2016年に公開された『ケンとカズ』から8年、多くの映画ファンの度肝を抜いた小路紘史監督、待望の最新作『辰巳(たつみ)』(4/20公開)新予告映像が完成した。
新予告は、過激な描写が盛り込まれた“閲覧注意”の映像、通称“レッドバンド予告”と呼ばれるものとなり、冒頭に表示される『辰巳』の白抜きロゴが、真っ赤に染まる描写から始まる。
そして、その後すぐに映し出されるのは、両手両足を縛られ、ズボンをずり落とされた男に近寄る不気味な男の姿。今から縛られた男をいたぶり、責めさいなむことを本能レベルで楽しもうとするその表情は、観る者を戦慄させる。この不気味な男の正体は、姉を殺された葵の仇でもあり、主人公・辰巳と同じ組織に属し、組織の中で最も悪名高い最凶最悪の沢村兄弟の弟、竜二。
その後の映像にも竜二の狂暴で凄烈な姿が画面を支配し、立て続けに映し出されるド迫力のにらみ合いの描写が収められている。
本作で竜二に扮したのは、本作で映画初出演となる倉本朋幸。観る者を圧倒させる存在感と迫りくる顔面力—。スクリーンに竜二というキャラクターを確実に、そして恐ろしく深く刻みこんだ倉本の威風堂々としたその姿は、間違いなく、映画ファンを唸らせることになるだろう。
映画『辰巳』新予告
『ケンとカズ』は劇場公開の前年である2015年の第28回東京国際映画祭<日本映画スプラッシュ部門>にて作品賞を受賞したほか、将来性のある新人監督を選出して贈る2016年度の「新藤兼人賞銀賞」を受賞するなどし、劇場公開後はインディペンデント映画でありながら、その作品評価の高さから上映期間が2度延長されるなどロングラン上映となった作品だ。あれから8年。鮮烈なデビューを果たした小路監督が再び新たなノワール作品を作り上げた。
映画は、日本のリアルな裏社会を描きながら、“日本的”なものを極力排除した無国籍ムードを全編に漂わせ、アウトローたちの慟哭とロマンが胸を打つ、日本映画の枠を拡げる可能性を秘めた、これまで誰も観たことのない“ジャパニーズ・ノワール”となっている。
裏稼業で働く孤独な辰巳(遠藤雄弥)は、ある日元恋人・京子の殺害現場に遭遇する。一緒にいた京子の妹・葵(森田想)を連れて、命からがら逃げる辰巳。
片や、最愛の家族を失い、復讐を誓う葵は、京子殺害の犯人を追う。犯人は辰巳と同じ組織に属している沢村兄弟。生意気な葵と反目し合いながらも復讐の旅に同行することになった辰巳は、彼女に協力するうち、ある感情が芽生えていくー。
主人公・辰巳役には、カンヌ国際映画祭「ある視点」に出品され、仏・セザール賞で4部門ノミネートした話題作『ONODA 一万夜を越えて』(21/アルチュール・アラリ監督)の遠藤雄弥。
さらに、行き場のない怒りを復讐に変える少女・葵役には、今注目の若手女優、森田想。
その他、ドラマ「全裸監督」シリーズ(NETFLIX武正晴監督)にて、ラグビー後藤を演じ大きな注目を浴びた後藤剛範、『福田村事件』(23/森達也)の佐藤五郎、本作が映画初出演となり、劇団「オーストラ・マコンドー」を主宰する倉本朋幸、『佐々木、イン、マイマイン』(20/内山拓也監督)の藤原季節ら実力派が顔を揃えている。
《STORY》
裏稼業で働く孤独な辰巳(遠藤雄弥)は、ある日元恋人・京子(龜田七海)の殺害現場に遭遇する。一緒にいた京子の妹・葵(森田想)を連れて、命からがら逃げる辰巳。片や、最愛の家族を失い、復讐を誓う葵は、京子殺害の犯人・沢村兄弟を追う。生意気な葵と反目し合いながらも復讐の旅に同行することになった辰巳は、彼女に協力するうち、ある感情が芽生えていくーーー。
『辰巳』作品情報
キャスト | 監督:小路紘史 出演:遠藤雄弥 森田想 佐藤五郎 後藤剛範 倉本朋幸 松本亮 渡部龍平 龜田七海 足立智充 藤原季節 |
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配給 | インターフィルム |
制作国 | 日本(2023) |
上映時間 | 108分 |
(C)小路紘史