安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代を描いた完全オリジナルストーリー『陰陽師0』(ゼロ)が4月19日(金)に全国公開となります。
本作を海外へ向けて発信すべく、日本外国特派員協会での記者会見が行われ、主演山﨑賢人演じる安倍晴明の相棒・源博雅(みなもとのひろまさ)を演じた染谷将太、そして佐藤嗣麻子監督の二名が登壇しました。
映画『陰陽師0』日本外国特派員協会 記者会見
日時:4月10日(水)
場所:公益社団法人 日本外国特派員協会
登壇:染谷将太、佐藤嗣麻子監督
染谷、佐藤監督が登壇、英語での挨拶の後、簡単に略歴が紹介。 染谷については『ヒミズ』にてヴェネチィア国際映画祭で日本人初となる最優秀新人賞を受賞した、日本を代表する俳優。佐藤監督はロンドン・インターナショナル・フィルム・スクールで映画制作を学んだ後に映画監督として1992年に『ヴァージニア』でデビュー。『エコエコアザラク WIZARD OF DARKNESS』『K-20 怪人二十面相・伝』などを手掛け数々の映画賞を受賞。夫は『ゴジラ-1.0』で世界を席巻した、映画監督である山崎貴と紹介された。 最初に、約30年前から原作の夢枕獏と親交があり、ずっと「陰陽師」を撮りたかったという過去の発言を受け、30年来の願いが叶ったということになるのかという問いに佐藤監督は「その通りです!」と笑顔で即答。大きな喜びと本作への強い想いを感じさせた。染谷らしい役だったというMCからの感想と共に、自身に寄せていったのか?など役作りについて問われると染谷は「(自分には寄せず)役に寄せていきました。監督とともに作り上げていきました。」とコメント。MCとの質疑応答が終わると、作品鑑賞後の特派員から様々な質問が挙がった。染谷へ役作りでの一番の課題について問われると、「セリフは現代、世界観は平安。そのバランスを意識しました。平安の世界観を保ちつつ、現代の人に説得力を持たせるのが大変だった。」と回答。 昨今<インティマシーコーディネーター>など映画界で新しい役職が出てきているが、本作でも<呪術監修>と呼ばれるスタッフがいるが、どのような役割だったのかについて、「陰陽師は実際にあった職業なので、実際に使っていた呪術を監修していただきました。現場でも呪文の言い方や印の結び方なども指導していただきました。」と本作の要ともいえる呪術にも専門家を迎え、クオリティにこだわったことを明かした。今年は辰年だが、それも狙って龍を登場させる意図もあるのか?という問いに「これは偶然です(笑)。ただ西洋では龍は物質として描かれますが、東洋の龍はエレメントだということを表現しました、それができて嬉しかったです。」と回答し、佐藤監督の持つ“龍”への考えに会場も興味津々の様子であることが伺えた。 最も印象に残っているシーンについて染谷は「晴明と博雅が初めて出会うシーン。何日もリハーサルを重ね、何度も試行錯誤したシーンで山﨑さんと役を入れ替えることも行った。2人の友情が始まるところなので印象に残っています。」と制作秘話を明かした。 さらに佐藤監督の夫である「ゴジラ-1.0」で世界を席巻した山崎貴監督から本作について何か感想などあったのかを問われると、 「家庭内で仲良くするために、普段は互いの作品の感想を伝えることはしないようにしているが、ただ今回は観たい!ということで観てもらいました。その後どうしても何か言いたそうにしていたので聞いてみると、「面白かった!スゴイよかった。ずるい!」と言ってもらえて安心した。」と絶賛されていることを明かした。 また山崎監督の作品にもいくつか出ているが染谷だが、裏切ってしまったというような気持ちはあったか?という問いについて染谷は「いつかご一緒したいと思っていたので、むしろ逆で夫婦の作品に出れて、嬉しかったです。夫婦作品を制覇した気持ちです(笑)」とジョークを交え、会場の笑いを誘った。 最後に日本の歴史的な古典でもある陰陽師という題材がこれから世界に届いていくことになるが、世界の観客にどんなメッセージを伝えたいかという壮大な問いに染谷は「目に見えない。耳でも聞けない、においをかげない。そんな情報に溢れていると思います。それはある種みんな“呪”にかかっている状態だと思っています。「主観と客観というのはどうでもよくて、ただ2人で酒を飲んでいる。それが全てなんだ。」という本作で好きなセリフがありまして、そこにすごく幸せを感じることができます。実際に身の回りで起きていることを“心”から見ることができるようになってくれれば嬉しいです。」と嘘か真か分からない情報で溢れかえる世界を例に挙げ、そんな世界への願いもこもった想いを吐露した。
『陰陽師0』作品情報
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