち』初日舞台挨拶

前列左から杉咲花、桑名桃李。後列左から小野花梨、宮沢氷魚、志尊淳、成島出。

2024年3月1日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われた、映画『52ヘルツのクジラたち』初日舞台挨拶に杉咲花、志尊淳、宮沢氷魚、小野花梨、桑名桃李、監督の成島出が出席した。

映画『52ヘルツのクジラたち』は、町田そのこによる原作「52ヘルツのクジラたち」は、2021年の本屋大賞を受賞し、累計発行部数100万部目前の圧巻の傑作ベストセラー小説。<52ヘルツのクジラ>とは、他の仲間たちには聴こえない高い周波数で鳴く世界で1頭だけのクジラのこと。しかし、そんな「世界で最も孤独なクジラ」たちにも、その声なき声に耳をすませてくれる相手がきっといる。

(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会

主人公・三島貴瑚を演じる杉咲は「貴瑚を演じました杉咲花です。初日に映画館に足を運んでくださってありがとうございます。この日を迎えられて嬉しく思っています。今日はよろしくお願いします」と挨拶し、「感慨深いです。1年半ぐらい前に成島監督と初めてお会いして、そこからゆっくりと時間をかけて沢山の方々が集って議論を重ねながら、作品を深めていく時間は本当に骨の折れるような日々だったのですが、それだけみんなが真剣で、こんな現場に関われることが本当に幸せなことだなと思いながら撮影を紡いできたので、完成してこの日を迎えられて少しだけほっとしています」と思いを語った。

今作品の撮影に関して杉咲は「ほとんどのシーンをリハーサルしたのですが、その前にまずウォーミングアップとしてみんなでゲームをしたり、そのシーンに行き着く前の時間をエチュードで深掘りしていくような時間を過ごしました」と振り返り、牧岡美晴役の小野花梨さんとの共演を「友達として過ごしてきた時間が遥かに長かったですし、私はいつか花梨と深く交わるような役で共演したいなっていう目標があったんですけれど、2年以上前に花梨からおすすめの本として『52ヘルツのクジラたち』を紹介してもらって、購入したぐらいのタイミングで貴瑚役のオファーをいただき、美晴役を花梨にという、こんな巡り合わせってあるんだなと本当にご縁に感じました」とコメント。

また、大分での撮影について「ロケ地になった貴瑚の家のテラスが本当に解放感があって天気にも恵まれて、ご飯がすごく美味しかったので大分での時間は本当に癒しでしたし、美味しいものが沢山あるとみんなで食べに行きたくなったりして、ご飯に行ったり、撮影が終わった後に花梨とホテルの近くを一緒にウォーキングもしました」と明かした。

(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会

「長い道のりだった」と映画公開までを振り返った杉咲は「議論を重ねながら作品を深めていく時間は、骨の折れるような日々でした」としみじみ。骨の折れるような日々を過ごしたが「とても真剣な現場。こんな現場に関われることが幸せなことという想いで紡いできました。ホッとしています」と安堵した。

(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会

映画の宣伝活動をするなかで「どう説明したらいいんだろう。ぜひ観てね!と安易に言えない部分があります」と話した志尊は「嫌な気持ちを持つ人がいないという思いもあります」と正直な気持ちを言葉にし、「杉咲花をはじめ、みんなでぶつかり、時には苦しい思いをして作った作品です。たくさん人に観てもらえることがなによりの救いです」と胸の内を明かした。 成島組は何度も繰り返しリハーサルをする。

(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会

「クランクイン前にシーンへの向き合い方、感情の作り方と向き合えたこそ、(本番で)シーンに入り込むことができました」と充実感を滲ませた宮沢。杉咲も「ほとんどのシーンをリハーサルしました。まずウォーミングアップとしてみんなでゲームをして、エチュードで深掘りをするような時間でした」と丁寧な作品作りに触れる。

(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会

志尊は居酒屋に入るシーンに触れ、「監督から『なんでここに座ったの?』と訊かれて。『役はいま、こういう状況。じゃあ、どこに座る?』と問われて。ものづくりってこういうところから作るべきだと身が引き締まる思いでした。緊張感を持ってリハをやれた期間は、貴重な経験でした」と笑顔を見せていた。

(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会

杉咲と10年来の親友である小野は原作の大ファン。杉咲に原作をすすめたのも小野だったそう。「たくさんの人に読んでほしいと思った原作です」と微笑んだ小野は「杉咲花主演ということにビックリしたけれど、原作の素晴らしさを残しつつ、映像化するうえで、新たな魅力を加える一部になれるようにしました。身の引き締まる思いでした」と当時の意気込みを語っていた。

(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会

共演者が優しく、現場に行くのが楽しかったと撮影の思い出を語った桑名と杉咲の間にはコミュニケーションのルールがあったという。ロケ地の大分に行った際に「ルールを作ろう」と話したそうで、「桃李は『思ったことを何でも言いたい』と言ってくれたんです。私からは『毎日朝会ったらハグするのはどう?』って提案しました」と話した杉咲。敬語をやめ、“花”と呼んでもいいと伝えたある日、「できないです」と断られたそうだが、撮影が進むと「花って呼んでいい?」と桑名から言われたとニッコリの杉咲は「気づいたら敬語も外れていて。一緒に過ごした時間が心を解放してくれたのかと思うと本当に嬉しかったです」と喜びを噛み締めていた。

(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会
(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会
(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会
(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会

イベントでは今月5日に29歳の誕生日を迎える志尊にバースデーケーキと花束がプレゼントされるサプライズも。20代最後の1年の最初の作品が本作になることについて「僕が歩んでいくなかでも背中を押してくれるような作品になると思います」と作品の思いを語りました。

最後の挨拶で杉咲は「私達はこの映画を撮り終えて、完成したことに対して清々しくやりきったと手放しで思ってはいません。きっと議論が起こると想像していますし、皆様からの声を真摯に受け止めていきたいなという気持ちを持っています。ただ私はこの作品が時代の中で乗り越えられていく作品になってほしいと思っていて、将来この作品を見返した時に、まだこういう悲劇が描かれていた時代があったのかと人々に思われてほしくて、そのためにこの作品が作られたのではないかと信じています。人の痛みを全て分かることは多分できなくて、でも分からないっていうことは無力ではないと思うんです。分からないからその人のことを知りたいと思えるし、優しくしようって思えるんじゃないかなって私は思っていて。共感できなくても隣にいるし、大切なものを分けあえたりできる。だからこそ、どうか諦めないで人と関わろうとしてほしいっていうこの作品に含まれているメッセージを私は大切に受け止めたいと思っていますし、責任を持って皆様に今日は届けにきました。劇場を出た後に、皆さんにとってほんの一瞬でも光を感じられるような作品になっていたら嬉しいです。今日は観に来てくださってありがとうございます」と舞台挨拶を締めくくった。

物語・・・
ある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚。
虐待され「ムシ」と呼ばれる少年との出会いが呼び覚ましたのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、今はもう会えないアンさんとの日々だったー。
『52ヘルツのクジラたち』

映画『52ヘルツのクジラたち』作品情報

公開日 2024年3月、TOHOシネマズ日比谷他全国公開中
キャスト 監督:成島出
原作:町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)
出演:杉咲花 志尊淳 宮沢氷魚 小野花梨 桑名桃李 / 余貴美子 倍賞美津子
主題歌 「この長い旅の中で」Saucy Dog(A-Sketch)
配給 ギャガ
制作国 日本(2024)
公式サイト https://gaga.ne.jp/52hz-movie/

(C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会

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