町田そのこによる原作小説『52ヘルツのクジラたち』は、2021年に本屋大賞を受賞し、累計75万部を売り上げるというベストセラー作品です。この小説は、他の鯨が聞き取ることのできない高い周波数で鳴く“52ヘルツのクジラ”を軸に据え、愛を求め、孤独な魂たちが誰にも届かない声で泣く姿を描いた切なくも美しい愛の物語です。
そして、この感動的な物語が映画化されることになり、主人公・三島貴瑚を演じるのは杉咲花です。杉咲花はこれまで『法廷遊戯』、『市子』、『片思い世界』など話題作に出演し、その演技力が注目されています。今回の『52ヘルツのクジラ』でも、どのようにして貴瑚を演じるのか、その演技に期待が高まっています。
杉咲花、監督、原作者からコメント
主演:杉咲花コメント
この物語は、皆が自分の隣や心の中にいる誰もに、拍手を贈れる日々への祈りだと思います。
その志に少しでも加わりたくて、貴瑚という役を演じることになりました。
信頼する成島組の皆さまと、力を尽くしていきたいです。
監督:成島出コメント
「誰にも届かない声などない」町田そのこさんのこの熱い想いにどうしたら映画はこたえられるのか。
繊細で、力強く、残酷で、あたたかい本作に、大いなる覚悟で臨んでいます。
この難しい作品に、撮影前から並々ならぬ思い入れで準備をすすめてくれた杉咲さんたちと、共に挑めることを心強く思います。
52ヘルツで声なき声を上げる「だれか」に、この作品が届くことを信じて。熱い夏を乗り切りたいと思います。
原作:町田そのこコメント
『52ヘルツのクジラたち』は、広大な世界に小さな魚を放流するような気持ちで送り出した作品でした。その魚がたくさんの方の手によって、まさに大きなクジラのような存在になり、大海を泳いでいる。それだけでも夢を見ている心地だったのに、まさか映画という未知の世界にまで泳いでいくなんて。
脚本をいただきましたが、自分の頭の中で描いていた世界、ひとびとが、くっきり浮き出てくる気配をひしひしと感じて、震えました。これから、成島出監督や杉咲花さんをはじめとした俳優の方々、素晴らしいスタッフの方々の手によってますますその輪郭を濃くし、色鮮やかになってゆくのだろうと思うと、楽しみでなりません。
【ストーリー】
ある傷を抱えて、東京から海辺の町に引っ越してきた主人公・貴瑚。彼は過去の出来事から傷つき、新しい場所で新たな生活を始めることを選びました。
そんな彼の人生に転機が訪れます。虐待を受けながらも、「ムシ」という言葉で呼ばれていた少年と出会うことになるのです。この少年との出会いが、貴瑚の心を揺り動かし、彼の声なきSOSを聴き取り、救いの手を差し伸べてくれたアンさんとの過去の思い出を呼び覚ましました。
アンさんとの日々は貴瑚にとって特別なものであり、その出会いが彼の内に秘めていた感情を目覚めさせるきっかけとなったのです。
【ギャラリー】
【作品詳細】
映画『52ヘルツのクジラたち』
公開時期:2024年3月 TOHO シネマズ 日比谷他全国ロードショー
原作:町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)
出演:杉咲花
監督:成島出