映画

映画『過去負う者』

舩橋淳監督の最新作『過去負う者』が、10月上旬から東京・ポレポレ東中野を含む全国で公開されることが決定しました。この映画は、受刑者の採用を支援している実在の就職情報誌の活動にインスパイアされて制作された劇映画です。日本の刑務所出所者のうち、約50%が5年以内に再犯し再入所しているという現実に焦点を当て、元受刑者の社会復帰における難題に迫ります。特に「就労」の問題が浮き彫りとなり、社会復帰の大きな課題として浮かび上がっています。

舩橋監督は、ドキュメンタリーから劇映画まで幅広く作品を手がけており、本作でも前作『ある職場』と同様にプロデューサーを務め、前科者の社会復帰に向き合う問題をリアルに描いています。彼の演出手法は、俳優との即興演技を交えることで、作品に深いリアリティと感動をもたらしています。

映画のティザーポスターやチラシには、イラストレーターのハセナオ氏が参加しました。ハセナオ氏は元受刑者の更生支援に共感を寄せており、映画のメッセージを繊細に表現した素晴らしいイラストが描かれました。映画は、現代社会における課題を取り上げつつ、再入所者への理解と支援の必要性を訴える感動的な作品として、多くの観客に心に残ることでしょう。

【ストーリー】

受刑者向けの就職情報誌「CHANGE」の編集チームは、出所者の就職斡旋と更生支援を行っていました。藤村(35)は、ひき逃げによる殺人罪で10年服役した田中(34)を担当し、彼を中華料理屋に就職させましたが、田中のキレやすい性格によりトラブルが続いています。また、女子児童へのわいせつ行為により2年服役した元教師・三隅(37)は、就職した後にすぐ消息を絶ち、チームを失望させています。さらに、薬物常習で2年服役した森(30)は清掃会社で働いていますが、長年続くコミュニケーション障害によりなかなか社会に馴染むことができません。

元受刑者たちが社会復帰に向けて苦しむ姿を目の当たりにした藤村らは、アメリカの演劇を活用した心理療法・ドラマセラピーを提案します。彼らは元受刑者たちと共に稽古を重ね、舞台『ツミビト』を公演することになります。舞台初日、観客の反応は彼らにとって全くの予想外でした。これまでの苦しい過去を背負いながらも、彼らの演技と努力が観客の心に響いたのです。

【ギャラリー】

【キャスト】

撮影・録音・脚本・編集・監督: 舩橋 淳
プロデューサー: 舩橋 淳、植山英美
出演:辻井 拓、久保寺淳、田口善央、紀那きりこ、峰あんり、満園雄太、みやたに、伊藤 恵、小林なるみ、平井早紀

配給・宣伝:株式会社BIG RIVER FILMS
10月上旬よりポレポレ東中野ほか全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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